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本場チェルシーのコーチが中学生を直接指導、「常にサッカーを楽しむこと」

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『アディダス チェルシーFCクリニック』が26日、横浜市内のマリノスタウンで行われ、横浜市トレセンに選ばれている中学1年生57人が参加した。11年にスタートした同クリニックは今年で3年目を迎え、これまでに述べ2000人以上の子供たちが指導を受けている。

 プレミアリーグの名門であるチェルシーで国際育成コーチを務めるジュリアン・ハート氏をヘッドコーチとし、現地のアカデミーコーチ計5人が子供たちを直接指導。「チェルシーのスタイルを紹介し、その雰囲気や環境を味わってもらいたかった」(ハート氏)という約1時間半のトレーニングは、濃密かつ笑顔の溢れる時間となった。

 日本の子供たちについて「技術的にも非常に優れていて、熱心にハードワークする姿が印象的だった。真剣に我々のアドバイスを何でも聞いてくれた」と語ったハート氏は、緊張からか声が小さく、おとなしいところが気になったようだが、それも「遠慮もあるのかもしれないが、性格的に謙虚で、聞く力がある」とポジティブに評価。そのうえでミニゲームなどでゴールが決まると、コーチが一緒に喜びをオーバーに表現するなど、ゴールパフォーマンスで盛り上げる工夫も施した。

「5人の外国人のコーチを前にして緊張するのは当然。その壁を壊すには、そういうパフォーマンスも必要になる」。そう狙いを明かすと、「サッカーは真剣なスポーツでありながら、プロ選手も楽しんでサッカーをやっている。笑顔がなければ、子供たちは練習に行きたくないと思うだろう。常にサッカーを楽しむことを意識しないと、いいプレーはできない」と力説した。

「13歳の子供たちは一人ひとり成長する時期も異なる。さまざまなシチュエーションで、例えばFWの選手がDFをやったり、いろんなポジションで、あまりやったことのないプレーをしてみることも大事だ。しかし、この年代の子供たちは何よりサッカーを楽しむことが第一だ」

 4グループに分かれて行われたトレーニング後、各チームごとにコーチがMVPを選び、4選手にアディダス製のスパイクがプレゼントされた。コーチ陣が伝えたかった「サッカーを楽しむこと」は選手にも十分に伝わったようで、番場啓太(西谷中)が「コーチの人がすごく明るくて、もっと自分たちも明るくやらないといけないと思った」と言えば、コーチから「(チェルシーの)フアン・マタみたいだ」と絶賛された高橋佑斗(高田中1年)も「これからもシュートを決めたあとはみんなで明るくパフォーマンスをやって喜びたい」と目を輝かせた。

 桑水流陸(あざみ野中1年)は「イングランドのコーチの方からいろんなことを教えてもらった。足技が細かくて、そういうところは真似していきたい」と刺激を受けた様子。斉藤温貴(南戸塚中1年)は唯一、GKでMVPに選ばれ、「1対1やミドルシュートも止めることができた。中学でも今日教わったことを存分に発揮していきたい」と、今後に向けた抱負も語っていた。

(取材・文 西山紘平)

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