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W杯イヤーへザックが決意表明「代表候補は63人」

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 日本サッカー協会は12日、日本代表各カテゴリの2014年スケジュールを発表し、アルベルト・ザッケローニ監督が記者発表会見に出席した。

「2014年の最大の目標は当然、W杯に向けて最高の準備をし、最高の状態で臨むということ」。そう力説したザッケローニ監督は、来るべきブラジルW杯に向け、「自分たちの力にはある程度の自信を持っているし、自分たちの目指すサッカーをピッチで表現できれば、ブラジルの地でも輝くことができるのではないかと考えている。私の仕事はW杯に向けて最高のチームを準備すること。自信を持って臨み、できる限りいい結果を日本に持って帰ってきたい」と決意を述べた。

 W杯イヤーの初陣は来年3月5日のニュージーランド戦。舞台は改修工事前ラストマッチとなる国立競技場に決まった。ニュージーランドは、東日本大震災直後の11年3月29日に復興支援チャリティーマッチとして対戦を予定していたが、ニュージーランド側が安全面などを懸念し、来日を辞退。代わってJリーグ選抜「JリーグTEAM AS ONE」とチャリティーマッチを開催した経緯があった。

 原博実技術委員長は「本来は東日本大震災の直後に対戦する予定だったが、試合を延期し、『またいつかやろう』ということになっていた。ニュージーランドとの関係は続いていたし、彼らも『是非、最後の国立でやらせてほしい』ということだった」と、マッチメイクに至った経緯を明かした。

 ニュージーランドはW杯オセアニア予選を首位で突破し、北中米カリブ海予選4位のメキシコと大陸間プレーオフを戦った。アウェーで1-5、ホームで2-4と2連敗し、2試合合計3-9で本大会出場は逃したが、10年の南アフリカW杯ではイタリア、パラグアイなどと同組となりながら、3引き分けと健闘し、無敗ながらグループリーグ敗退という結果だった。

 堅守に定評があるチームとあって、報道陣からはブラジルW杯で対戦するギリシャを想定しての試合になるのかとの質問も出たが、ザッケローニ監督は「代表チームのやり方を復習し、選手たちに思い出してもらうことを最大の目的に置いている」と回答。海外組はシーズン中だが、国内組はシーズン開幕直後の時期にあたり、コンディション面に不安もある。

「今年の11月から来年の3月まで(代表の活動は)時間が空く。海外組もいれば、国内組もいるので、3月の時期はシーズン中の選手もいれば、オフ明けの選手もいる。また、各々が異なる監督の下で、異なったチームメイトと異なるサッカーをやっている。代表チームとして集まって、代表チームのやり方を思い出すことが大事になる。選手たちが久しぶりに集まり、日本のサッカーをピッチで表現することがこの試合の目的になる」

 W杯アジア最終予選の突破、コンフェデレーションズ杯での戦い、さらには2度の欧州遠征など、2013年は数多くの実戦をこなしながら一歩一歩、着実に前進してきた。「チームとしてテストした試合もあれば、個々の力を図るためにテストの場として使った試合もあった。2013年はポジティブな1年だったと評価している。結果にも満足しているし、W杯に向けた準備が進んだという意味でもポジティブな1年だった」。2013年を総括するザッケローニ監督はW杯イヤーに向けて「2013年が終わろうとしている時点で、代表候補の選手は63人いる。彼らがW杯に向けて、これからまた競争していくことになる」と指摘。勝負の2014年へ、言葉にも自然と力がこもった。

(取材・文 西山紘平)

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