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引いて守って浦和攻撃陣を完封、柏DF近藤「一発勝負だから割り切った」

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[11.2 ナビスコ杯決勝 浦和0-1柏 国立]

「内容にこだわって負けた」という浦和レッズのDF槙野智章と対称的な戦い方を示したのは、柏レイソルのDF近藤直也だ。決勝という一発勝負の場だからこそ、割り切って結果にこだわったサッカーをしたという。

「今日前半やってみて、前の選手が守備から攻撃のところでうまく切り替えができていなかったので、ボールがうまく回らないのはわかっていた。割り切ってカウンター中心のサッカーに変えた。一発勝負なので、そんなに内容にこだわってやるよりは、結果にこだわってやったほうがいいかなと」

 前半終了間際に先制を許した浦和は、前半の消極的な攻めから一転、後半はサイドを起点に攻勢に出た。ウイングバックにMF太田徹郎、センターバックにDF谷口博之と、本職ではない2人がコンビを組んだ柏の右サイドは、幾度となくドリブルで深い位置まで侵入された。それでも近藤ら守備陣は慌てることなく、落ち着いた対応を見せた。「サイドでやられても中にボールを放り込んでくるので。中の対応がしっかりできていた。みんなさぼらないで、集中していた」

 現在、リーグ最多得点(59点)を誇る浦和攻撃陣を完封した柏DF。浦和が公式戦で無得点に終わったのは、8月28日のJ1第23節横浜FM戦(0-3)以来、約2か月ぶりのことだ。この試合の見どころのひとつになっていた、FW興梠慎三とのマッチアップでも近藤は完勝をおさめた。昨日の公式練習後に、浦和攻略の「一番のポイント」と語っていたとおり、興梠の自由を奪って浦和に攻撃のリズムをつくらせず、浦和のエースを90分でわずかシュート1本におさえこんだ。

 主将のMF大谷秀和とDF橋本和を出場停止で、さらに決勝までの1週間でDF鈴木大輔、DFキム・チャンスの2選手が相次いで負傷した。「誰が出ても同じとは口ではいうけど、普通に考えたらね……。ただ、代わりに入った選手も『負けてられない』っていう気持ちが出ていた」。総力戦で勝ち取った優勝。柏一筋のディフェンスリーダーは、チーム力の向上に手応えを感じていた。

(取材・文 奥山典幸)
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