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柿谷2発で韓国撃破!!日本が東アジア杯初制覇

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[7.28 東アジア杯 日本2-1韓国 蚕室]

 日本代表は28日、韓国・ソウルの蚕室(チャムシル)総合運動場で韓国代表と対戦し、FW柿谷曜一朗の2ゴールで2-1で競り勝った。勝てば東アジア杯初優勝が決まる日本は前半25分に柿谷のゴールで先制すると、同33分に追いつかれたが、1-1で迎えた後半ロスタイム、柿谷が自身2得点目となる決勝点。日本は2勝1分の勝ち点7に伸ばし、東アジア杯初制覇を決めた。

 日本は25日のオーストラリア戦(3-2)から先発11人を入れ替え、21日の中国戦(3-3)の先発メンバーに戻した。1トップは柿谷。CBはDF栗原勇蔵とDF森重真人がコンビを組んだ。
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 完全アウェーの雰囲気の中、行われたソウルでの日韓戦。試合前の日本の国歌斉唱では韓国の応援スタンドからブーイングも飛び、試合が始まると、ゴール裏のスタンドに韓国語で『歴史を忘れた民族に未来はない』と書かれた横断幕が掲げられた。

 優勝には2点差以上の勝利が必要な韓国はホームの観衆の後押しを受け、立ち上がりから日本陣内に攻め込んだ。前半4分、MFユン・イルロクが左サイドを抜け出し、マイナスのクロスにMFコ・ヨハンが右足ボレーで合わせるが、枠外。同8分にも縦パスからFWキム・ドンソプが最終ラインの背後を取る。懸命に追うDF栗原勇蔵を振り切って角度のない位置から右足で狙ったが、シュートはGK西川周作が右足1本で弾いた。

 劣勢の日本は最後のゴール前で体を張り、韓国の攻勢に耐える。すると前半25分、自陣からのMF青山敏弘のロングフィードに柿谷が反応。DFラインの背後を取り、ゴール前に抜け出すと、冷静に頭で前にトラップし、GKとの1対1を右足で制した。

 今大会無失点の韓国ゴールをこじ開けた柿谷の出場試合2戦連発弾。日本がワンチャンスを生かして先制したが、試合の流れは変わらない。前半33分、左サイドから攻撃を仕掛ける韓国はユン・イルロクが前線に当てると、バイタルエリアにスペースが空いたところでリターンパスを受け、素早く右足を一閃。豪快なミドルシュートをゴール右上隅に叩き込み、1-1の同点に追いついた。

 韓国の今大会初ゴールにスタンドの観客も一気に息を吹き返し、スタジアムは大歓声に包まれた。勢い付く韓国に押し込まれる苦しい展開。サイドで1対1の場面を何度もつくられ、ゴール前にハイボールを放り込まれながらも何とか耐え続けた。柿谷の先制点のあとはシュートを1本も打てないまま、前半を1-1で折り返した。

 日本は後半7分、最初の交代カードを切る。サイドの攻防で守勢を強いられていたDF槙野智章に代えてDF徳永悠平を投入。徳永は右SBに入り、DF駒野友一が左SBに回った。同8分にはMF高萩洋次郎の右FKからGKのパンチングが弱くなったところをFW原口元気が拾い、PA内で一人かわして左足ボレー。ようやくフィニッシュの形をつくったが、シュートはDFのブロックに阻まれた。

 試合は攻守が目まぐるしく変わるオープンな展開に。日本は右SBに入った徳永が対面のユン・イルロクの突破に粘り強く対応するなど韓国の攻撃を落ち着いて跳ね返した。日本は後半25分、FW工藤壮人に代えてFW山田大記を投入。韓国も同26分にキム・ドンソプに代えてMFチョ・ヨンチョル、同36分にはMFイ・スンギに代えてMFコ・ムヨルを投入した。

 ユン・イルロクがトップ下に移り、チョ・ヨンチョルが1トップに入った韓国。終盤は何度もセットプレーのチャンスを獲得し、怒涛の攻撃を見せる。後半41分、セットプレーの流れからユン・イルロクが柿谷をかわし、MFハ・デソンにスルーパス。ハ・デソンのマイナスの折り返しにDFキム・チャンスが右足で合わせたが、シュートは大きくゴール上に外れた。

 日本は後半43分、最後の交代枠を使い、高萩に代えてFW豊田陽平を投入。豊田が1トップに入り、柿谷はトップ下にポジションを下げた。両チームが最後まで勝ち越しゴールを目指すと、最後は劇的な幕切れが待っていた。後半ロスタイム1分、左サイドから縦に仕掛けた原口がPA内に進入。左足のシュートはGKに弾かれたが、こぼれ球を柿谷が冷静に左足で押し込んだ。これが決勝点。日本が2-1で宿敵・韓国をアウェーで下し、東アジア杯初優勝を決めた。

(取材・文 西山紘平)

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