beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

広島MF高萩、連覇への決意「おいしいものはまた食べたくなる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨シーズン、クラブ史上初のJリーグ制覇を成し遂げたサンフレッチェ広島。王者として臨んだ今シーズンは、3年ぶりに出場したAFCチャンピオンズリーグ(ACL)はグループリーグで敗退したものの、リーグ戦ではシーズン終盤まで優勝争いを演じている。ゲキサカでは今シーズンから10番を背負うMF高萩洋次郎に独占インタビューを敢行。連覇のキーマンに逆転優勝への決意を聞いた。

―ACLは残念ながらグループリーグで敗退しましたが、リーグ戦、ACLと連戦が続いたシーズン序盤を振り返ると、いかかでしたか?
「開幕から1か月ぐらいはケガで休んでいた時期があって、そこは自分として痛かったですね。ただ、チームとしてはACLと並行してリーグ戦を戦っていく中で、ある程度の勝ち点を積み上げていくことができましたし、それが今の順位につながっていると思います。我慢しながら戦えていたのはよかったのかなと思います」

―2つの大会を同時に戦うことで、気持ちの切り替えなど難しさはありましたか?
「気持ちの切り替えはそんなに難しくなかったですが、アウェーで長い距離の移動が入ってくると、体力的にもメンタル的にもきつい部分は多少出てきます。そういうコンディションの部分でどう戦い抜くかということに関しては難しさも感じました」

―柏レイソルはACLで準決勝まで勝ち進みましたが、リーグ戦では中位に甘んじています。両方の大会で勝ち続けることは、やはり相当難しいと感じますか?
「決勝トーナメントに入ると、アウェーの移動の距離はグループリーグ以上です。中東の国が相手になれば、ほとんどヨーロッパまで行くのと変わらないですし、気候や環境も日本とはまったく違います。そういう一戦に使う体力、気持ちというのは、ただのリーグ戦の1試合とは違うと思いますね。両方勝っていくには、同じレベルのチームが2チーム分できるぐらいのポテンシャル、選手を抱えていないと難しいのかなと。ヨーロッパのチャンピオンズリーグの場合、アウェーと言っても、ほとんどが飛行機で1、2時間の距離ですし、そういう意味では国内のリーグ戦とあまり変わらないですよね。アジア特有の難しさはあると思います」

―柏がACLで勝ち上がっていくのを見て、あらためて悔しさを感じることもありましたか?
「もちろん、自分もその舞台で戦っていたかったという気持ちはありますが、これが現実です。チームとしても個人としても、もっともっとレベルアップしていかないといけないですし、その先にあの舞台があるのかなと。でも、グループリーグは突破したかったですね」

―ACL、ナビスコカップで敗退したあと、7月のリーグ戦で5連勝を飾り、今季初の首位にも立ちました。どこがよくなったのでしょうか?
「チームとしてしっかり耐えて、守るところは守って、チャンスだと思ったときには全員で攻撃に参加するというのがハッキリできていました。メリハリを持ってプレーできていたと思いますね。なおかつ、それが結果にもつながったので、勢いに乗れたのかなと」

―優勝した昨季は全34試合のうち10試合が無失点でしたが、今季は前半戦の17試合ですでに無失点試合が10試合ありました。
「守備の部分で(西川)周作を中心にDF陣が粘り強く守ってくれていて、そのおかげで僕らは攻撃に力を注げているという部分もあります。守備陣には本当に感謝したいですね」

―王者として臨む今季は、対戦相手も広島のサッカーをより研究してきます。攻撃面で去年と違う難しさを感じる部分はありますか?
「去年の最後のほうからですが、僕らと試合をするときは、相手がシステムを変えてきたり、対サンフレッチェ用のやり方をしてくるチームが増えてきました。それをさらに上回っていかないといけないんですが、やりづらさはありますね」

―普段は4バックのチームが広島戦では3バックにしてくることもあります。
「そうですね。それでうまくいっているチームもあるので……。僕らとしてそうさせてはいけないんですが、マンツーマンでディフェンスをしてきたりもするので、そういう難しさはあります。でも、その中でも勝って終われている試合もあるので、打開策はあるのかなと思っています」

―昨季は一度も連敗がないまま優勝しましたが、今季は8月から9月にかけて3連敗。3年ぶりの3連敗でした。
「7月に5連勝して、いい流れで来た中で、1試合2試合勝てない試合が続くと、一人ひとりがどうしても『何か悪いのかな』『どこか変えないといけないのかな』と考えたりすると思うんです。一人ひとりが悩んだり、少しのズレが失点につながったり……。そういう部分がかみ合っていなかったのかなと思います。(連敗を止めた9月21日の)新潟戦の前にみんなで話したのは基本的なことで、『自分たちのサッカーに戻ることが重要だ』と。球際を戦うことだったり、走ることだったり、そういう基本的なことをもう一度しっかりやろうと。その結果、新潟戦に勝つことができましたし、これを続けていけば、今後も勝っていけるのかなという手応えはつかめましたね」

―基本的なことでも、みんなで話して確認することは大事なんですね。
「あまり内容のよくないサッカーでも勝っているときはそういう気持ちにならないし、考えなくていい部分もあると思うんです。でも、3連敗した中で気づくこともあって。シーズンが終わってみないと分からないですけど、あの3連敗も、自分たちがさらにステップアップするためにはいいタイミングだったのかなと、今はポジティブに捉えています」

―優勝争いは横浜F・マリノス、浦和レッズとの三つ巴になってきました。元チームメイトやかつての恩師がいる浦和に対してはどんな気持ちを持っていますか?
「正直、相当やりづらいです(笑)。僕の良さや特長を分かっている選手が多いですし、同じ形でサッカーをするのでハマりやすい部分もあります。練習で紅白戦をしているのとほとんど変わらないので。僕らがやりたいサッカーを相手も分かっていますし、個人的に意識することはないですが、プレーの面でやりづらさはあります」

―浦和には負けたくないという気持ちは?
「もちろんそういう気持ちはありますが、シーズン34試合のうちの2試合なので。最後に優勝できていればいいと思いますし、そこまで意識することはないですけど、負けたときの悔しさは、他のチームよりちょっと大きいですね(笑)。今シーズンは浦和との直接対決はもうないので、最後に上の順位にいられるようにしたいですね」

―連覇に向けて、いよいよシーズンも大詰めですね。
「優勝したいという思いは強いですし、優勝できるチャンスがあるので、そこに向けて必死にがんばるだけです。去年のように、みんなで喜びを分かち合えるようなシーズンになったらいいなと思います」

―優勝の味は去年、一度味わっています。
「あんなにおいしいものは、また食べたくなりますね(笑)」

(取材・文 西山紘平)


TOP