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攻守両面でチームを支える浦和DF那須、代表は「頭にない」

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[7.6 J1第14節 甲府0-1浦和 国立]

 ボールを回せているのに点が入らない……。おそらく多くの浦和レッズサポーターが抱えていたであろう鬱積した想いを歓喜の雄叫びに変えたのは、DF那須大亮の一発だった。「(得点シーンの前に)うめ(梅崎司)から(興梠)慎三へのボールでファーに流れた場面があって。あのタイミングで(中に)入れたら(ゴールが)入る」と事前にゴールのイメージができていたという那須。3バックの中央から思い切った上がりを見せて決勝弾を叩き込んだ。

 試合も終盤にさしかかった後半38分、「相手が引いていて1枚だと厳しいと思っていましたし、(柏木)陽介が残ってくれていたので」と思い切りよく攻め上がると、梅崎から「イメージどおり」のクロスが上がった。「森脇や槙野のケアは練習していたけど、那須くんの上がりは想定外」。昨季柏レイソルでチームメイトだった甲府のMF水野晃樹も舌を巻いた。

 前所属の柏では右サイドバックで起用されることが多かった那須は、本職のCBで勝負するために新天地を求めた。そして今季、DF永田充がケガで離脱したのを機にレギュラーに。中断期間前はかさんでいた失点も、6月のナビスコ杯2連戦とこの日の甲府戦では3試合でわずか1失点。守備の安定に那須がはたしている役割は大きい。さらに、守備面だけでなく攻撃面でもチームに大きく貢献している。この日の得点で今季4点目。MF原口元気の6得点に続いて、MF柏木陽介と並ぶチーム2位タイだ。

 そんな活躍を前に、記者とのやり取りの中で、慢性的にCBが不足している日本代表についても話が及んだ。好調浦和を支えるDFリーダーの代表入りを推す声も当然だろう。しかし、那須本人は少し先の“韓国”より、目の前の“浦和”を見つめる。「とりあえずチームで倒れるまでやるだけ。(日本代表は)頭にないです。浦和で結果を残したい」。あくまでチームでのプレーを第一に考えている那須だが、この試合で見せたような活躍をし続ければ、ザッケローニ日本代表監督の目にもとまるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)
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