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日本vsオーストラリア 試合前日の選手コメント

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 日本代表は24日、韓国北部の坡州(パジュ)で練習を行い、25日のオーストラリア戦に向けて最終調整した。

以下、練習後の選手コメント

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―2日間、トップ下で練習していたが?
「ポジションが違うので、求められることも違う」
―監督は「時間がたてば両方できる」と言っていたが?
「時間はいると思う。(香川)真司くんや本田選手みたいなプレーをいきなりはできない。練習や試合を重ねて徐々に体が覚えていくと思う。いきなりの代表ですべては求められていないと思う」
―両方やることのメリットはある?
「メリットは分からないけど、FWをやる選手によって動き方が違うので、試合になってみないと分からない。僕は人に合わせるとかもできないので、その場面場面でやっていきたい」
―どちらがやりやすい?
「チームでも前をやっているけど、複数できた方が(試合に)使われやすいと思うし、プレーの幅も広がる」
―トップ下だと自分が決めるより周りに決めさせるプレーが増える?
「常に自分が決める気持ちは持っているし、自分が打つチャンスもあると思う。チームのためにできれば」
―ポジションはともかく1試合やったことで次はやりやすい?
「メンバーも全然分からないけど、1試合目ほどは緊張はないと思う。でも、2試合目に出たら出たでやっぱり緊張はあると思う」
―中国戦の反省をどう生かす?
「チームとして相手の勢いを殺せなかった。しょうがない部分もあるけど、勝ちに行っているからには締めるところは締めないといけない」

●FW工藤壮人(柏)
「共通理解は深まってきたと思うし、明日の先発がだれでも全員が同じ意識を持って、臨めるかなと思う」
―この2日間はコンセプトをつめこむ作業だった?
「今日は、オーストラリアをどう崩すかというのをやると練習前に言われていた。2日間通して見ると、チームの戦い方、自分たちのコンセプトの中で個性をどう生かしていくかに照準を当てるのかなと思っていたので、どの選手も共通理解は深まっていると思う」
―個人的にも整理できてきた?
「前回呼ばれたときは、今以上にコンセプトを早く理解しないと付いていけないと思っていたので、今回はおさらいというか頭の中で整理するという形で臨んだし、前回招集されたときと言われることは変わっていなかったので、それは他の選手よりも多少はアドバンテージがあるかなと思う。それをいかにプレーにつなげていくかというところで、もっとうまく自分の良さを出す形にしたい」
―右サイドハーフのポジションについては?
「右サイドは最近、チームでも使ってもらっている。自分が1トップを超える動きだったり、1トップの近くでプレーすることで、1トップやトップ下の選手を助ける動きになるし、個人的にもよりゴールに近づく動きを意識している。監督も右のワイド、左のワイドが代表で多くの点を取っていると言っているので、得点力がワイドの選手には期待されていると思う。こなすだけじゃなくて、しっかりと結果を求めていきたい」

●FW豊田陽平(鳥栖)
―選手の特徴はイメージできるようになった?
「イメージしてますよ。槙野が上がってくると左で上げることが多いので、それはイメージしている。練習をしていて、どういうプレーが多いのかなど見て感じることが多い。ただ、試合では状況に応じて変わるので、それが難しいところ」
―練習を見ていると先発が近づいているように見えるが、胸の高鳴りは?
「非常に難しいですね。だれが出てもおかしくないメンバー構成で練習していますから。でも、だれが出てもいいようにしっかり準備しろというメッセージなのかと思っている。普段の生活からしっかりとやっていきたい」
―オーストラリア戦ではどういうものを見せたい?
「このメンバーで何かしらインパクトを与えないといけないので、自分に何をできるかを考えながらやっていく」
―チームでは豊田選手に合わせたサッカーだが、ここではそうではない。そのやりにくさは?
「それはありますね。クロスにしても合わなかったりというのがある。それでも短期間に順応できるかどうか。そこが大事だと思う。自分としてはまず、取りやすいポジションを取るので、そこに来るようにという要求もしていきたいと思う。クロスのボールの質はチームより高いし、今日もセットプレーで1本合わせられた」

●FW齋藤学(横浜FM)
―戦術理解度は上がってきている?
「そうですね。やっていることはだいたい同じことをやっているし、あとは相手のことを考えながらやっています。やり方は初日から同じ。自分の中で分かっていけばいいと思う」
―オーストラリアのビデオを見た?
「今日見ました。デカいし、体の大きさはあるけど、スピードとか細かな動きは不足しているというイメージがあるので、日本の良さを出していければいいと思う」

