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[MOM867]秋田南GK佐々木瞭(2年)_圧巻の連続セーブで劇的勝利の立て役者に

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 全国高校選手権秋田県予選準決勝 秋田南1-1(PK4-3)新屋 八橋陸上競技場]

 1-1で突入したPK戦。相手の5人目のシュートがポストを叩き、ゴール左外へ外れると、秋田南GK佐々木瞭(2年)はスタンドへ向けて全速力で走りだした。相手の2人目を止めてヒーローとなった自らを目掛けて走ってくるチームメートに目もくれずにハーフウェーラインを越えた佐々木は、スタンドの目の前でヘッドスライディング。スタンドの控え部員や応援に駆けつけた同級生たちが笑顔に包まれる中、佐々木はチームメートたちにもみくちゃにされていた。 

 “神がかり的”なビッグセーブの連続だった。前半、「試合が始まってみて、ずっと押されていたので、まず前半は絶対に零点で抑えようと思っていた」という佐々木は9分に抜け出した相手FWとの1対1をストップすると、その後も好反応でシュートを防ぐなど、目標通りに前半を無失点で終える。すると、後半も8分に1対1を身体全体で再び防ぐと、9分には至近距離からのヘディングシュートを足でストップ。さらに13分には左クロスからダイビングヘッドを放たれたが、驚異的な反応でこれもゴールの外へかき出した。

 圧巻の連続セーブを見せた2年生守護神について、石崎庸介監督は「運動能力が高い。スポーツテストしても部員で一番」。その佐々木は後半13分にクロスからヘディングシュートを決められて1失点したものの、その後は延長戦含めて新屋攻撃陣にゴールを許さない。そして「PKが一番苦手で練習でも何回やっても止められない」というPK戦で再びチームを救った。相手の2人目のキックを右へ跳んでストップ。このボールは真上に舞い上がったが、「ヨッシャーと思ったらボールにスピンが掛かっていてヤバイと思った」とすぐにゴールからかき出し、チームにアドバンテージをもたらした。そしてチームメートは4人連続で成功。守護神の好守が勝利につながった。

 この夏、新チームになってからポジションを奪取した守護神の憧れの存在はチェルシーのチェコ代表GKペトル・チェフ。「理由はヘッドギアつけているのは勇気あるプレーをした証。(頭部を負傷しながらも)その後もしっかりゴールを守っている」と口にする。「自分はたまに心が折れそうな時もありますけれど、頑張ります! 次、自分がすることをしっかりして勝ちたい」。この日果敢な飛び出しも見せて相手を封じた佐々木が決勝でも勇敢なプレーでチームを全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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