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試合巧者の横浜FMが俊輔の弾丸ミドルなどでF東京を撃破…首位浮上

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[8.17 J1第21節 F東京0-2横浜FM 味スタ]

 J1は17日に第21節を行い、7位のFC東京は2位の横浜F・マリノスと対戦した。F東京は6試合無敗(3勝3分)、対する横浜FMは5戦無敗(4勝1分)と、両チームともに好調の中で迎えた一戦は、前半31分に横浜FMがMF兵藤慎剛のゴールで先制する。後半に入り、F東京もMF三田啓貴を起用して反撃に出るが決定機を生かしきれない。逆に後半44分、横浜FMは速攻からMF中村俊輔が試合を決定づける2点目のゴールを左足で叩き込んだ。このまま試合は終了し、2-0で横浜FMが勝利。8試合ぶりの完封で、6戦無敗となった。広島が名古屋と引き分けたため、首位に浮上した。

 F東京はDF加賀健一がスタメンに入り、出場停止明けのMF東慶悟も先発に復帰した。対する横浜FMは、前節の鳥栖戦(2-1)と同じスターティングメンバーで試合に臨んだが、3日の湘南戦で負傷したMF齋藤学もベンチに戻っている。
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 両チームが球際に激しく行き、序盤は試合が落ち着かない。その中で横浜FMはMF中村俊輔のアーリークロスやセットプレーからチャンスをつくる。F東京も前半18分には東のボールキープから右のDF徳永悠平にパス。徳永がPA内でルックアップし、パスコースを探したが、見つけられない。攻め上がったMF高橋秀人にボールを落とす。高橋がミドルシュートでゴールを狙ったものの、枠を大きく外れ、得点を挙げることはできなかった。

 膠着した展開の中で、前半31分に横浜FMが先制点を挙げる。MF中村俊輔からの縦パスから、MF端戸仁の落としを最後は兵藤がゴールに蹴り込み、1点を先行した。その後も堅守でF東京を攻めあぐねさせた横浜FMは、同40分にもMF中町公祐の縦パスを端戸が折り返す。スピードのある速攻から最後はFWマルキーニョスが強烈なシュートでゴールを狙ったが、枠を捉えることはできなかった。

 後半の開始から、F東京は高橋に代えて、三田を右SHで起用する。三田は後半5分に右サイドをドリブルで突破し、CKを獲得するなど、前線に活力を加えた。一方、速攻を狙う横浜FMも同8分には、端戸のロングボールを起点に速攻を仕掛け、マルキーニョスがPA内で倒れたが、ダイビングと判定されてイエローカードを提示された。

 三田の勢いあるプレーに引っ張られて圧力を強めるF東京。後半14分にMF長谷川アーリアジャスールがドリブルで仕掛けると、PAのすぐ外で倒されてFKを獲得する。しかし、東のシュートは壁に当たって右からのCKになる。このCKの流れからボールは左サイドに行き、DF大田宏介のクロスに三田がヘッドで合わせたが、ゴールマウスにボールを飛ばせない。

 後半20分には横浜FMも決定機をつくる。右サイドからDF小林祐三の挙げたクロスに、ファーサイドでマルキーニョスが合わせたが、ゴール左へ外れて行った。同24分に横浜FMは端戸に代えて、DF登録の奈良輪雄太を左SHで起用。兵藤を右に配置した。同29分には右サイドに流れた中村が、ルーカスをドリブルで抜き、シュートに持ち込む。しかし、GK権田修一のセーブに阻まれて、追加点を挙げることはできなかった。

 F東京のランコ・ポポヴィッチ監督は後半31分、東に代えてMF石川直宏を左SHに投入し、ルーカスをトップ下に置いた。同39分にはルーカスの縦パスを三田がダイレクトで叩き、石川が1トラップから右足のシュートに持ち込んだが、わずかに左へと外れて行った。

 なおも攻めるF東京は後半41分、右サイドを突破した徳永の折り返しに、渡邉が飛び込んだが、わずかに合わなかった。同42分に両チームのベンチが動く。F東京は最後の交代枠でFW林容平を起用すると、横浜FMは兵藤を下げて、MF小椋祥平をそのまま右SHに入れた。

 押し込まれた横浜FMだったが、後半44分に中村が試合を決める。自陣からのカウンターに出ると、前線でマルキーニョスがボールをキープ。そこから中村にボールを渡す。PA外でDFと対峙した中村は、ゴール前で何度か切り返しを入れて、左足でシュートを放つ。これがゴール左上に突き刺さり、横浜FMが勝利を決定的にする2点目を挙げた。ロスタイムには、MF富澤清太郎に代えてDF天野貴史を起用した横浜FMが2-0で勝利し、勝ち点を44に伸ばしている。

(取材・文 河合拓)
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