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豊スタ史上最多観衆を魅了、宮市もゴールしたアーセナルが名古屋に快勝

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[7.22 親善試合 名古屋1-3アーセナル 豊田ス]

 名古屋グランパスとアーセナルの親善試合が22日、豊田スタジアムで行われた。豊田スタジアム史上最多の4万2919人もの観衆が詰めかけた注目の親善試合は、アーセナルが3-1で勝利をおさめた。凱旋試合で注目の集まった宮市亮も、前半にPKを決めるなど、詰めかけた大観衆を沸かせる活躍を見せた。

 ここのところJでもスタメンを固定している名古屋。システムは4-4-2。GK楢崎正剛、DGFラインは右から田中隼磨増川隆洋田中マルクス闘莉王阿部翔平。ダブルボランチをMF中村直志とMFダニルソンが組み、両ワイドにMF小川佳純とMF藤本淳吾が開く。FWはケネディ玉田圭司が2トップを組んだ。

 胸に日本語で『エミレーツ航空』とプリントされたユニフォームを身にまとって試合に臨んだアーセナル。地元愛知県出身の宮市もスターティングメンバーに名を連ねた。システムは4-2-3-1。GKはウカシュ・ファビアンスキ、DFラインは右からカール・ジェンキンソン、バカリ・サニャペア・メルテザッカーキーラン・ギブス。ボランチにMFミケル・アルテタとMFアーロン・ラムジーが入り、攻撃的な3枚は右からFWセオ・ウォルコット、MFトマシュ・ロシツキー、宮市。1トップはFWオリビエ・ジルが務めた。

 試合はあっという間に動いた。前半3分、右サイドに開いたロシツキーのクロスをジルが難なく頭で合わせ、アーセナルが先制に成功した。

 さらにアーセナルが主導権を握る展開は続く。7分、左サイドをオーバーラップしたギブスのクロスのこぼれ球が宮市の足もとに。ダイレクト左足で狙うが、これは惜しくもゴール右に外れた。その後も宮市はウォルコットとサイドを入れ替わるなど、多彩な攻撃パターンを見せた。

 すると26分、鋭いカウンターからウォルコットが持ち上がると、エリア内にスルーパスを出す。これがスライディングで防ぎに行った闘莉王の手にあたってしまい、アーセナルにPKが与えられる。仲間に押されて、ペナルティースポットにボールをセットしたのは宮市。楢崎も方向は読んでいたが、その先を行く豪快なシュートをゴール左隅に突き刺し、アーセナルに追加点をもたらした。

 宮市のPKが決まった瞬間、大声援で祝福したサポーター。この日は試合全体を通してもJで見られるような歌い続けるチャントはなく、時折手拍子で選手を盛り立てるなど、サポーターも“国際仕様”で臨んだ。

 後半から名古屋は2人メンバーを変更。阿部に代えてDF石櫃洋祐、中村に代えてMF田口泰士を投入。アーセナルも宮市らは前半のみでお役御免。MFジェディオン・ゼラレム、MFジャック・ウィルシャー、MFサージ・ナブリー、FWルーカス・ポドルスキの4人が一気に投入された。

 後半に入ってもアーセナルが魅せた。8分、左サイドからエリア内に侵入したナブリーが豪快にシュート。これは惜しくも外れたが、10分、鋭い縦パスに反応したウォルコットが、GKとの1対1を冷静に制して、点差を広げた。

 だが、名古屋もようやく1点を返す。27分、右サイドから田中隼も上げたクロスを途中出場のFW矢野貴章が頭で合わせる。これがファビアンスキの手を弾き、ゴール右隅に収まった。

 親善試合らしく選手交代も積極的に行われた。名古屋はGK高木義成も投入するなど、33分までにベンチ入りした全員をピッチに送り込んだ。アーセナルも全員が使われることはなかったが、若手注目株のMFチャックス・アネケらがピッチに送り込まれるなど、豪華なメンバーが最後までピッチに踊った。

 試合はこのまま3-1で終了。終了と同時に師弟対決となった、ストイコビッチ監督とアーセン・ベンゲル監督は、健闘を称えあう力強い握手を交わしていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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