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川又×武蔵 新潟の注目FWが激論…原点から未来まで

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 今季J1リーグで得点を量産し大ブレークを果たし、ブラジルW杯でも隠し玉としての期待がかかるFW川又堅碁と、16年リオデジャネイロ五輪のエースストライカーとして期待のかかるFW鈴木武蔵アルビレックス新潟に在籍するこれからのサッカー日本代表を背負って立つストライカー2人にプロ入り前のエピソードから現在地、そして日本代表への思いなど様々なテーマに答えてもらった。 

―川又選手は5月にJ1初ゴールを記録すると、あっという間に得点ランクを賑わす存在までなりました。得点量産の要因は?
川又「要因は分かりませんが、昔から自分は点を取っている方だと思ってるんで、それが公式戦でも出るようになったのかなと思います。去年、J2で18ゴールを取れたのも自信になっています。(自分の持ち味である)泥臭くプレーして、ゴールを決めるところが出せていると思います」

―A代表への期待も高まっています。
川又「まだまだ道のりは相当あると思っています。Jリーグで言えば、毎試合1点以上取れるFWになれば、日本代表になれるのかなと。逆にそれくらい取れないといけないと思っています。世界を見た時にメッシとかすごい選手は普通に毎試合取る。日本国内でもそれを出来るくらいの自信と実力を付けないと、まだまだ日本代表とか言ってる自分が恥ずかしいですし。自分の中で(日本代表は)それくらいの位置にあります」

―では来年のブラジルは目標ではない?
川又「目標に置いてないと言えばウソになる。ただまだ言える立場にないと思っています。A代表の試合は結構見ます。自分はFWなのでかぶせて見ますが、自分やったらこういうプレーするなだとか、自分がしないようなプレーはこういう選択肢もあるんやとか、俺だったら打ってたとか考えながら見ています。俺やったら決めきってるなという場面もあります。でも実際やってみないと、分からない。空想上のものなので。やってみて点を取れないとそういうことも言えないと思うので。やってみたいですよね。普通に」

―アンダー代表でもともにプレーした同世代の選手たちがA代表で主力を成しています。ライバル意識はありますか?
川又「ライバルという感情は特にはありません。ただあの時に一緒にやっていたメンバーが(A代表に)行けてるというのは、努力した結果だと思いますし、追いつきたいなという思いはあります」

―鈴木選手に質問です。世代別代表では中心的な活躍が期待されます。10月の東アジア競技大会では大活躍でした。
鈴木「その前の招集時のスペイン遠征では、チームのやり方に合わせるので必死でした。でも今回はそれが分かっていたので、自分の持ち味もしっかり出して行こうとした結果、3試合で3得点。自分としては収穫になりました。アジアの中でもいろんなチームがあることも分かりました。自分としてもチームとしても勉強になったので、僕としてはいい遠征になりました」

―川又選手から見て鈴木選手のポテンシャルをどのように感じていますか?
川又「ボールが自分のところに入ってから、サイドから中に切り込んで行く時のプレーはすごいと感じますね。自分でもこういったプレーをしてみたいなと思う時があります。先輩とか関係なくプレーを要求できるし、自分を確立している。『俺が武蔵だ』というプレーを持っている。それをもっと出してほしい。東アジア競技大会でのゴールというのは印象に残った。すごいシュートだった」

鈴木「あれはたまたま当たったんで…(苦笑)」

川又「正直言って、あの左足はやばかったよ。自信持っていいと思いますね」


 先月の日本代表のベルギー遠征でも半数以上の12人が欧州クラブでプレーする選手と、海外リーグでのプレーがA代表選出への近道とも言える。2人は将来的な海外リーグでのプレーをどのように考えているのか。

―お互い海外への意識はどれくらいお持ちですか?
鈴木「Jリーグ入った時に海外に羽ばたく選手になりたいと思ってここまでやってきました。最初からの目標としてはあります」

川又「まだ自分は低い位置にいると思います。ただ行けるという自信が出たら行きたいと思います。自分はもっともっと上を目指していますから。チャンスがあれば行きたいですね」

―川又選手は半年間、ブラジルに期限付き移籍していました。
川又「基本的に向こうの生活は日本では出来ません。洗濯も手洗いだったし、交通手段も徒歩だったし、行った当初はご飯も合わず、お風呂も入れなかった。生活が真逆じゃないですか。でも逆に自分が1人になって、本当に日本にいる選手が旨い肉食ってるんだろうとかそんなことばかり考えていた。ホンマに日本にいる選手を絶対越してやると思いながらやっていました。反骨心というか、自分が今までやってた生活を失った時の虚無感というか、気持ちはすごかったです。帰ってきた時の顔つきは、自分で写真を見ても変わっていた。そこで勝負とは何を意味するのかをブラジルで学んだ気がします」

―鈴木選手、この話を聞いてどうですか?
川又「行ったほうがいいよな」

鈴木「そうですね。甘やかされているんで(笑)。そういうところに立った人は軸がしっかりしている。堅碁くんもしっかりしているし…」

川又「ホンマに思っているか?(笑)」

鈴木「(今の話を聞いて)俺だったらたぶん耐えきれない…」

川又「オフシーズンに1か月行くとかもアリやで。インパクトのあるチームには行けますね。オフシーズンに1か月とか2か月行くだけでも変わると思いますよ」


 ユース出身のJリーガーも増える中で、2人はともに高校サッカー出身。しかし2人の高校時代、チームとしての実績は対照的。桐生一高の3年生の時に全国8強の成績を残した鈴木に対し、川又は全国では無名の愛媛県・小松高出身で、3年生の時の県予選8強が最高成績だった。