●FW山田大記(磐田)
「頭で分かっていたことが(ピッチ上でも)合ってきた。タイミングとかはやってみないと分からないし、それはやりながらできてきた。あとはピッチが広くなってどうなるか」
―次こそは試合に出たいのでは?
「1試合目から出番は欲しいと思っていた。でも、与えられた時間でやらないといけない。ピッチに立ったらやれる自信はある。与えられた立場でやるしかない」
―練習から積極的にプレーしているが?
「すべてがアピールだと思うし、チームでキャプテンもやらせてもらって、引っ張る立場にいる。代表でも同じ感覚でいるし、自分たちでチームをつくる意識が大事。それは代表の方がむしろ大事だと思う。チームと同じように自分が中心になる気持ちでやっている」

●MF山口螢(C大阪)
―ビデオでオーストラリアの注意点は高さだと確認した?
「そこは重点的に見たし、そこを見ることが多かった」
―練習ではボランチが落ちる形のビルドアップが多かったが?
「相手が2トップで前から来るということなので、(ボランチのうちの)1枚が落ちて(CB2人と)3枚でうまく回してビルドアップしようという形を狙っていた」
―そこからサイド攻撃につなげる?
「攻撃の形はほとんどそれが基本」
―徐々に吸収できている?
「最初のころよりは代表のコンセプトはだいぶ分かってきたと思う」
―決まり事が多い?
「確かに決まり事は多いが、どれも効果的なものだし、しっかりとそれを実戦で使えばすごく有効だと思う。いかに実戦で正確に出せるかがキーになってくる」
―試合でも約束事をうまく出せればリズムが出る?
「約束どおりやることがまず一番だと思うし、その形を崩すとリズムも出ない。全員が決まり事に沿ってやっていることなので、それを意識して、意思統一できたときはすごくいい攻撃の形になると思うし、いい流れが来ると思う」
―最初はいろいろ考えたと思うが、今は体で動けるようになった?
「ここに来たら自分はこういうポジションを取って、というのは分かってきた感じなので、初日ほど深く考えてやることはない」
―ブラジルW杯に向けても大事な大会になるが、もっと自分の武器を出したいという葛藤は?
「ブラジルの話をするのはまだ早いと思う。今大会はアピールのこともあるけど、まだ優勝したことがないし、優勝したいという気持ちがすごく強い。自分のアピールも大事かもしれないけど、それを犠牲にしてもやらないといけないことがあると思う。まずはそっちを優先してやりたい」

●MF扇原貴宏(C大阪)
―どういうプレーをしたい?
「前に運びながら、自分の特長であるキックを出していけたらいいかなと思う」
―戦術理解度は?
「ある程度、ボランチのポジショニングは理解してきたつもりです。ある程度、どこにポジションを取ったらいいのかというのは分かった。あとはそれをしっかり実戦で表現できればと思う」
―今まで経験してきた監督とザッケローニ監督の戦術の違いは?
「ボランチのポジショニングは、基本的なことを忠実に言っているだけだと思うので、ポジショニングにおいての混乱はないですね」
―その中で気をつけていることは?
「バランスや、片方のボランチがサイドにつり出されていたらしっかり場所を埋めること。常に周りを見ながらやらないといけない」
―練習後に監督と1対1で話していたが?
「監督からでした。個人的なアドバイスです。ポジショニングに関すること? いや、違います(苦笑)」
―オーストラリアの印象は?
「しっかり真ん中を固めてブロックをつくってくると思うので、しっかりサイドなどで数的優位を見つけて、そのスペースをうまく使うことを練習でもやっている。空いているスペースを見つけて攻撃したい」
―ビルドアップには低い位置から参加するという認識?
「決まりはないけど、自分の特徴的にも引いて参加するのは持ち味でもある。積極的にボールに絡んで、前を向いてしっかりいいパスを確実につないでいけたらいいと思う」

●DF鈴木大輔(柏)
「コンパクトなサッカーが求められている。DFラインをどれだけ上げられるか。ボールの位置によってラインのつくり方が違う。そこをこの2日間、意識してやった。CBとしてセオリー的なところでもあるけど、ラインの設定は高い。コンパクトにして、前から奪いたいということだと思う。自分が出たらライン設定を周りに任せず、自分が主導権を持ってやりたい」
―練習後に守備陣が監督に集められていたが?
「同じカバーリングの位置にしても、縦に抜かれたときのカバーか、横に行かれたときのカバーかで違う。細かいけど、自分の間合いを大切にしないといけないということだった。引きすぎてもダメだし、前に行きすぎてもダメだということを言われた」

