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[プレミアリーグ参入戦]リスタートから2得点!新潟ユースが仙台ユースに逆転勝利

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[12.14 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 仙台ユース1-2新潟ユース 広島広域公園補助競技場]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2013プレミアリーグ参入戦1回戦、ベガルタ仙台ユース(東北1、宮城)対アルビレックス新潟ユース(北信越2、新潟)戦が14日、広島広域公園補助競技場で行われた。1点を争う好ゲームとなったこの一戦は、新潟が2-1で逆転勝利を挙げ、2回戦へと駒を進めた。

 立ち上がり早々に試合は動いた。1分、仙台最初のチャンス。新潟DFライン背後に抜け出した仙台FW女池光仁(3年)がシュート。DFがクリアしたボールを拾ったMF茂木駿佑(2年)が見事なミドルシュートを決め、仙台が先制した。

 その後DFラインの背後を女池とFW井上星矢(2年)が狙い続ける仙台に対し、新潟も徐々に落ち着きを取り戻し、チャンスをつくり始めた。そして27分、仙台陣内で新潟がFKのチャンス。FW渡邉新太(3年)が素速いリスタートでU-16日本代表FW鎌田啓義(1年)にパス。鎌田は反応の遅れた仙台守備陣の隙を見逃さず、MF吉川佳介(2年)とのワンツーから右足でシュートを決め、同点に追いついた。同点後は新潟がペースを握ったが、仙台も粘り強い守備を見せ、1-1で前半終了した。

 後半、仙台は積極的に新潟陣内に攻め込み、ゴールを狙った。追加点が何としてでも欲しい仙台は15分、MF飯塚郁仁(3年)、女池に代えて、キレのあるドリブルを見せるMF小山亮樹(2年)、成長著しい182cmの長身FW本吉佑多(1年)を投入。17分には小山のクロスからU-15日本代表MF佐々木匠(1年)がシュートを放つが、惜しくも枠を外れた。

 しかし、新潟守備の要DF酒井高聖(3年、トップチーム昇格内定)は「(長身の本吉は)かえって僕の得意なタイプのFW。それまでのFW(女池)の方が裏を狙ってきて怖かった」と語る通り、相手の選手交代にも落ち着いて対応。粘り強い守りで虎視眈々と逆転の機会を狙っていた新潟に26分、チャンスが訪れた。スローインのボールを受けたMF飯野七聖(2年)がループシュート。ボールは強風にも煽られ、仙台GK佐々木藍(3年)の頭上を越えてゴールに突き刺さり、ついに逆転に成功した。

 仙台は終盤、受験のため9月から練習を離れ、早稲田大進学決定後の先月練習に合流したキャプテンMF安田壱成(3年)を投入しゴールに迫ったが、最後まで新潟の堅い守りは崩れず試合終了。2-1で新潟が勝利した。

 新潟の上野展裕監督が「粘り強い守備はトップを見習っている。クイックリスタートがうまく行った」、酒井が「前線からの守備、ラインの押し上げ、中盤の囲い込みを得意としているトップの良いところを真似しようと練習している成果が出た」と語る通り、流れが仙台にある時間帯をしっかりと耐え、仙台のリスタート時の隙を突いたことが勝利につながった。Jユースカップでもベスト8進出と躍進したが、堅い守備をベースにし、プレミアリーグ参入戦でもその実力を証明した。

 一方の仙台・越後和男監督は「失点の場面は切り替えが遅かった。まだプレミアは早いということかもしれない」と悔しがった。しかし敗れたとはいえ、越後監督は就任3年で、全国大会で苦戦していたチームを大きく変貌をさせたのは確かだ。日本クラブユースサッカー選手権、Jユースカップ共に決勝トーナメント進出したのは今年が初めてであり、プリンスリーグ東北も今年初優勝。出場機会を得ている1~2年生も多く、今後は楽しみだ。「この経験は次に繋げないといけない」と越後監督が語る通り、この悔しさをバネに来年こそは参入戦を勝ち抜く力をつけたい。
 
(取材・文 小林健志)
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