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[SBS杯国際ユース大会]静岡ユースは涙の惜敗、U-18代表に魂の熱戦も0-1で準V

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[8.18 SBS杯第3節 U-18日本代表1-0静岡ユース エコパ]

 静岡ユース(U-18静岡県選抜)は試合後、涙を流す選手もいた。それほどイレブンは「打倒・代表」に燃えていた。自分たちと同世代の選手が大半を占めるU-18日本代表との対戦。2年前に山口国体少年男子の部で優勝(千葉と同点優勝)している選手たちを軸に構成されている静岡ユースにとっては、このチームとして戦う最後の試合でもあった。

 ここまでU-18ロシア代表を3-2、U-18ウルグアイ代表を1-0でそれぞれ撃破。この日は、同世代の日本を代表する選手たちと優勝を懸けて戦う――。彼らが自分たちの足でつくり出した「最高の舞台」。この大一番で静岡イレブンが熱い戦いを見せる。

 前半は相手に押し込まれる時間帯が続いたが、鈴木準弥(清水ユース)と長島來雅(静岡学園高)の両CBが最後の局面で身体を張った守り。また中盤ではU-17日本代表でもあるMF須藤駿介(静岡学園高)、MF榎木拳太郎(浜松開誠館高)、そしてMF上原力也(磐田U-18)のトリオが必死にパスコースを消して相手の攻撃リズムを狂わせる。そして須藤のドリブルやサイド攻撃で反撃。特に右サイドに強力ドリブラー、MF小谷春日(藤枝東高)が投入された後半はチャンスの数を増やし、SBのオーバーラップを交えた攻撃からMF金原唯斗(磐田U-18)やFW中野誠也(磐田U-18)が惜しいシュートへ持ち込んだ。

 モチベーションの高さは対戦相手も肌で感じていたほど。そして球際の厳しさで何とか無失点を続けてU-18日本代表に食らいついた。11年国体優勝監督でもある廿日岩亮監督が「このチームで最高の試合をしてくれた」と表現した好ゲームだったが、試合終了間際の後半39分にカウンターから痛恨の失点。0-1で涙をのんだ。

 局面を破るドリブルと守備でも存在感を見せた須藤だが「代表相手なんで自分のスタイルを全面に出していきたいと思っていた。足元の部分で負けたくないと強く感じていた。ラストパスであったり、本当に大事な部分での運びの部分でのドリブルで引っかかっていたりしたところもあったので、そういうところが代表と今の自分の差だなと痛感しましたね」と無念の表情。国体に出場していない須藤は「今までやってきたことのないチームに入ったんですけど、チームの雰囲気が凄く良くて、静岡のストロングポイントは団結ということでやっていたんですけど、その団結力があって、凄い楽しかったし、またもう一度やりたいという気持ちもある。一緒に戦って、最後負けて悔しかったという悔しさが残っているので、その悔しさをバネに今後に活かせていければいいと思っています」とこの悔しさをバネに成長することを誓っていた。

 地元で開催された伝統的な大会を準優勝で終えた廿日岩監督は「代表にも負けていなかったんじゃいないかなと思います。個人のパフォーマンスであったり、集中力であったり、このゲームに臨むメンタリティーであったり、そういうところを見せてくれたので、選手たちには『ありがとう』ということを伝えたいと思います。自分自身も彼らに助けてもらって、国体からきょうのSBS最終戦まで自分自身も凄くいい経験をさせてもらったので、もう一度『ありがとう』と伝えたいですね」と感謝。サッカー王国・静岡を支える選手たちの今後の活躍に期待した。

(取材・文 吉田太郎)

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