―川又選手は高校時代の実績が乏しい中、プロ入りを果たしました。
川又「基本的に俺は中学校の時点で一度サッカーを辞めてるんですよ。中3の最初の大会で敗けて辞めていた。その後はサッカーはしていなかったですし、あまり動いてもなかったんですね。高校でサッカーを続けるかも、基本的にサッカーは大好きだったんですが、いろいろあってもういいやってなっていた。でも高校の恩師だった先生が学校まで来て、『もう一回サッカーをしよう』と言ってくれた。自分の中ではもう一回どこかのタイミングでしようと考えていたので、今思うと後押ししてくれたのは助かりましたね」

―高校の全国大会は3年生の時の県8強が最高成績だった。
川又「高校は強いチームではなかったけど、みんな上手くなりたいという思いがありました。巧い選手が集まっているわけではないので、どうやったら敵に勝てるかというのを逆算しながらサッカーをしていた。本当に勝負にこだわったサッカーをしていたのかなと思います。だから勝ち負けにこだわるし、自分自身も人に負けないこだわりを持つようになりました。そういう意味でも成長させてくれた3年間だったなと思います」

―対する鈴木選手は全国ベスト8。当時の経験はどう生かされていますか?
鈴木「入学した当初は先輩とかも厳しくて、サッカー面でも走るだけの合宿とかあったりして…。正直高校サッカーってそこまでキツくないと思っていたけど、めっちゃキツかった。でも桐生一高に入った時に、いいメンバーが入ったと感じていたので、『このメンバーで(前橋)育英を倒そう』と思えた。結果的に3年後に育英を倒せたので、自分としては出来すぎた高校生活かなと最後は思えました。もちろん全国優勝を目指していましたけど、育英に勝ったというのは、自分たちのやってきた3年間の集大成だった。そのときは死ぬほど嬉しかったですし、やってきて良かったと思えた。それがプロに繋がっていて、自分の自信にもなっています。すごくキツかったのでもう二度とやりたくない3年間ですけど、本当にやってよかった。桐生一高に入ってよかったと思える3年間でした」

―全国大会とはどのような大会でしたか?
川又「俺は絶対(全国に)行きたかったですよ。小松高という誰も知らない高校を、優勝して知らしめたかった。別に弱かったけど、勝ったものが強いと思っていた。そういう気持ちが強かったので行きたかったですね。強いと言われているチームはたくさんありましたけど、対戦して勝ったほうが強いから、勝てば文句言えない。というのがやりたかったんですけど、負けました。『勝ったヤツが強いんや』って言いたかったんですけどね。持ってなかったですね」

鈴木「俺も堅碁くんと同じような思いでした。代表とか行っても、『桐生一高って、どこ?』って言われていた。俺らだって強いしと強がっていましたが、『全然、大会に出てないじゃん』とか言われていた。だから全国に出て名前を知ってもらおうという思いは強かった。でも全国大会はどこが勝つか分からない大会。一番優勝するチームを当てるのが難しい大会だと思う。どんなに強いと言われている高校でもパッと負けたりする。逆に優勝候補でないところが勝ち上がったりするので、本当になんにも分からないので、全チームに夢がある大会だと思います。やってて自分たちもすごく楽しかったし、どのチームにも負ける気はしなかったので、そういう意味ではとても楽しかった。大会の期間は短かったですが、みんな一体になれて、すごく濃密な時間を過ごすことが出来たと思います」


 契約するアディダス社のスパイクが彼らの躍進を支えている。川又は「ナイトロチャージ」、鈴木は「アディゼロ F50」を着用している。

―スパイクが新しくなります。
川又「色も変わって、“サンバ色”ということなので、サンバを踊れるように練習しておきます」

鈴木「マジですか、堅碁くん(笑)」

川又「イメージしておきます(笑)」

―スパイク選びのこだわりは?
川又「履いた感じですね。スパイクによっても自分の感覚というのはあるんで、その感覚がいいヤツを選んでます。格好いいからこれとかじゃなくて、いい感じでボールを触れてるなっていう感覚が欲しいですね。このスパイクは地面蹴るときも引っかかるし、雨の日なんかは足の裏をスッと抜けたりするスパイクもあるんですけど、これだと引っかかるし、自分の中ではフィットしていると思います。ボールをミートするときも、しやすいかなと思いますね」

―鈴木選手は“新潟カラー”のオレンジが基調のスパイクになりました。
鈴木「この色めっちゃ好きなんですよね。スパイクは昔から派手な色が好きです。黄色とか赤とかすごく好きだったので、オレンジもユニフォームになってるし、すごくいいです」

―軽さも特徴があるスパイクです。
鈴木「軽さは自分の中ではすごく重要です。フィット感もすごくいいと思っています。プレースタイルによって変えることは、昔はあまり関係ないかなと思っていました。大人になるにつれて関係あるんだなと思いだしました。やっぱり足が速い人には軽いほうがいいし、ボランチとかで捌くタイプなら多少重くてもいいと思います」

―リオデジャネイロ五輪まで突っ走る。
鈴木「それはもちろんですね。世界の舞台で、経験できることはすごく大きいことだと思うので、そこに選ばれるために今からリーグ戦でも代表行ったときでもしっかりアピールしていきたいです」

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(取材・文 児玉幸洋)



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