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右から大宮戦、左から豪州戦。カモメッシ齋藤が初ゴールでアピール

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[7.25 東アジア杯 日本3-2オーストラリア 華城]

 Jリーグファンを魅了した技を、国際Aマッチで再現した。前半26分、左サイドで代表初先発を果たしたFW齋藤学(横浜FM)が足元で細かくボールを転がしながら左サイドから中央へドリブル。屈強なオーストラリアDF陣が飛び込めない技術、切れ味だ。

 横一列に並んだDFをすべてかわしてやや右側へ持ち込んだときだった。GKの位置を確認した齋藤は、右足でファーサイドを狙うコントロールショットを打った。ボールはゴール左隅のネットを揺らし、日本に先制点が生まれた。

「いい状況で自分の仕掛けになったのかなと思う。途中で打とうという気持ちはなくて、あそこで打とうという雰囲気が自分の中にあった。うまくできたかな」。そう振り返り、止まらない汗をぬぐった。

 7月13日のJ1第16節・大宮戦で決めた“カモメッシ弾”を鏡で映したようなドリブルシュートだった。

「大宮戦はたまたま右で受けてああいう形になったけど、チームでも左からのドリブルをやっているので、左右どちらもうまくこなせたと思う」と胸を張る。代表デビュー2戦目にして初先発を果たし、初ゴール。組織が重視されるザッケローニ戦術の中で、個の力を示している。

 アピールに成功している理由は、自分の良さを出すことに邁進していることだろう。

「自分の特長はドリブルなので、良さを出すには3人目で仕掛けること。個人的にはサコ(大迫)の1点目のスルーとか、ああいうプレーも好きだけど、自分の良さを出すにはドリブルしかない」

 最終戦はロンドン五輪で敗れた韓国が相手。「それは意識している」という齋藤が爆発するとき、日本は勝利をおさめ、東アジア杯初優勝を飾る。

(取材・文 矢内由美子)

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