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頂点に立った横浜FMユース、それぞれのビジョンへの再スタート

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 夏のクラブユースチーム日本一を決めるadidas CUP 2013第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)は8月3日に決勝が行われ、横浜F・マリノスユースが延長戦の末に4-1でサンフレッチェ広島ユースを下し、13年ぶり5回目の優勝を果たした。

 「頂点に立ったことは、より大きく成長するためのチャンス。」横浜F・マリノス(以下、横浜FM)ユースの松橋力蔵監督は言う。「(選手に語りかけたのは)みんな登山って、登っているだけだと思うだろう。でも同じ時間もしくはそれ以上の時間をかけて戻ってこなきゃいけないんだよと。ある本を読んだときに登山に関するそういった言葉があり、まさしくそうだなと思いました。一回登ったんだったら、戻らなきゃいけない。登る時は必死に登っているから景色見えないよね、でも戻ってくる時はどういうふうに上がってきたのか、ちゃんと見て、またスタートラインに立とうよ、と」。優勝後、トーナメント戦特有の一発勝負の緊張感を持続していくことは難しい。大会終了からやや時間が経った後のトレーニングでは、チームメートの足が止まっているのに周囲が指摘できないというシーンもあった。横浜FMユースが全国制覇という目標を達成した要因は何だったのか。コーチングスタッフのアドバイスも受けながら、選手たちは自身の持つビジョンを実現させるために原点を再確認し、また意識を高めてスタートを切っている。adidas CUP決勝で決勝点を含む2得点を挙げたMF新里涼が「口で言えるよりも全然凄い。予想以上でした」と振り返った頂点の風景を再び見ること、また「サッカー日本代表になる」「プロになる」など自身のビジョンを目指して――。

 adidas CUPで見せた横浜FMユースの強さは群を抜いていた。特に目立ったのは足を止めずに90分間走り続ける姿勢。MF早坂翔主将が「巧いだけじゃなくて、タフに、相手よりも多く走ることで、自分たちの時間を長くするということを目指していました」と語り、U-18日本代表GK田口潤人が「技術とか、戦術的なところよりも、チームでやるべきことを共有したりだとか、キツイ時間帯に声を出して、相手よりも早く一歩出すとか身体を張るところの勝負になるとは自分でも思っていたし、みんなそういう高い意識を持っていた。その雰囲気はクラブユースが近くなった時から練習で感じていた」と説明したように、上手くて、強くて、そしてタフなチームを目指し、それをadidas CUPで表現した。

 今シーズンは順風満帆だった訳ではない。優勝候補に挙げられていたプリンスリーグ関東1部では大量得点を奪った一方で大量失点を喫するなど波のある戦いで前半戦は中位に。その中で毎日のミーティングを通し、監督からの言葉一つ一つを理解、納得してチームのビジョン達成に向けて情熱を燃やしてきた。大会が行われる群馬への移動前日には準優勝した昨年のチームリーダーのひとりである先輩MF喜田拓也(現横浜FMトップチーム)から「(前回大会前、)俺たちは一つになれていると思っていた。でも実際そうじゃなかった」と語りかけられて、自分たちの姿勢を見つめなおした。そして大会では松橋監督も「去年と同じで一番ウチが走れているのは見ていてあった」という戦いぶり。決勝では「逆転の広島」の異名を持つ広島ユースから延長戦で3ゴールを奪って強敵を振り切った。10番のMF田中健太は「新チームになってからadidas CUPで優勝することを目標に掲げてみんなでやってきた中で、有言実行することができたのは、個々というよりもチームの大きさを感じた。大会期間中も途中交代の選手が結果を残したり、そういうところで他の相手と差が出たと思います」。

「すべては勝利のために」。ひとつの目標を達成した彼らだが、頂点で立ち止まっている訳にはいかない。次なるビジョンを持ち、それへ近づくための努力をしていく。トレーニングで質を高め、基礎体力も向上させなくてはならない。その全国大会の勝者を次のステージへと導くサポートをするのがadidas社製の4種のスパイクだ。8月某日、横浜FMユースは9月9日に発売された「adizero F50」「predator lethal zones」「nitrocharge」のニューカラーをユース世代では全国のどのチームよりも早くテスト。これらニューカラーのものに「adipure 11pro」を加えた4足を早速トレーニングで着用し、そのパフォーマンスを体感した。

 adidas CUPでも横浜FMユースの選手たちの足元を支えた各スパイク。イエローの「adizero F50」、ブルーの「predator lethal zones」そしてレッドの「nitrocharge」とその鮮やかなニューカラーに選手たちも目を輝かせる。より高いレベルのハイスピードプレーを引き出すために「軽さ」と「安定性」を追求し、ハイスピードプレーにおける正確なボールタッチのサポートを実現する「adizero F50」、アッパーに配置されたドリブルゾーン、ファーストタッチゾーン、スイートスポットゾーン、ドライブゾーン、パスゾーンの5つの必殺ゾーンが、より正確なボールスキルをサポートする「predator lethal zones」、圧倒的な運動量と球際のハードな攻防でゲームをリードする“エンジンプレーヤー”に向けたスパイク「nitrocharge」、そして「止める。蹴る。走る。」すべてを高めるために、“地面をつかむ”ような素足感覚の着用感を追求した「adipure 11pro」。イレブンは同日、adidas JAPANのスタッフから正しいスパイクの選び方講習会を受けて足先の余りが5mm程度であるスパイクを着用すること、靴紐の結び方は上から通すオーバーラップがより良いこと、かかとでスパイクのサイズを合わせることを学んだ。

 adidas CUP MVPのU-18日本代表候補MF汰木康也が「スパイク選びの3つのポイントを聞いて、それで1サイズを落としてみたら、こっちの方がいいような気がします」と語ったようにより自分の足に合ったスパイクの選び方を知ることでより良いパフォーマンスにつなげることができる。また、「adipure 11pro」 を着用するU-18日本代表DF尾身俊哉が「フィット感というか、履き心地がいいので自分の得意なロングキックなどを蹴れる」と口にしていたが、自分のプレーを引き出してくれる“相棒”を選ぶことでパフォーマンスをより向上させられる可能性がある。頂点に立ってから再びスタートラインに戻った選手たちの目標への挑戦。新里は「チャンピオンですけど、常にチャレンジャーの気持ちでやっていきたい」。頂点までの道のりで学んだことを忘れず、トレーニングすること。ニューカラーも加わった4つの武器を携え、横浜FMユースが成長を遂げる。

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(取材・文 吉田太郎)

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