beacon

夏に続く全国出場目指す横浜創英 「創英のパスサッカーで勝ちたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 横浜創英(神奈川)、流通経済大柏(千葉)、鹿島学園(茨城)、帝京大可児(岐阜)、清水桜が丘(静岡)、佐野日大(栃木)、成立学園(東京)、新潟明訓(新潟)、和歌山北(和歌山)、札幌大谷(北海道)、富岡(福島)、帝京三(山梨)、小松市立(石川)、東北(宮城)、JFAアカデミー福島(福島)というU-18年代の強豪15チームが参加したアディダスパティークカップが9月27日から29日まで茨城県龍ケ崎市の流通経済大フットボールフィールドなどで開催された。

 今夏の全国高校総体に初出場した横浜創英もパティークカップに初参加。10月20日に初戦を迎える全国高校選手権予選を前に宮澤崇史監督は「選手権予選の1か月前に全国レベルのチームと試合ができるのは大きい」と感謝する。「神奈川県予選はすでに2次予選が始まっているので、(シードされている横浜創英は)なかなか県内の相手と練習試合を組めない。全国のチームと戦えるのはこの大会しかないし、ありがたい」。流通経済大柏や佐野日大、成立学園などとの実戦を通じ、選手権予選に向けてさらなる強化を図った。

 02年創部の横浜創英にとって過去の最高成績は県大会8強だったが、県総体では準々決勝で桐蔭学園をPK戦の末に下すなど快進撃を見せ、決勝では麻布大淵野辺に敗れたものの、神奈川2位で全国高校総体に初出場。創部12年目で初めて全国大会の舞台に立った。

「勝つことが一番の成長につながる。勝つことで自信が生まれ、余裕もできる。勝っていくうちに、今まではできなかったようなことまで試合の中でできるようになった。総体予選が終わったら、見違えるようなチームになっていた」。勝利を重ねていくごとにチームの成長を実感していた宮澤監督。しかし、全国の壁は想像以上に厚かった。初戦となった2回戦で近大附(大阪)に0-1で敗戦。初の全国大会は1試合で終わってしまった。

「立ち上がりから緊張があった。中学時代を含めても全国大会に出た選手がいないようなチーム。そういう舞台に慣れていなかった」。だからこそ、他地域の強豪チームと対戦できるパティークカップは、新鋭チームにとって、これ以上ない貴重な機会。「全国の常連校と試合をさせてもらって、こういう経験を通じて何かをつかんでもらえたらと思う」と、チームのさらなる成長に期待していた。

 選手たちも夏のリベンジに燃えている。「体つきも違うし、フィジカルの差を感じた」というMF林龍之介(2年)は全国高校総体後、毎朝、自主練習で筋トレを始めた。「逆に判断力では負けない自信がある。さらに判断力やパスの精度を高めて、粘り強いサッカーで選手権に出たい」。短所を補い、長所を伸ばす。すべては選手権のために取り組んできた。

 FW時澤達哉(2年)も「神奈川もレベルが高いけど、それ以上に全国のレベルを知ることができた」と、全国総体の経験を無駄にするつもりはない。「パスで流れをつかむのが創英。ミスを減らして、パスの精度を究極に高めたい」と意気込んでいる。MF小竹皓太(2年)は「コートに立っているだけで、緊張感というか、予選とは違った空気があった」と、初めての全国大会を振り返り、「もう一回、全国の舞台に出て、次は創英のサッカーを全国に見せたい。そのためにも神奈川を勝ち抜かないといけない」と力説した。

 さらなる高みを目指す選手たちを足元から支えようと、adidas社はパティークカップの会場で4種類のフットボールスパイクを用意した。選手のプレースタイルに応じてそれぞれの特長を最大限に引き出す「adizero F50」「predator lethal zones」「nitrocharge」「adipure 11 pro」の4シリーズ。普段から着用している選手も、そうではない選手も、思い思いにそれぞれのスパイクを試し履きし、フィット感や蹴りやすさなどを確認していた。

「軽さ」と「安定性」を追求し、ハイスピードプレーにおける正確なボールタッチをサポートする「adizero F50」。MF見城卓磨(3年)は「安定感があって力が入りやすい。パスを出して、そのまま上がっていって、ボールをもらってシュートを打つ。そういうときにスピードに乗ったまま強烈なシュートを打てる」と、その軽さとフィット感を絶賛する。あらゆるボールスキルを追求した「predator lethal zones」を着用する時澤も「トラップ、パス、シュート、いろんな面で優れていると感じる」と、試合中のさまざまな局面で、その“効果”を感じているという。

 運動量と球際の攻防で“違い”を生み出す「nitrocharge」を履くDF高橋謙介(2年)は「僕は運動量を確保したいので、足の負担が少ない『nitrocharge』は走りやすくて、すごく合っている」と力説。最高のフィット感を持ち、“地面をつかむ”ような素足感覚の着用感を追求した「adipure 11 pro」を着用するGK高村一貴(3年)も「GKもキックが大事。キックの精度をもっと高めたい」と、ビルドアップやロングフィードなど自身の課題に取り組んでいる。

 各自が課題に取り組み、さらなるレベルアップに励んできた。いよいよ目前に迫った選手権予選。夏に続いて冬も全国へ――。FW森村公亮(3年)が「毎日サッカーのことだけを考えて、創英のパスサッカーで勝ちたい」と意気込めば、林も「インターハイがまぐれじゃなかったことを証明したい」と、激戦の神奈川予選を勝ち抜く決意を口にした。

★関連ニュースはアディダス マガジンでチェック

(取材・文 西山紘平)

TOP