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[Fリーグ]同点第2PKの浜松FP蓮池「イゴールから決めたら、何かが変わると思っていた」

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[7.21 Fリーグ第8節 浜松2-1町田 テバオーシャンアリーナ]

「アイツは、ガラスのハートだからね」。昨シーズン途中、前田健一監督は、アグレミーナ浜松でキャプテンを務めていたFP蓮池紳吾を、その任から解いた理由を説明した。結果が出ないチームの中で、その責任を背負い込んでいた蓮池に、過度な重圧を与えたくないという配慮だったのだろう。

 そんな言葉を聞いていたから、驚きだった。第8節のペスカドーラ町田戦、1点ビハインドで迎えた前半残り1.5秒。第2PKを獲得した浜松は、このプレッシャーのかかる場面で蓮池にキッカーを任せた。今シーズン開幕前、再びキャプテンに就任した蓮池は、FリーグMVPにも輝いたことのあるGKイゴールと対峙した。そして右足を鋭く振り抜き、ゴール左上に同点ゴールを突き刺した。

「ガラスのハート? いやいやいやいや。あそこは絶対に決めてやろうと思っていました。イゴールから決めたら、何かが変わるんじゃないかと自分の中で思っていましたからね。誰がGKでも決められる自信が、今はありますよ」

 ゴールを挙げた時間帯も、抜群だった。試合再開後、すぐに前半が終了。浜松の雰囲気は最高潮だった。「良い雰囲気でしたよ。いつもだと、結構、ロッカールームは静かだったのですが、今回はみんながいろんな話をして盛り上がっていました」と、蓮池は言う。一方の町田は、昨季も浜松に勝てていないことがあり、重い雰囲気でロッカールームへと戻って行った。

 後半も町田に押し込まれる時間帯は長かったが浜松は耐え抜き、後半7分にFP松本行令のゴールで逆転。その後の町田の反撃も無失点で乗り切り、今季初勝利をあげた。「監督は否定していましたが、やっぱり相性ってあると思うんですよね。失点しても『町田戦なら分からない』っていう気持ちが、僕には正直ありましたし。イゴールが加入しましたけど、負けないと思って戦えましたから」。

 今節はポジティブな『相性』が確認できた浜松だが、乗り越えなければいけないネガティブな『相性』も多い。その一つが『ホーム未勝利』というものだ。

「ホームだと良い試合をできるんですけどね。ただ、勝っていない。その『相性』は、もうここらで切りたいですね。スパンと。次節、ホームで湘南に勝てれば、一気に勢いにも乗れると思うんです。サポーターもすごい応援をしてくれるので、一緒に喜びたいです」

 対戦する湘南は、現在3連敗中であり、その3試合で21失点を喫している。勝機は十分にあるだろう。かつて湘南で指揮を執っていた浜松の小野直樹監督も「この1勝で終わると意味がなくなっちゃうので。それに僕にとって、因縁の相手なので。今日の一勝の勢いを借りて、良い準備をして勝ちたいですね」と、闘志を燃やす。

 浜松にとって初の連勝、そして何よりホーム初勝利を懸けた重要な一戦は、27日の18時にエコパアリーナでキックオフされる。

(取材・文 河合拓)チームでユニフォームをつくろう! PUMA TRIBES

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