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95年世代のエースが見据えるのはA代表、C大阪FW南野「来年のブラジルも狙うくらいの気持ち」

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 セレッソ大阪U-18からトップチームへ昇格した1年目のJ1開幕戦でいきなり強豪のスタメンを獲得。1995年生まれの18歳、FW南野拓実はMF香川真司やMF清武弘嗣、MF乾貴士を世界へ羽ばたかせ、FW柿谷曜一朗、MF扇原貴宏、MF山口螢と若手選手が次々と日本代表入りしているC大阪から現れた新たな才能だ。

 10年のAFC U-16選手権で得点王を獲得し、11年U-17W杯で世界8強を経験。ドリブル、パス、シュートで見せる技術の高さに加えてダイナミックな動きも光る将来の「ミスターセレッソ」候補は、U-18日本代表のエース候補としても注目の存在だ。プロ1年目で感じている課題、そして代表、世界への思いを聞いた。

―トップ昇格1年目の今シーズン、ここまでを振り返ると
「開幕はスタメンで出場させてもらって、ちょっと途中出場で出る機会が多くなって、その後またスタメンで出ていたんですけどケガをしてしまいました…。でも試合には関われているので、自分としては充実したシーズンだと思っています。ユースまでは途中出場という機会があまりなかった中で、スタートとは違うことが求められる。それも自分の中では凄くいい経験ができたと思っている。学生でもないし、サッカーに専念する時間が増えた中で今は大分慣れたし、充実している。チームにも見本となる選手がいるので、幸せな経験ができている」

―良かったと同時に自分としては「もっと」という部分もあると思うが
「試合に関わることができているけれど、そこで満足はしていないし、もっと結果にこだわっていかないといけない。チームとしても、個人としても、今の結果には満足していない。そこはもうひとつこだわっていかなければならないと思っています」

―特に悔しいなと思っている部分は
「チームとしては力を出し切れない試合が何試合かあった。個人としても、ゴールという結果がもう少し欲しい。思ったような数字が残せていない」

―得点を取れそうなシーンは何度かあったと思うが、取りきれていない理由は
「そこは自分の実力だと思っているし、そういう意味で曜一朗クン(柿谷曜一朗)とか見たら大事なところでしっかり決めきる力を持っている。そういう選手を普段から身近で見られることは自分にとって凄くいいこと。曜一朗クンのような選手が近くにいてるんで、自分ももっと見習うべきところをもっと見習って、自分のものにしていきたいですね」

―練習試合では南野選手も点を取れているけれど、柿谷選手は公式戦で取っている。どういうところを見習いたい
「簡単に言うと、勝負強さですかね。いるべきところにいるし、しっかり決めるべきところで決める決定力の高さです。いろいろあると思うんですけど、技術だったり、メンタルのところだったりとか、全てのところで曜一朗クンは高いレベルにある。自分も攻撃の選手としてそういう選手になりたいと思っていますし、そういう勝負強さがあるからこそ曜一朗クンは代表とかでも試合に出ていると思う。自分もいつかは行きたいという気持ちがあります。曜一朗クンは憧れの選手であり、見習うべき選手ですね」

―いつかは行きたいというところでA代表を意識している?
「ユース年代、去年までやったら違いますけど、今はプロのサッカー選手としてやっているんで、ちっちゃい頃から日本代表になって戦いたいというのがあったし、そこを狙って高いところを目指してやっていかないと『いける訳ない』と思っているので、今は来年のブラジルも狙うくらいの気持ちで『メンバーに入りたい』という気持ちももちろんあります。そのためにはまだまだやらないといけないことがいっぱいあるけど、目指してやっていきたいですね」

―A代表までの距離感というのはどれくらい?
「そこはまだ。ケガして今はボヤけているというか。今は自分のやるべきことをやって、一日でも早くピッチへ帰ることが大事。A代表を目指すんやったら、チームに貢献するゴールだったり、アシストだったりを求められると思うし、そういうところで結果を残してこそ代表に選ばれると思う。そうやって結果を残していけば、A代表に行けるということを曜一朗クンが示してくれたので、自分も十分に可能性があると思うし、1試合1試合結果にこだわっていきたいと思います」

―A代表と同時に同年代の代表ではリーダーとして引っ張っていく役割を求められる
「U-20のワールドカップ、この世代は逃しているのでしっかりと自分の代で行きたいというのはもちろんあります。同年代の選手でも岩波とか石毛とか試合に出ていてお互い刺激になるところがありますし、いつかはボクらもA代表で日本を代表して戦いたいと思います」

―南野選手がU-18代表に入る、入らないでチームが大きく変わってくる印象だが
「今の立場から言えば、自分はプロの選手で、U-18代表の中にはユースでやっている選手もいてるんで、自分がチームの中心となって引っ張っていくことは当たり前のこと。それはプレーでもそうやし、ひとつの声掛けでもチームのプラスになることを求められていると思うし、もし選ばれたのであれば、当然そういうところを求められると思うのでチームの為に100パーセントやるだけですね」

―U-17W杯の悔しさを持っているからこそA代表、オリンピックかもしれないが世界でやってやろうという気持ちを心に凄く持っているのでは
「メキシコで、自分のターニングポイントと言えるくらいの経験をしたと思っている。(U-17W杯は)凄く悔しい思いをした大会なので、だからこそU-20で世界に行きたいという気持ちがありますし、もう一個上の代表でも世界じゃ18歳くらいでもA代表でデビューしているヤツが普通にいてるんで、そこを目指してやっていくだけですね」

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(取材・文 吉田太郎)

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