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3年ぶり3連敗の広島、PKストップの西川は1失点目を悔やむ

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[9.14 J1第25節 川崎F2-0広島 等々力]

 意地のPKストップだった。サンフレッチェ広島は0-2の後半15分、MFファン・ソッコがPA内でFWレナトを倒し、PKを献上。決められれば3点差となる絶体絶命の状況に日本代表GK西川周作が横っ飛びでレナトのキックをキャッチした。

「ファウルになった時点で(ゴール)ラインに立って集中していた。あそこを止めないと、自分が何をしに来たか分からない」。決意のセービングには理由があった。前半10分の失点シーン。角度のない位置からシュートを打ったMF中村憲剛にニアサイドを破られ、先制点を許していた。

 クロスを警戒し、わずかに前に出ていたことでニアを抜かれた。「ちょっと中へのクロスを読んでしまった。動かずにシュートを打たせれば防げたボール。ああいうところを止めていかないといけないし、チームに迷惑をかけた」。自分のポジショニングミスを悔やんでいた。

 名誉挽回のPKストップで3失点目は許さなかったが、チームはその後の反撃も空転。1点が遠く、そのまま0-2で敗れた。3年ぶりの3連敗を喫し、5戦勝ちなし(2分3敗)。最近7試合で1勝2分4敗と、まさかの大失速となっている。

 守備陣は3試合連続の2失点で、8試合連続失点中。FW佐藤寿人は「8月に入ってから失点が多いし、前半戦17試合のうち10試合を完封したチームとは思えない失点の仕方。もう一度、守備の部分に取り組んでいかないといけない」と反省する。一方、攻撃陣も最近5試合でわずか3得点にとどまり、2得点以上の試合もない。「今日もシュートはひとケタだと思うし(公式記録は9本)、ボールはつないで運べているけど、シュートに至る形が少ない」。佐藤はそう言って唇をかんだ。

 攻守に課題が山積する前年王者。DF水本裕貴は「前半から球際やセカンドボールのところで向こうにこぼれていた。うちはそういうところをしっかりやらないといけない」と自戒を込めて言う。幸いなのは他の上位陣も勝ち点を取りこぼす試合が多く、順位は3位をキープし、首位・横浜FMとの勝ち点差も「4」にとどまっていることか。水本は「残り9試合。最大で27ポイント積める。自分たちがどれだけ積み上げられるかが大事になる」と気持ちを切り替え、前を向いた。

(取材・文 西山紘平)

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