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世界に挑む今野「W杯までに追いつけるし、追い越せる」

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 6月のFIFAコンフェデレーションズカップに始まり、8月のウルグアイ戦、そして2度の欧州遠征で世界トップレベルの強豪と試合を重ねてきた日本代表。失点がかさみ、結果の付いてこない時期には批判も浴びながら、今月のベルギー遠征ではオランダと2-2で引き分け、ベルギーに3-2で競り勝つなど、来年6月に開催されるブラジルW杯に向けて一つずつ課題を消化し、前進を続けている。ディフェンスリーダーであるDF今野泰幸は“世界”との対戦を通じて何を感じ、その差をどう埋めようとしているのか。ゲキサカ直撃インタビュー第2弾――。

―新ユニフォームも完成した日本代表ですが、スパイクも新しくなりました。新モデルの『パティーク 11プロ』はいかがですか?
「見た目は派手ですね。今風というか、若い世代が好きそうなカラーですね(笑)」

―今野選手には、あまり派手なスパイクを履いているイメージがなかったですが……。
「そうですね。僕は割と地味な色のスパイクを履くことが多かったですね」

―それは何か理由があったんですか?
「『派手なスパイクはうまい選手が履くものだ』という自分の勝手な思いがあったので(笑)。汗かき役というか、泥臭くがんばるタイプの選手は違うのかなと」

―そんな今野選手が今回は派手なスパイクを……。
「時代が変わったんですよ(笑)。僕もこういうスパイクを履いてもいい時代になったということで」

―スパイクにどんなことを求めていますか?
「一番は履きやすさですね。フィット感というか、履いていて、どこかが痛くなったり、マメができたりするのは絶対に嫌ですし、履いていても疲れないスパイクが大好きですね」

―そういう意味で『パティーク 11プロ』はどうですか?
「最高ですね。フィット感もすごくよくて、足が地面をつかむような感覚があるんです。普通のスパイクだと、どうしても練習が終わったあとに足がちょっと疲れたりするんですけど、『パティーク 11プロ』の場合はそういう感覚も全然なくて、足に優しいというのをすごく感じます」

―CBにとって、地面をつかむ感覚というのは重要ですね。
「まるで素足のように足の指が地面をグッとつかむ感覚があるんです。だからターンもスムーズにできますね。ターンしたときにスパイクと足がちょっとズレるだけで、一瞬遅れてしまうんです。このスパイクは足とスパイクが一体になっている感覚があって、地面をしっかりつかめるので、すごくターンもしやすいですね」

―FIFAコンフェデレーションズカップ以降、世界の強豪と数多くの試合を行い、世界を代表するストライカーとも対戦してきました。この半年の経験というのは今野選手にとっても大きかったですか?
「なかなか経験できるものじゃないですし、本当にいい経験でもあり、痛い目に遭わされたという悔しさもかなりあります。まだまだやらなくちゃいけないという気持ちがすごく沸いてきましたし、日本代表としても、個人としても、世界に負けたくないという気持ちが強くなりました。今は負けていても、組織をもっともっと強くしていけば、W杯までには絶対に追いつけるし、追い越せると思っています。これから次第ですね」

―個人として今後、高めていきたい部分は?
「まずは自分の特徴である、ファウルせずにボールを奪うという部分はもっと高めていきたいと思っています。あとはビルドアップ能力ですね。ザッケローニ監督はCBにも攻撃面を要求していますし、『攻撃の第一歩となるパスを出してほしい』と言われているので、その精度はもっともっと上げていきたいと思います」

―ラインコントロールで一番気を付けていることは何ですか?
「アジア相手だと、ラインコントロールでDFラインの4人が必ずしも合っていなくても、そこを突かれるということはあまりありませんでした。それが世界の強豪が相手になると、SBが一人ズレているだけでも、そのギャップを突かれて失点してしまいます。それはFIFAコンフェデレーションズカップでもウルグアイ戦でも痛感させられたことなので、もっと4人の意思疎通をしっかりして、コミュニケーションを取って、4人が連動してラインコントロールするということに取り組んでいます」

