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海外組より東アジア杯組の再チェックを優先、「無駄足を踏ませたくない」

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 日本サッカー協会は8日、ウルグアイ戦(14日、宮城ス)に臨む日本代表メンバーを発表した。日本協会は欧州組13人に対し、各所属クラブに招集の可能性を伝えるレターを送っていたが、実際に招集したのは10人。MF乾貴士(フランクフルト)、MF細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、DF酒井宏樹(ハノーファー)が招集を見送れた(FWハーフナー・マイクはレター送付時点でケガをしていたため選考外)。

 原博実技術委員長は「チームが変わった選手、チームでシステムが変わった選手、プレーはできていても違和感がある選手。さまざまな状況や選手のコンディションを含めて決めた。今回はシングルマッチデーということも考慮し、国内組、東アジア杯組と調整して10人になった」と説明する。

 欧州組では、コンフェデレーションズ杯出場のためチーム合流が遅れたことでポジション争いに影響を受けている選手もいる。今夏に移籍した細貝は4日のDFBポカール1回戦でベンチスタート。乾はベンチ外だった。酒井宏は先発したものの故障明けで、乾、細貝を含め、代表チームでは控えという立場もあり、今回は国内組を優先し、チームに専念させたい意向もあったようだ。

 アルベルト・ザッケローニ監督は「試合の1日前にしか入れないことも考えると、長旅を避ける価値はあるのかなと思って招集を見送った。同時に、新しい選手を試すこともできるようになる」と指摘。「今回は、そういった状況の選手に無駄足を踏ませたくない思いもあり、国内組の選手がどれだけできるかを見たいと思って招集メンバーを決めた」と、選考基準を明かした。

 コンフェデレーションズ杯組では上記の海外組のほか、FW前田遼一、MF中村憲剛、DF栗原勇蔵も招集されず、東アジア杯組でもFW大迫勇也やFW齋藤学といった結果を残した選手たちが落選した。しかし、指揮官は「この場で言いたいのは、今回の招集メンバーを見て、自分にはもう完全に可能性がないのかと思う選手も出てくるかもしれないが、そんなことはないということ。全員に代表に入る可能性があるということを伝えたい」と強調する。

「代表チームをこれまで率いてきて、いくつかのステージを設けて、その都度、目標を掲げてきた。W杯予選を突破することが一番最初の目標であり、その目標を達成したグループでコンフェデレーションズ杯まで戦おうと決めていた。結果を求められる戦いがずっと続いてきたが、W杯までの1年間は、本大会に向けてどれだけ準備できるかという新しいステージに入る。今後の親善試合も、結果を求めないというわけではないが、最大の目的はW杯本大会に向けてしっかり準備を進めること」

 ブラジルW杯までの1年間でチーム内の競争を促し、戦力の底上げを図る。「(ブラジルW杯に)エネルギーに満ちた力強い日本代表を持っていくことが一番の目的。相手に的を絞られない、相手に読まれない意外性のあるチームをつくっていきたい。今後もその目的のために、招集メンバーをいじっていくかもしれない」と、9月以降の親善試合でもメンバーを入れ替えながらチームを強化していく考えを示していた。

▼日本代表メンバー一覧はこちら

(取材・文 西山紘平)

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