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日本vs中国 試合後の選手コメント

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[7.21 東アジア杯 日本3-3中国 ソウル]

 日本代表は21日、東アジア杯初戦で中国代表と対戦し、3-3で引き分けた。FW柿谷曜一朗、FW工藤壮人がデビュー戦初ゴールを決めるなど一時は3-1とリードを奪ったが、終盤の2失点で引き分けに終わった。

以下、試合後の選手コメント

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
「チームを活性化させるために動きの質をもっと上げないといけない。それはチームでも言われていること。ミスが多すぎた。優勝するには勝利が必要だったし、ゴールできたことはよかったけど、勝利につながっていないので残念」
―中国は球際でもかなり激しかったが?
「中国戦はそういう試合が多い。多少のケガは覚悟のうえでやっていた」
―高萩との連係で意識したことは?
「早く(高萩)洋次郎に落とすことで攻撃が活性化する。一発で裏にパスを出せる選手。早く落とすことを意識した。(所属する)チーム(広島)で(佐藤)寿人さんに出すスルーパスとか、洋次郎にとってそれが一番やりやすいプレーだと思うし、僕もゴールに直結する動きを意識していた。あと2試合、また一緒に出れたら、もっと合わせていける。すごくやりやすいというか、単純にうまいなと思った」
―得点シーンは低いクロスに飛び込んだが?
「相手は大きい選手が多いし、普通に(クロスを)上げられても勝てない。(試合前に)槙野さんと駒野さんには『DFとGKの間に速いボールを上げてほしい』と言っていた。イメージどおりだった。自分が要求したところに来たので」
―アシストの場面は?
「2点目を取りたかったけど、(DFが)2人寄ってきたので。シュートコースはあったけど、ボールがバウンドしていたし、工藤の方が体勢がよかったので」
―もう1点決めていればという場面があったが?
「決めていればというより、あそこで決めなかったのが僕の悪いところだし、勝てなかった原因。ボールが跳ねて腰に当たった。予想外と言えば予想外だったけど、もっと早いタイミングでも打てた。恥ずかしいミスだった。自分の結果より、チームが勝つ結果がほしかった。それを得られず、残念」
―デビュー戦で緊張は?
「緊張は試合中ずっとしていた。交代するまで緊張していた。いつもセレッソの試合でも緊張している」
―初戦は引き分けに終わったが?
「これを乗り越えて優勝してこそ本物だと思う。チームで2試合を乗り切って、最後に優勝カップを掲げたい」

●FW工藤壮人(柏)
「結果を残せたのは非常に良かった。しっかりと結果を求めて、コンセプトを理解した中でアピールしに来たので、チームは勝つことができなかったけど、最低限のゴールという形は見せられたかなと思う」
―得点シーンは?
「下のグラウンドが悪かったし、まずはしっかりとボールをとらえること。GKが少し近かったけど、どうにか自分の形に持って行けたので、入って良かった」
―柿谷とのコンビネーションは?
「守備に追われる時間が多い中で、ここぞというタイミングではカキくん(柿谷)もそういう仕事をしようとするし、近くにいれば僕自身もやっていてやりやすい。もっと練習をやっていけば。反省する面は反省して、また次に生かせればいいと思う」
―ゴールの形は良かったのでは?
「カキくんが粘ってくれたし、個人的にもあのポジションでできるだけPAの中に入って仕事をしたいという気持ちでいた。PAの中でゴールを決められたので、次にまたチャンスが来たら、もっとPAの中に入ってゴールに絡んでいきたい」
―後半は裏を突く動きができていたが、ハーフタイムに変えようと話をしたのか?
「相手も攻撃をする機会が多くなったし、相手のDFラインも前半から高かったので、そこをもっと突いていこうという意識を持っていた。そこをもっともっと突いていければ良かったけど、守備に追われて難しかった部分もあった。体力的にも難しい部分もあったので、今は守備にいくときなのか、今は攻撃にいくときなのか、その使い分けをハッキリできれば、体力も温存できると思う。まだまだコンセプトにとらわれている面がみんなにあると思うので、柔軟にやっていければいいと思う」
―前半は駒野とのサイドでコンセプトに忠実に守備をやろうとしているように見えたが?
「そうですね。そこは監督にも聞きに行ったところでしたし、そこはしっかりコンセプトを守ろうと思っていた。コマさん(駒野)の方が経験が多くて、分かっているので、いろいろと聞いて吸収していきたい」
―後半の攻撃には柔軟性が見えたが?
「はじめは全員に硬さがあったけど、後半はコンセプトがある中でそれぞれの特長を出せたと思う。要所でテクニックを持った選手など、それぞれの良さが出たと思うので、それは次の試合にも続けていきたい。ポジティブな要素は多かったと思う」
―自分の良さを出すことと、チームコンセプトを守ることのバランスはうまく取れたか?
「コンセプトを守りつつも少しは出せたかなと思うけど、もっともっと頭を使って効率よくゴールに絡んでいけるところがあったので、そこは反省している。もっともっと頭を柔軟にしないといけないし、練習を重ねることでコンセプトも自然と体にしみついてくると思うので、そこは頭で考えなくてもできるようにならないといけない」
―ザックジャパンで勝負するためには残り2試合でさらにどういうところを出していきたい?
「一番は目に見える結果。そこをしっかりやらないといけないと思うけど、そういう中でもチームの規律をしっかり守りつつ、攻撃だけでなく守備でもしっかりハードワークして自分の良さを出していければいいと思う」

