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主役が“ハットトリック”締め、元日本代表三浦淳宏が引退試合開催

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[11.4 三浦淳宏引退試合 横浜FRIENDS 3-2 ATSU FRIENDS]

 元日本代表MF三浦淳宏(以下、アツ)の引退試合が4日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた。1994年~2011年にJリーグ(横浜FM、横浜FC、横浜F)でともに在籍した選手を中心としたメンバーで構成する「横浜FRIENDS」と、シドニー五輪、トルシエジャパン・ジーコジャパンでともに戦った選手を中心に構成される「ATSU FRIENDS」が対戦した。

 前半、アツは「ATSU FRIENDS」の一員としてプレー。序盤からアツが立て続けにシュートチャンスを迎える。だが前半10分のGKと1対1の場面はGK楢崎正剛の好セーブに阻まれた。

 最初に得点したのは「横浜FRIENDS」だった。前半15分、オーバーラップしたDF田中隼磨のクロスをFW久保竜彦が左足アウトで合わせる。これがゴール左隅に収まり、先制に成功した。

 “ショー”の一面も見せた。お笑いコンビ『ピース』の又吉直樹にボールを集め観衆を沸かす。しまいにはスタンドから「ガンバレ又吉」コールが起こるなど、和やかな雰囲気の中で試合は進行した。

 だが得点は又吉らが交代した直後に生まれた。「ATSU FRIENDS」はCKのこぼれ球を直前に入っていたFW大久保嘉人が落とし、アツが右足シュート。これが見事にネットを揺らし、試合は同点となった。

 直後には“見せ場”も迎える。「ATSU FRIENDS」は前半26分、ゴール正面でFKを獲得すると、アツが直接狙う。伝家の宝刀を抜くが、わずかに枠を外れる。同35分にも同じような位置から直接狙うが、カーブのかかったシュートは楢崎の胸に収まった。

 後半31分から「横浜FRIENDS」はFW城彰二に代えてFW三浦知良を投入。キレのあるフェイントドリブルで沸かせたカズは、同45分にMF永井秀樹の決定機を演出。だがこれはGK土肥洋一が好セーブで防ぎ、前半を1-1で折り返した。

 後半、アツは「横浜FRIENDS」の背番号17に袖を通して登場した。

 最初にチャンスを迎えたのは「ATSU FRIENDS」。右サイドからのクロスボールを後半から入った俳優の勝村政信が合わせる。会場がドッと沸いたが、わずかに左に外れた。

 「横浜FRIENDS」もすぐさま反撃。14分、永井のクロスをアツが左足で合わせるが、ゴール右。19分にゴール正面で得たFKをアツが直接狙うが、GK都築龍太の正面。21分にはアツのロングスローから得点を奪いに行くが、シュートまで持ち込めない。直後にはMF遠藤彰弘がドリブルからシュートに持ち込むが、左ポストに嫌われてしまった。

 終盤に行くに従い、両チームとも一度退いた選手をピッチに送り込む。控えメンバーの少ない「横浜FRIENDS」は、場内マイクを使い解説をしていたMF金田喜稔を出場させる。終盤には監督を務めていた奥寺康彦も出場させるなど、“総力戦”となった。だが29分にはカズに代わり再出場していた城が見せたバイシクルシュート。これにはこの日一番とも言える大歓声が沸き起こった。

 しかしここからは主役が魅せる。30分のヘディングシュートは惜しくも右ポストを叩いたが、迎えた後半32分、この日再三得ているゴール正面からのFKのチャンス。アツが直接狙うと、カーブのかかったシュートがゴール左隅を捕える。同41分にはMF福西崇史の得点で同点に追いつかれるが、同43分に「横浜FRIENDS」はPKを獲得。これをアツが豪快に蹴り込み、両チームで得点する変則的な“ハットトリック”を達成。自らの引退試合に花を添えた。試合は3-2で「横浜FRIENDS」の勝利に終わっている。

※敬称略
(取材・文 児玉幸洋)

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