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俊輔不在を敵将も嘆く…ピクシー「彼のプレーは大好き」

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[11.10 J1第31節 横浜FM1-2名古屋 日産ス]

 今季初めてMF中村俊輔を欠いて臨んだ一戦で、横浜F・マリノスは首位の貫禄を見せることはできなかった。トップ下を基本ポジションとしながらも、最前線に飛び出してゴールに絡んだり、ボランチの位置まで下がってゲームメイクをしたりと、縦横無尽にピッチをかける大黒柱の存在の大きさを痛感させられる展開となった。

 DF栗原勇蔵も俊輔の存在感の大きさを語る。「うまくいかないときは、いつも俊さんに預けていた」。ダブルボランチから1トップのFWマルキーニョスとトップ下のMF中町公祐に効果的なパスが入る場面はほとんどなく、攻撃は停滞した。

「俊輔がいれば、時間をつくることができる」とボールの落ち着き場所がなかったことを樋口靖洋監督は指摘したが、逆にいないことで見えた可能性も指摘する。「中町はマルキ(マルキーニョス)と近いところで顔を出して、1人で時間をつくるのではなく、パス交換をしている間に時間をつくってくれた。俊輔がいなくてもできる要素を見れたことで、ポジティブにとらえている」。トップ下での出場に、「マルキとの関係は試合中にも話していて、それなりに手応えを感じている」中町本人も収穫があった様子だった。

 俊輔不在を嘆いたのは、横浜FMの監督や選手ばかりではない。敵将であるストイコビッチ監督も試合後の会見で言及した。「彼のスタイル、プレーは大好きで、美しいサッカーを見せてくれる。横浜FMが優勝できるかわからないけど、MVPだと思う。欠場したことで、横浜FMのエンジンは切れてしまったのではないか」。自らと同じくファンタジスタタイプの俊輔に、賛辞を贈っていた。

 残り3試合、気になる俊輔の体調については「退院後、体を動かし始めて、食事も摂り始めている。現時点ではネガティブな状態ではない」と樋口監督が説明。横浜FM9年ぶりの優勝に向けて、俊輔の復調は消沈するチームにとって何よりのカンフル剤となるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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