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大迫&本田のゴールで2点差追いつきオランダとドロー

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[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]

 日本代表は16日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナでオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。前半12分、39分と失点した日本だが、前半44分にFW大迫勇也のゴールで1点を返すと、後半15分にはMF本田圭佑が同点弾。過去2戦2敗のFIFAランキング8位の強豪に対し、2点ビハインドを追いつき、ドローに持ち込んだ。日本は19日にブリュッセルでベルギー代表と対戦する。

 4-2-3-1でスタートした日本は10月15日のベラルーシ戦(0-1)から先発4人が入れ替わった。FW清武弘嗣は9月10日のガーナ戦以来、3試合ぶり、GK西川周作と大迫は9月6日のグアテマラ戦以来、4試合ぶりの先発。MF山口螢は7月28日の東アジア杯・韓国戦以来の先発となった。GK川島永嗣、MF遠藤保仁、FW香川真司、FW柿谷曜一朗はベンチスタートだった。
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 試合前のウォーミングアップ中には日本の一部サポーターからスタンドに「日の丸の誇り・重みは?」「結果を出している国内組より結果・出場をしてない海外組の方が大事?」「ZACさん海外組が全て?」といった批判的な横断幕が掲げられるなど、異様な雰囲気の中で始まった試合。真新しいユニフォームに袖を通した日本の選手たちは、立ち上がりから果敢に攻撃を仕掛けた。

 前半5分、左サイドから切れ込んだ清武のクロスがDFに弾かれたセカンドボールを山口がミドルシュート。同6分にはMF長谷部誠、清武とつないで左サイドのDF長友佑都がオーバーラップからクロスを上げたが、FW岡崎慎司のシュートは角度がなく、枠を捉えられなかった。

 いい入りを見せた日本だったが、徐々にオランダのプレッシャーにミスが増え始め、ポールポゼッションでも押し込まれる苦しい展開となった。すると前半12分、オランダはMFケビン・ストロートマンのロングフィードをDF内田篤人が頭でGKに戻したボールが弱くなり、MFラファエル・ファン・デル・ファールトが詰める。西川よりも一歩早く追いつき、チップキック気味にゴールネットを揺らし、先制点を奪った。

 その後も我慢の時間が続く日本。前半23分には1本のロングパスにFWイェレマイン・レンスが抜け出し、PA内へ進入を許したが、内田が体を投げ出してスライディングタックルでカット。何とかピンチをしのいだ。日本は前半28分、本田のサイドチェンジを受けた岡崎が右サイドからカットインし、左足ミドルを狙うが、ゴール上へ。同31分にはオーバーラップした内田の折り返しに大迫が合わせたが、DFのブロックに阻まれた。

 前半34分、FWアリエン・ロッベンの右45度からの左足ミドルは西川がパンチングで弾き出したが、同39分にもファン・デル・ファールトの大きなサイドチェンジが右サイドでフリーのロッベンに通る。ドリブルで中に切れ込んだロッベンは左足を一閃。日本は長友、長谷部の2人で対応したが、そろって逆を突かれ、鮮やかにゴールネットを揺らされた。

 0-2。2点ビハインドを負った日本だったが、前半終了間際に追撃のゴールを奪う。前半44分、高い位置でボールを奪った長谷部がドリブルで持ち上がり、ゴール前にスルーパス。これを大迫が右足ワンタッチでゴール左隅に流し込んだ。大迫にとっては、A代表初ゴールを含む2得点を挙げた7月25日の東アジア杯・オーストラリア戦以来となるゴール。10月の東欧遠征では招集されなかったストライカーの先発起用に応える一撃で1-2と追い上げ、前半を折り返した。

 日本はハーフタイムに2人を交代。清武、長谷部に代わって香川、遠藤が入った。ボールのおさまりどころが増えた日本は攻撃のパターンも増加。後半6分、香川からの縦パスを受けた本田がゴール前にフワリと浮かしたラストパスを上げると、ゴール前に走り込んだ香川が胸トラップからシュートを狙うが、ミートできずにGKが抑える。直後の7分には遠藤が香川とのワンツーから鋭い縦パス。本田の左足ミドルがクロスバーをかすめる決定機をつくった。

 流れを引き寄せた日本は後半15分、大きなサイドチェンジを受けた内田が右サイドから細かいパス交換で中に持ち込み、ゴール前に縦パス。大迫がワンタッチでヒールで落としたボールを本田が左足ダイレクトでゴール右隅にねじ込んだ。2-2。2点差を追いつき、試合を振り出しに戻した。

 勢い付く日本は後半22分、香川がドリブルで左サイドに流れながら左足でシュート。PA手前からのミドルは枠を捉えていたが、GKの好セーブに阻まれた。同28分には大迫、長友に代えて柿谷、DF酒井高徳を投入。同33分、香川の絶妙なスルーパスに柿谷が抜け出したが、右足のシュートはゴール右に外れ、決定機を生かせなかった。

 日本は後半34分、内田に代えてDF酒井宏樹を投入。最後まで勝ち越しゴールを目指して果敢に攻め込んだが、3点目を奪うことはできなかった。それでも試合は2-2で終了。ブラジルW杯欧州予選を無敗で突破するなど、ルイス・ファン・ハール監督の初陣となった12年8月15日のベルギー戦(2-4)で敗れたのを最後に最近15戦無敗(11勝4分)のオランダに対し、2点差を追いつく粘りで引き分けに持ち込んだ。

(取材・文 西山紘平)

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