●FW原口元気(浦和)
「僕たちのやろうとしていることは、特に攻撃面では出せたと思う。まだ集まって3日目だけど、その中で非常にいい形もつくれていたし、何より3点取れたことがその証明だと思う。個人的な話をしたら、やはり目に見える結果が欲しかったけど、チームとして見たら、3日間でこれだけの結果を出せたというのは非常にプラスだと思う」
―工藤選手の得点場面は原口選手がDFを引きつけた。
「そうですね。長い距離を走って(DFを)引きつけられた。でも、コンフェデ組、主力組に何とか入っていくにはカキくん(柿谷)や工藤くんみたいに目に見える結果が必要だと思うので、あと2試合はそこにも強くこだわってやりたいと思う」
―レイトタックルを受けたが?
「スネのところを持って行かれて、(以前痛めた)足首が痛かったけど、あれくらいは来ると思っていたので、受け身は取れたと思う。大丈夫です」
―最後はロングボールへの対応が難しくなった。
「そうですね。その中でも2点目はどうしてPKなのか分からないけど、跳ね返す力を持って、まとまってやれば、ああいう失点は防げると思う。まだ3日目だけど、守備はもっとハッキリまとまってやることが勝ち切る方法かなと思う」
―久々に柿谷選手とやって感じたことは?
「非常にやりやすいですね。やっぱりいい動き出しをしてくれるので、僕たちのパスがもう少し良ければもっといいチャンスができると思う」

●MF高萩洋次郎(広島)
「まだ集まって2、3日しか経ってない。もっともっとよくなると思う。チームが集まったばかりなので、やることをハッキリしないとうまくいかない。シンプルにプレーして、自分の良さを出せればと思っていた。前半の途中ぐらいからはボールを受けて出すという形を何回か出せた。3点目の場面では(柿谷)曜一朗が抜け出すボールも出せた。カウンターからパスで裏を狙えるのが自分の良さ。もっともっと出していきたい」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
「失点に関してはチームというより、俺個人の問題でやられている。そこは本当に反省しないといけない。勝てた試合を引き分けにしてしまった。ただ、それはもう言っていてもしょうがないし、次に切り替えてやるしかない」
―審判の判定になかなか慣れないようだったが?
「よくファウルを取られたけど、試合の中で審判の癖を見抜かないといけない。分かっていたけど、こうやって取られると……。未熟さがあるのかなと思う」
―1失点目につながるPKはミスが続いたが?
「1対1で俺が抑えていれば問題はなかった。開始早々で足がまったく動かなかった。俺個人のせいだし、反省しないといけない」
―蒸し暑さも影響した?
「というよりも個人の問題。どういう環境であっても、いい入りをしないといけない」
―3失点目の場面では前に入られたが?
「自分が付け切れれば何でもなかったけど、いいボールが来て、自分のポジショニングも悪かった。そこは日本の課題だし、自分の課題でもある」
―中国はロングボールを蹴り込んできたが?
「そこは跳ね返さないといけないし、チームとして長い時間やっていないわけだから、試合の中で話さないといけないし、後ろから声をかけ合わないといけない。特に俺はこのチームで一番やっているわけだから、声をかけながらやらないといけなかったし、やっていたけど、もっとやらないといけなかった」
―栗原選手、駒野選手という引っ張っていかないといけない2人のミスから失点した。
「本当に俺らがしっかりしないといけないのに、逆にやられてしまって……。それでは勝てない」

