beacon

日本vsウルグアイ 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は13日、試合会場の宮城スタジアムで公式練習を行い、14日のウルグアイ戦に向けて最終調整した。

以下、練習後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―コンフェデ杯から失点が続いている守備の修正は? 東アジア杯組と常連組が融合することで期待することは? 別メニューだった長友の状態は?
「合宿は月曜日からで、今日合流した選手もいる。準備期間はほとんどなかった。失点が多い原因としては、得点を多く狙うチームにはそれだけ失点のリスクが伴う。理由はそれだけだと思う。私自身、攻撃的なサッカーを信じている。チームを見ても、前線の4枚はアタッカーに属していると言えるメンバーを配置しているし、ダブルボランチの2人も攻守両方ができる選手。両SBも攻撃的な選手を配置しているし、CBは元MFの選手。守備専門の人間はGKしかいないチームだと思っている。必ず約束はできないが、我々の目的は相手より1点でも多く点を取って勝つということ。3年間の数字を見ても、72得点に対して36失点。失点数に対し、きれいに2倍の得点数を挙げている。たくさん点を取って失点も少ないチームというのがあれば見てみたい。

 常連組と新しい入ったメンバーの相性、組み合わせに関してだが、これまでも32人の新しい選手を呼んでいるので、これまでと何も変わらないし、我々のチームはそういうことに慣れている。チームのベースとなっているグループが新しい存在を受け入れる体勢は整っているし、新しい選手が入ってくるには最適な環境があると思う。今からW杯に向けては親善試合しか戦えない。こうしたニューフェイスがチームに入ってくることにチーム全体で慣れていかないといけない。新しいメンバーに関しては能力が高いし、溶け込むことは難しい作業ではない。今回、チームに多くの要求はしないと決めている。準備期間が短い中で多くは要求できない。次の2連戦のときに選手にはより高い要求をしたいと思っている。

 長友に関しては、帰国したときから疲労感、張りがあるということだった。明日の状況を見て、疲労が回復しているようであれば試合に使う可能性もあるが、こういう親善試合でリスクをかけるべきではないのかなとも思う」

―ウルグアイ戦で求めることは?
「この試合のマッチメイクは私自身が協会にお願いした。コパ・アメリカ、W杯で優勝経験があり、80年代から欧州のビッグクラブに数多くの選手を輩出してきた実績がある。歴史のあるサッカー大国であり、我々はこういうチームからどんどん吸収し、こういう戦いを通じて学んでいかないといけない。我々のサッカーと違い、ウルグアイはボールを保持したら前線のクオリティーの高い選手に預けて個で打開していくサッカーをしているが、我々はコンビネーションに重きを置いている。当然、我々は自分たちのサッカー哲学を持っているし、そのサッカーをやっていきたいと思っているが、ウルグアイとは身体的、技術的に持っているものが違うので、異なるサッカーになるのは当たり前だと思う。その中で彼らから何を学ばないといけないかというと、ウルグアイは非常にミスの少ないチームで、相手が隙を見せると容赦なく突いてくるサッカーをしてくる。忍耐強さがあり、経験のあるサッカーをしてくる。そこは彼らから学ぶべきところだと思う。選手にも伝えたが、この3年間でアジア杯があり、W杯の3次予選、最終予選、コンフェデレーションズ杯、そして東アジア杯と戦ったきたが、コンフェデレーションズ杯以外では、自分たちの実力を見せながら、求められる結果も得ることができた。しかし、W杯まで残り1年となり、ここからは新しいステージに入る。新しい準備をしていかないといけない」

―本田のイタリアへの移籍が噂されているが、そのことは代表チームにどういう影響を与えるのか?
「明日のゲームに関して言えば、本田がイタリアに移籍する噂は今日に始まったことではないし、こういう状況が数週間続いている。精神的にそれが明日のゲームに影響することはないと思うし、明日の試合には集中して臨んでくれると思う。代表チームに及ぼす影響については、長友や香川のように先に欧州のビッグクラブに行った選手の例を見れば分かるが、所属クラブで素晴らしい経験をし、そこで培った経験を代表チームに還元してくれている。本田がビッグクラブに移籍した場合、そのレベルでしか味わえない経験もあるだろうし、それを代表チームに還元してくれることは大歓迎だ。日本人選手がイタリアに移籍することはうれしく思うし、イタリアには優秀な監督がそろっている。そこでプレーすることで、選手としてひと回りもふた回りも大きくなって代表チームに帰ってきてくれると思う。イタリアでプレーする機会があれば、個人的にも情報量が増えるので、それはうれしいことだ」

―ウルグアイは前線の3人を残して7人で守る。その堅い守備を崩して点を取るには?
「相手がどこであろうと、我々はチャンスを演出することのできるチームだし、チームプレーが備わっていると思う。しかし、チャンスを演出しながら、同時に相手の攻撃陣をケアする、リスクマネジメントをするところが私の心配するべき点だと思っている」

―昨日の練習後、本田と20分ぐらい話し込んでいたが? そういう自分の意見を言ってくる選手をどう思うか?
「自分から本田のところに話をしに行った。この代表チームでやってほしいこと、ピッチの上ではこう動いてほしいということを具体的に指示した。そういったパーソナリティのある選手、意見を言ってくる選手はこのチームにたくさんいる。今日も長谷部と意見交換をしたし、豊田ともそういう話をした。長友とも今日の練習に関して直接、話をした。できる限り、選手全員とコミュニケーションを取っていきたいと個人的には思っている。もう少し日数があれば、ホテルで話したり、そういう配慮もできるが、時間が限られている中でピッチで意見交換をすることになった」

(取材・文 西山紘平)

TOP