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原点回帰求める川島、守備再建へ「繊細さと緻密さが必要」

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 クラブで連続無失点を続ける守護神が日本代表に合流した。GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)は今季開幕から公式戦12試合連続フル出場中で、チームも公式戦12連勝。リーグ戦では開幕から6試合連続完封勝利をおさめており、いまだに失点がない。

 今季からガイ・ルゾン新監督が就任したスタンダール。「いい形でやれているし、いい流れでできている。GKコーチも替わって、練習からいい練習ができている」。ヨーロッパリーグ(EL)のプレーオフも制し、川島にとって初となる欧州カップ戦への出場権も獲得した。

「リーグもELも、また違ったモチベーションでやれているし、やりがいがある」と充実した表情を浮かべると、7月中旬からEL予選を含め、1か月半で12試合をこなしてきたことについても「自分としては試合が続いているサイクルのほうがやりやすいし、問題ない」と頼もしい。

 絶好調なチームに対し、日本代表では厳しい結果が続いている。コンフェデレーションズ杯とウルグアイ戦の4試合で計13失点。守備崩壊の責任の一端を川島自身も感じている。

「失点が多いのは事実だし、後ろの選手が(厳しいことを)言われるのも仕方がない。それは自分たちが背負っていかないといけない責任。自分たちが通らないといけない道なら、そこを通らないといけない。いい経験ばかりではないし、悔しい経験もプラスに変えていかないといけない。それができれば、コンフェデレーションズ杯やウルグアイ戦も意味のあるものになる」

 守備の立て直しへ、守護神の考えるポイントは明確だ。「原点に返って、どれだけ緻密にやれるか。守備の中の緻密さ、繊細さが必要。相手が強くなればなるほど、ミスは許されなくなる。個人のミスもそうだし、戦術的なミスもそう。そこが今回の2試合のテーマになる」。そうした緻密さは日本代表チームが「もともと持っていたもの」というのが川島の考えだ。

「強い相手に対して、チャレンジしようと攻撃に意識が行くのは多少仕方がないと思う。そこで自分たちが持っている緻密さや繊細さを持ち直して、バランスのいいところを見つけること。強い相手になれば、ちょっとしたポジショニングで状況は変わる。相手が強かろうが弱かろうが、そこは常に意識として持っていないといけない」

 攻撃的なスタイルを変えるのではない。アジア相手の試合では多少のミスも失点につながらなかったためにごまかせていた部分が、世界相手では失点に直結する。細かなポジショニングやリスクマネジメント。自分たちのサッカーを貫きながらも、その精度を高めること。今まで以上に高い意識で一つひとつのプレー、ポジショニングに集中していくことが守備再建の第一歩となる。

(取材・文 西山紘平)

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