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長友クロスから本田ゴール。新ホットラインが誕生

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[9.6 キリンチャレンジ杯 日本3-0グアテマラ 長居]

 左サイドをえぐっての左クロスでMF本田圭佑(CSKAモスクワ)の先制ヘッドをアシストした。昨シーズンの2月に左膝を負傷して以来、封印してきたプレーは、DF長友佑都(インテル)にとって「僕のコンディションのバロメーター」。久々に見せた世界レベルのクロスが、ザックジャパンに先制点をもたらした。

 前半は12本ものシュートを放ちながらゴールが遠かった。だが本田が入った後半は一変。わずか5分で“答え”が出た。カギを握っていたのは長友だ。

「GKを超えればチャンスになると思っていた。相手もファーのところはマークを付き切れないというか、CBを超えるとSBは絞り切れない」。長友のクロスに合わせてニアに味方が飛び込み、ファーの本田がヘディング。先制点が生まれた背景を、長友はこう説明した。

 コンフェデレーションズ杯から温めていた形だった。「人数をかけてゴール前に入れば、たとえブラジル相手でも絶対にチャンスになると思う。(本田)圭佑とも話していたのですが、ああやってニアに入る選手が相手のCBをおびき寄せて、ファーに(別の選手が)入って、SBのところで空中戦で勝負するというパターンを増やしていきたい」

 その形が見事にハマった。だが、グアテマラ相手には決まったが、ブラジルのようなトップクラスを相手にしても決めることができるのか。

 長友は「(ブラジルの)ダビド・ルイスやチアゴ・シウバのようなCB相手に決まっていたかどうか。グアテマラに対してリスペクトはあるが、僕自身そう甘いとは思っていない。今日は良いところもあったけど、できなかったことを見つめ直したい」

 反省すべきは「攻めているときの取られ方の悪さ。あとは球際。この相手に負けているようだと正直難しい」だ。「危機感の部分は僕の中では何も変わっていない」と口元を引き締める。

 好材料は「80%」(長友)までコンディションが上がってきたことと、インテルで攻撃的なフォーメンションの経験を積んでいること。「世界には上がいる。自分は未熟。やるべきことはたくさんある。でも来年の自分自身がW杯で活躍するイメージはできているので、そこに向けてしっかりまだコンディションを上げていきたい」

 長友の好調はザックジャパンの好調のバロメーターにもなる。

(取材・文 矢内由美子)

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