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[選手権予選]プリンス関西1部王者・大阪桐蔭、大阪16強で敗退!東海大仰星が連覇へ前進

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[10.27 全国高校選手権大阪府予選6回戦 東海大仰星0-0(PK5-4)大阪桐蔭 J-GREEN堺]

 第92回全国高校サッカー選手権大阪府予選6回戦(中央T1回戦)が27日、J-GREEN堺で行われ、前年度優勝校の東海大仰星とプリンスリーグ関西1部王者の大阪桐蔭が対戦した。試合は0-0のまま動かず、PK戦の末、5-4で東海大仰星が勝利。8強進出を果たし、2年連続出場に一歩前進した。

「大阪桐陰さんはボールを止める、蹴るの質が高いので、ある程度、ボールを持たれる事は想定していた」という中務雅之監督の言葉通り、東海大仰星は立ち上がりから実力で上回る大阪桐蔭にペースを握られるが、「ウチはやっぱり泥臭くやっていくしかない。昨年と同様、攻守ともに集団で戦うチーム」(中務監督)、「個々では大阪桐陰には劣っていたので、最後まで全員で粘り強いサッカーを心がけていた」(DF桂鴻介主将・3年)と声を揃えたように、前線から連動した激しい守備で桐陰の攻撃陣に決定機を作らせず。特に、桐陰のキーマンであるMF久保田和音(2年)に対しては、「国体とかで知り合いやったんで、絶対に負けたくなかった。和音を潰せば僕らにもチャンスがあるかなと思っていた」というMF江郷下奨(2年)が激しい守備で自由を与えず攻撃の芽を積む。ただし、攻撃では奪ってからの素早いカウンターからFW原田樹生(3年)らアタッカー陣がチャンスを伺うも、DF瀧田裕馬(3年)を中心とした桐陰DFの素早いカバーを崩せず、前半を終える。

 後半に入ってからも、桐陰優勢の構図は変わらなかったが、「相手の攻撃陣は迫力があったので、しっかり抑えようと話していた。そこに仕事をさせなかったのは大きかったと思う」と桂が胸を張ったように、ゴール前での局面で中盤とDF陣がゴール前を固め、しっかりとブロック。残り10分を切ってから猛攻に出た桐陰の攻撃陣に仕事をさせず、延長戦に持ち込む。

 延長後半6分にはDF小川仁太(2年)にクロスを許し、ファーからゴール前に飛び込んだMF川口幹太(3年)に頭で合わされてしまうが、ポストに助けられる幸運も味方し、試合はPK戦へと突入する。

 迎えたPK戦では桐陰の2、3人目のキックをストップしたGK加藤広通(3年)の活躍もあり、優勢に立ったが、桐陰のGK石原亮太(2年)のファインセーブに阻まれ、5人目のキッカーでも決着は着かず。迎えた8人目で、先攻・東海大仰星の江郷下が決めて、加藤がこの日、4本目のPKストップに成功。もつれにももつれた一戦に片をつけた。

 昨年の全国大会ではベスト8で強豪・星稜(石川)と接戦を繰り広げ、あと一歩の所まで追い詰めながらも、PK戦で涙を飲んだ。当時の主力の大半が残り、悔しさを知る選手が多いだけに大阪で負けるわけにはいかない。桂が「昨年、国立への一歩手前で負けて、自分も含めて、悔しい思いをした選手が多い。国立の舞台にかける思いはどこよりも強いと思う。今年こそはあの舞台に立ちたい」が力強く誓って見せれば、江郷下も「昨年、ボクのせいで3年生を国立の手前で負けさせてしまった。昨年卒業した先輩とともに国立に連れていってあげたい。それが、今年のボクの仕事」と続ける。そのためにはまずは全国へ。残り、3試合、東海大仰星らしく泥臭く、勝利を掴んでいく。

(取材・文 森田将義)
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