●DF槙野智章(浦和)
「前線の選手の個人の能力の高さは証明できたと思う。普段、一緒にやっていないメンバーの中でも随所に良いコンビネーションが見られたので、攻撃のところでは非常に怖さのある、いい動きができたと思う」
―槙野選手はザックのやり方を分かっているが、後ろから見ていて前半は硬さがあった?
「そうですね。ちょっと監督の求めるサッカーに対して、みんなが型にはまってしまった。その中で良さが出なかったけど、時間がたつにつれてチーム戦術の下で自分の良さを出して光っていたものがあった」
―前半はうまくいかなかったけど、何度もチャレンジしていたのが後半に生きた?
「それを切らさずに続けることを話していたし、なかなか集まってすぐに良いコンビネーションは出せない。でも、試合の中で徐々に修正して力を上げていくということはできていたと思う。あとは、僕は幸運なことに左サイドで同じチームの原口がいたし、右側には青山、高萩と、広島で長くやってきたメンバーがいた。森重も中学校で一緒にやっていたし、やりづらさはなかった」
―2得点目のアシストは?
「このチームに合流して最初のトレーニングでクロスの練習をした中で、監督から『GKとDFの間にクロスを入れよう』と言われていた。なおかつ試合前に(柿谷)曜一朗と『槙野くん、僕はここに入るので入れてくれ』と言われていた。僕はそこに入れたし、彼もいい動きをしてくれた。良かったシーンかなと思う。僕自身も彼の良さを引き出すためにやるし、豊田くんともやって、彼は高さもあるし、では、柿谷とはどうやろうかと。僕も彼の良さを引き出せたし、彼も僕の良さを引き出してくれた。あうんの呼吸というか、非常に良かったと思う」
―失点が多かったが?
「失点の部分はPK2本とクロス。レフェリーをどうこう言うことはないけど、チームの戦術の中で、急に組んだ4人の中で良くやれたかなとは思いますが、結果的に3失点はいただけないし、反省する部分の一つ。ただ、今日の試合に限って言えば、先制点をすぐに食らった中でもすぐに追いつけたことはプラス材料だったと思う。最後の最後に踏ん張りきれなかったのは残念だった」
―ロングボールに対してラインが下がっていたが?
「我慢できなかった。監督もラインが低いというのは言っていたし、クリアした中でもセカンドボールを拾えずにラインを上げられなかった。もう少しメリハリのきいた守備ができればと思っていたけど、この暑さだし、相手も疲れていた」

●DF森重真人(F東京)
「急造チームで第1戦で、難しい試合になるとは思っていた。立ち上がりに失点したけど、まだ時間はあるから慌てずにいこうと話していた。そこからは落ち着いて戦えたと思う。後半はしっかりできた部分もあった。勝ち切れなかったのは残念だけど、試合の中で立て直せたことはよかった」
―代表デビューという実感は?
「位置づけとしてはそういう位置づけになるけど、やることは変わらないし、普段やっていることを出そうと思っていた」
―栗原とのコンビは?
「DFラインのコントロールに一番気を付けながらやった。ポジショニングは練習から多少確認できていたので」
―3失点したが、守備が崩された場面はそれほどなかった?
「3失点目だけだと思う。あの時間帯で失点するのが自分たちの弱さ。前半に同じシーンがあったら(マークに)付けていたと思う。集中力の問題か、疲れで足が止まったか、あの時間帯に失点してはいけなかった」
―失点の直前に栗原が治療で外に出ていて、DFラインはポジションがずれていたが?
「人数が足りなくてやられたわけではない。人数がいたけど、やられた。混乱はなかった」

●GK西川周作(広島)
―3失点中、2失点はPKだった。
「PKが2本あったので、1本は止めないとチームに貢献できない。そこは自分の仕事だし、2点リードして追いつかれたことは反省しないといけない。あそこで勝ち切ることをアジアでもやっていかないといけない」
―初出場の選手も多かったが?
「初めての割には全然できていたと思う。試合に入るにあたって、攻められる状況も考えていた。前半で勝ち越されなかったことはよかったけど、90分を通して勝ち切ることができればよかった」
―最終ラインも急造だったが?
「リスクマネジメントと、クロスからの守備を意識していこうと話していた。最後にクロスからやられたのは反省しないといけない。でも切り替えることが大事」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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