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日本vsオーストラリア 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[7.25 東アジア杯 日本3-2オーストラリア 華城]

 日本代表は25日、韓国の華城(ファソン)でオーストラリア代表と対戦し、3-2で競り勝った。日本は前半26分、FW齋藤学のA代表初ゴールで先制すると、後半11分にもFW大迫勇也が代表初ゴールとなる追加点。後半31分、34分の連続失点で一時は同点に追いつかれたが、失点直後に大迫が自身2得点目となる決勝点を決めた。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―先発を全員入れ替えた理由は? また次の韓国戦に向けては?
「メンバー発表会見でも説明したが、できるだけ多くの選手を見たいという理由でスタメンを選んだ。全員を90分間やらせられたらよかったが、疲れも出ていたので。今日の試合はナイスゲームだったと思う。両チームとも勝利のために全力を尽くした。オーストラリアは彼らの特長を出して戦い、我々も自分たちの特長を生かして戦った。いい試合だったと思う。

 試合の入りについては、半分以上の選手が代表デビューだったこともあり、緊張しているのかなという雰囲気があった。DFラインのメンバーからのビルドアップがよくできていたし、MF、FWの選手は攻守ともに惜しむことなくやってくれた。彼らのパフォーマンスには満足している。オーストラリアもいい試合をしたと思う。彼らが持っているフィジカル、パワーを前面に出してきた。我々は広いスペースで、よりボールを走らせることに集中して、うまくかわせたと思う。3得点したが、チャンスの数はそれ以上にあった。2失点については、その時間帯は疲れていて、ボールへのアプローチに行けず、スペースができて、埋められなかった。

 韓国戦の話の前に、この3年間で4回、オーストラリアと対戦しているが、何度戦ってもタフな相手だということをこの場で言わせてもらいたい。次の韓国戦についてだが、我々の目的が変わることはない。この大会に参加したのは、23人の選手の能力を見極めるため。A代表に何人入って来れるのかを見たい気持ちが強い。

 韓国は昨日の試合を見たが、1試合目からメンバーを大きく変えていると聞いている。1試合目を見ていないので、今の時点では何とも言えない。ただ、どのメンバーが出てくるかにかかわらず、彼らの方が1日長く準備期間があることに変わりはない。大切な試合になる。両チームとも優勝の可能性が残っている。当然、そこを目指さないといけないが、韓国の方がホームで、準備期間が1日長いというのは有利かなと思う。我々もコンディションのいいメンバーをぶつけることができればと思う。韓国をリスペクトしているし、アジアの中でトップクラスの存在。日本とオーストラリアと同様にW杯の出場権も獲得している。日本と韓国が良いゲームをすることを期待している」

―大会前からメンバーの入れ替えを考えいたのか?
「ここまでは想定していなかったが、今大会の一番の目的はできるだけ多くの選手を試すこと。練習の中で見極め、コンディションの良いメンバーを起用することだった。昨日の練習を見て中国戦に出たメンバーのコンディションが悪そうだったので、こういう決断をした。国際試合ではプレーのリズムが大切。(先発を決めたのは)昨日のトレーニングのあと。それを踏まえて今朝、具体的なリストを出した。韓国戦に出るメンバーも日曜日の午前中に決まることになると思う。明日はリカバーで、それから前日練習になる。注意してコンディションを見ないといけない。今日のメンバーにとっては1試合目だったが、それでもあれだけ疲れていた。交代に関しては戦術的なものではなく、疲れているメンバーを代えていった」

―立ち上がりにCBのポジションを入れ替えたが?
「鈴木が右の方が良いと思ったからだ。左は千葉の方が良いと判断した。2人ともビルドアップが得意な選手だが、鈴木はバイタルに入れることも、また逆サイドに飛ばすことも右足の方が得意。千葉はショートパスを出せるタイプなので左でも遜色ないと思った。スタートは鈴木が左で、千葉が右だったが、試合が始まってすぐに入れ替える指示を出した。こういうことは良くあること。サッカーという競技はさまざまな要素で成り立っているので、すべてを的確にしていくのは不可能に近い。監督も選手と同じく、できるだけミスを減らしていかないといけないが、当然、ミスは起こり得る」

―大迫をトップ下で使ったのは?
「まず全員を見たいと思ったので、豊田と大迫を併用しなければならなかった。大迫は裏で受けるより、もらいに来て受ける方が得意なので、トップ下というよりもセカンドトップ的なタイプだと思う。大会前、柏対鹿島の試合を見たときに、大迫とダヴィの2トップで、大迫がセカンドトップ的な動きをしていたので、それもありなのかと思った。チームメイトがボールを持って前を向いているときに走ってくれる選手がFWとしては重要だ」

―選手をすべて入れ替えることで連係面の不安は?
「それは今日に限らず、次の試合でもあるが、そこは割り切って、今大会は選手を観察して、代表候補の選手をより多くするという目的を明確にしている。今回のメンバーを含めて70人くらいの選手を呼んでいるので増えてくれればと思う」

―山田と齋藤がポジションチェンジをしていたが?
「あれは選手の判断で、流れの中で齋藤が左に、山田が右に行く状況から残っていただけだと思う。齋藤は横浜FMでは左でプレーすることが多いが、このチームの状況と自分たちがやるべきことを考えると、山田が左で、齋藤が右の方が良いと思って戻した」

―齋藤のゴールについては?
「ゴールだけでなく、いくつか良い攻撃ができた。齋藤だけでなく、みんな良いパフォーマンスだったと思う。豊田が得点できなかったのが個人的には残念だ。あれだけやってくれたのだから、1点くらいあげても良かったのにと思う。前線でのキープ、ポストプレー、ヘディングの落とし、ゴールに向かっていくプレーなど、本当によくやってくれたと思う。ペースが落ちる前までのパフォーマンスはチームとしてすごく良かった。オーストラリアは少しでも隙を見せると、さすがと思わせるようなプレーを見せる。ああいった激しいプレーはJリーグではなかなか見られない。国際試合特有のものはあったと思う」

(取材・文 西山紘平)

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