―9月の代表合宿ではザッケローニ監督から「ボールサイドとは反対側にいるCBがラインをコントロールするように」という指示が出ていましたが、そこは今までと変わった部分ですか?
「そうですね。今までは基本的にみんなで声を出してラインをそろえるということだったんですが、『ボールサイドとは逆サイドのCBが声を出せ』という明確な指示をもらったので、そこは意識してチャレンジしています。そこはハッキリしたので、選手としてもすごく分かりやすいですね」

―今まではだれが声を出すというのは決まっていなかったんですか?
「だれが声を出してもいいからみんなで合わせていこうという感じでした」

―そこが課題として出てくるというのは、やはり相手のレベルが上がったからですか?
「アジアで戦っているときには、僕らも気付かされないことでした。相手のミスに助けられていた部分も多かったと思いますが、世界のトップレベルはそこを見逃してくれない。まだまだ自分たちのラインコントロールが甘かったというのは、現実として突き付けられました」

―相手が世界の強豪になると、ボールを支配される時間も増えます。
「ボール回しの質というか、すごく緩急も付けてくるし、縦パスも入れながら、サイドも使ってきます。ミスもしてくれないので、その中でラインコントロールをするというのはすごく難しいし、大変なことではありますけど、ラインコントロールをしっかりしないと日本の良さというのは出てこないと思うので、そこは本当に課題ですね」

―強豪相手に失点が続く時期もありましたが、前線からもっと守備をしてほしいと思うことはありましたか?
「それは思わなかったですね。前線のせいにはしたくないですし、これだけ失点しているというのはやっぱりDFラインの責任であり、僕自身のせいだと思います。防げる失点もあったと思いますし、すごく責任は感じています」

―リスクを冒してもラインを高く保ちたい?
「相手がいい状態で前を向いてボールを持っていたり、裏にパスを出せる状況のときにはラインを下げるべきだし、それは監督からも言われています。そこはDFラインの4人がしっかり合わせていかないといけないと思っています」

―徐々に良くなってきている手応えもありますか?
「練習でも繰り返しやっています。でも、回数を重ねないと、なかなか合ってこない部分もありますし、時間がかかることではあると思います」

―来年のブラジルW杯で、もう一度ブラジルと対戦したいと思いますか?
「思わないですね」

―ブラジルとは昨年秋の欧州遠征で0-4、FIFAコンフェデレーションズカップでも0-3の完敗でした。
「ブラジルはちょっと別格ですね」

―本大会では、できれば対戦を避けたい?
「間違いなく避けたいですね。ブラジルに勝つのは難しいでしょうね。10回対戦して……」

―1回も勝てないですか?
「分からないです」

―アウェーの難しさもあると思いますが。
「それだけでもないですね。もしブラジルが日本に来て対戦したとしても、すごく難しい試合になると思います。今まで僕の中では、ブラジルというのは個人能力は高いけど、チームの組織としてはバラバラというイメージがあったんです。中盤も間延びしていたり、どこかに隙があるというか。それが今のブラジルは組織もしっかりしていますし、前線の選手もものすごく守備をしてきます。コンフェデレーションズ杯で対戦したときも、CBである僕らが顔を上げる時間がないぐらいのプレッシャーをかけてきました。これではビルドアップができない、いいパス回しができないと感じましたね。それが本音です」

―簡単に「勝てる」とは言えない。
「もちろん、『今の段階では』の話ですけど、ちょっと勝ち目はないかなと。でも、半年後かもしれないですし、数年後かもしれないですけど、チャンスはあると思っています。W杯は一発勝負ですから。100回に1回は勝てるかもしれないし、その1回が来年のW杯で来る可能性もある。その確率を上げるためにも、本大会までの残り半年がとても大事になってくると思います」

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(取材・文 西山紘平)


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