●DF槙野智章(浦和)
「オーストラリアの分析も見たけど、サイドにスペースがあると監督も言っていた。サイドでより数的優位をつくれると思う。だれが出るか分からないけど、出たらそこを生かしていかないといけない。練習でもホテルでも、(ポジションの)近い選手で話すこと、要求し合うことが大事。(柿谷)曜一朗とは長く話していたので、中国戦のゴールにもつながった」

●DF駒野友一(磐田)
「最後は体を張って、チームとして連動して守備をすることが大切。一緒にやっていくうちに分かることもある。より密にできていると思う。ただ、練習と試合では違う。練習を成果を明日の試合で出せればいいと思う」

●DF森脇良太(浦和)
―居残りで4バックの指導があったが?
「今日は守備メインの練習だったけど、細かく連係について言われた。試合になったら自分たちの良さを出すのが大前提。今日言われたことをできるだけチャレンジしたい」
―具体的には何を言われた?
「動き方ですね。まずは中を締める。コンパクトなディフェンスの中からボールを奪いにいくコンセプトで守備をやろうということ。できるだけサイドチェンジされないよう、一つのサイドでボールを奪い取る。ボールを奪い取ってからは素早くシンプルにカウンターを仕掛けるというのが狙いだった」
―中国戦は前の方で守備のスイッチが入るのが曖昧になっていたように見えたが?
「集合して3日目だったので、お互いの距離感とか3日でパーフェクトにできればいいけど、やはり立ち上がりはうまくいかず、バタバタしているところで失点してしまったのかなと。でも、その後はうまく集中してみんなが声をかけ合ってポジション取りをしていた。1失点したけど、そこから15分、20分たってからはいい守備ができていたと外から見ていて思った」
―明日出るとすれば集合から7日間たっての試合。評価のハードルもさらに高くなるのでは?
「そうですね。やらなくちゃいけないと思う。全部が全部出せればいいけど、もしかしたらうまくいかない時間帯も出てくるかもしれない。でもそういうときも慌てることなくやり切りたい。うまくいかないときにバランスを崩して、より多くのことをやろうとしすぎて混乱するのもよくないと思うので、うまくできるところとできないところの割り切りもハッキリさせていきたい」
―オーストラリアのビデオを見た?
「見ました。高さもあって強いという印象。オーストラリアはフィジカルで押してくるチームだと思うので、日本の良さを出して、ボールをしっかりつないでシンプルにやりたい。みんなで連動していけば必ず崩せると思っている。オーストラリアは強いので、リスペクトしなければいけないけど、そればかり考えることなく、自分たちのゲームをしっかりやり通せたらいいと思う」
―自分の良さを出すとしたらどういうところ?
「アグレッシブにいくところですね。迷って、何かを多く考えても仕方ない。とにかく自分のサイドにボールがあるときは前に前にという姿勢を出していきたい。あとは、苦しいときこそチームを鼓舞したい。僕が出るか、だれが出るか分からないけど、だれが出るにしても鼓舞することはやり続けたい。それが自分の一番の特長でもあるし、そういうところを失えば自分でなくなりますから。がむしゃらさ、ひたむきさを前面に出してボールに食らいついていかないといけないと思う」
―11年のアジア杯のときと監督の印象で変わったことは?
「全然変わってないですね。そのままです」
―あのときは大会中にチームが結束していって優勝した。今回はそういうムードになるとしたらどういうことがカギになる?
「時間をこなせば改善されるし、1週間たったけど、チームの雰囲気はいい方向に行っていると思う。アジア杯のときはあのときの良さがあったけど、今はチームとして非常にいいものが出てきている。非常にまとまりのあるチームができてきていると思う」
―どういう部分?
「たわいもない会話やチームのまとまり。みんなで集まって話したりとか、練習の雰囲気で非常にいいものが出ている。やるところはやるし、ピッチから離れればみんなで会話する。そういうメリハリはあると思う」
―個のアピールとチームのまとまりが共存している?
「もちろん、個の力を出すのは大事だけど、チームあっての個人。チームがうまくいかなければ個人の良さも出てこない。まずはチームとしてまとまることをみんなが優先的に考えていると思うし、それから個人に向かっていきたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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