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[ミズノカップU-18IN熊本]「全国しか目を向けていない」春の王者・興國が全国総体16強の九国大付破る

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第8回ミズノカップU-18 IN熊本
[8.13 ミズノカップIN熊本サバイバルマッチ 九州国際大付1-2興國 熊本県民総合運動公園補助競技場]

 強豪16校が優勝を争う第8回ミズノカップU-18 IN熊本が13日、開幕した。3月に開催された「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」決勝の再戦となった興國(大阪)対九州国際大付(福岡)戦は、J注目FW金容輔(3年)の2ゴールによって2-1で興國が勝った。

 春の頂上決戦に続き、大阪の新鋭・興國が再び強豪を下した。初出場した全国高校総体で16強入りしている九国大付に対して興國は、左サイドのドリブラー、MF中村太一や左SB亀井大地(ともに3年)、FW田中優一(2年)が果敢にドリブル突破。この日はU-18日本代表候補CB北谷史孝主将(3年)が不在で大型MF渡部大樹(3年)も怪我で先発を外れていたが、内野智章監督が「地味な仕事をしているけれど、アイツがいるのといないのとでは別チーム」と称賛するMF吉田大河(3年)と中村、MF塩見仁(3年)のトリオが巧みなショートパスで局面を打開し、個の突破をアクセントに相手へプレッシャーをかけていく。

 一方の九国大付は中央を固めて相手の攻撃を最終局面で跳ね返すと、素早い動き出しから相手の背後を狙う2トップへボールを入れて押し返す。そして9分にはFW末廣直紀(3年)とのワンツーからFW富永京太(2年)が左サイドを抜け出し、23分にはFW久保田拓也(3年)とのワンツーから末廣が左足シュートを放った。相手の要注意人物、金に前を向かせず、中盤ではMF三浦秀弥(3年)がフィジカルコンタクトの強さを発揮するなど、ボールを支配されても自分たちのリズムで試合を進めていた。

 ただ、吉田中心にセカンドボールを支配する興國は31分、食いついてきたDFの背後を取る吉田のスルーパスから金が冷静に左足で決めて先制する。だが、突き放すチャンスを活かせなかった相手に対し、九国大付は後半20分、PAで得た間接FKからエースMF山下敬大(3年)のゴールで同点に追いついた。

 それでも興國は1年生FW花田佳惟斗がキレのあるドリブルを見せ、金が敵陣でのインターセプトからシュートへ持ち込むなど流れを離さない。そして36分、興國はFW武村萌生(1年)とのパス交換でGKと1対1となった金が豪快な右足シュートを叩きこんで勝負アリ。主力不在の中でもチームのポテンシャルの高さを示して勝利した。

 興國の内野監督は「あの時間帯で1-1になって、そこから取って逃げ切る。選手権へ向けていい予行練習になった」と満足げだった。昨年、プロへ2選手を輩出し、今年も北谷や金がプロ候補に名を連ねるなど育成チームとして結果を残してきている興國は全国クラスの実力を備えているものの、未だ全国大会出場がない。今年の全国高校総体大阪府予選も準々決勝(7回戦)で阪南大高に0-1で敗戦。吉田は「インターハイは支配率で圧倒していたし、シュート数でも圧倒していたけれど勝てなかった。今は決定力の向上を意識している」と口にする。

 今春のミズノカップIN香川では全国クラスのチームに勝利して優勝。「やれる」手応えを選手たちは持っている。それだけに、吉田は「全国しか目を向けていない。ここでレベルアップして全国大会に出ること目標」と言い切った。エースの金も「自分たちは一人ひとりが巧いし、失点が少ない。あとは決めること。それができれば全国でも上に行ける」。大阪の新鋭は今大会でさらなる手応えを掴んで全国大会初出場へつなげる。

(取材・文 吉田太郎)
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