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忍耐に徹する“サブメンバー”清武

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 メンバー固定による閉塞感が指摘されるザックジャパンにおいて、サブメンバーの筆頭格とも言えるMF清武弘嗣(ニュルンベルク)が私情を胸に封印し、フォア・ザ・チームを貫こうとしている。

 10月の東欧遠征2連戦でピッチに立ったのは、初戦のセルビア戦で後半23分からFW柿谷曜一朗との交代で入った約20分間のみ。その試合ではピッチに出るとすぐにMF本田圭佑との息の合ったプレーでチャンスをつくったが、2戦目のベラルーシ戦では出場機会を得られなかった。

 代表デビューとなった11年8月10日の韓国戦でゴールに絡むプレーを見せて頭角を現し、昨年8月のロンドン五輪後は6試合連続で先発出場を果たしてきた。ピッチに立つたびに見せてきた一定以上のプレーを思い浮かべれば、このところの出場機会激減に首をかしげる向きが少なくないのも納得できる。

 そんな中、清武は現状をどのように見つめているのか。

「コンフェデレーションズ杯以降、出場機会が少ないというのはサブ全体に言えることで、まだそれだけの信頼がないということだと思う。監督が安心して使えるような選手に早くならないといけないと思う。今できることは、必死に練習をして、監督が目指しているサッカーに自分たちが近づけていけたらいいということ」

 もちろん、試合に出たいという本音はある。だが、それ以上に、今はチーム全体のことを考えるべきだと思っているという。

「代表に来ている以上はスタメンで出たいという気持ちはあるが、チームとしてまとまることが一番大事。それが(日本の)一番の強みだと思う」

 さらには、「一人が違う方向を向いていてもしょうがない。チームがまとまることが一番大事だと思う」と繰り返した清武。出番の少ないサブメンバーは、忍耐の時間を過ごしながら、日本代表のために闘っている。

(取材・文 矢内由美子)

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