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日本代表MF山口螢が認めた!!「関西NIKE FC」のMF大村が「NIKE CHANCE」ジャパンセレクションへ

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 ナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」は15日、大阪府堺市のJ-GREEN堺でトレーニングプログラムを行った。

 2010年10月に発足した「NIKE FC」はこれまで関東での活動をメインにしてきたが、今年8月に関西で初のトレーニングセッションを開催。11月17日に2回目のトレーニング、同24日には初めて対外試合も行った。4回目の活動となった「関西NIKE FC」のトレーニング。今回はNIKEが開催する世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」の“予備セレクション”も兼ねたものだった。

 国内セレクション、そして世界を舞台としたセレクションを勝ち抜くと、イングランド代表の本拠地セント・ジョージズ・パークにあるナイキアカデミーに参加する権利を手にすることができる「NIKE CHANCE」。日本の国内選考会(NIKE CHANCE ジャパンセレクション)は来年1月25日に関西ラウンド(大阪府 J-GREEN 堺)、同2月1日に関東ラウンド(神奈川県 横浜みなとみらいスポーツパーク)が開催され、各勝者の計2人が“日本代表”としてグローバルセレクションに進出する。

 ジャパンセレクションは1日の中で1次セレクション、2次セレクションと段階を踏んで開催される予定で、今回の「NIKE FC」での“予備セレクション”はジャパンセレクションの1次セレクションと同じメニューで構成されていた。この“予備セレクション”を通過した選手は、ジャパンセレクションの1次セレクションが免除され、2次セレクションから参加可能。目の前にある「CHANCE」をものにしようと、選手たちは目の色を変えた。

「NIKE FC」のリー・マンソンヘッドコーチは「何より大事なのは気持ち。自分がこのチャンスをつかむんだという気持ちを出してほしい。他の選手との違いを見せつけてほしい」とゲキを飛ばし、約2時間半のトレーニング兼セレクションが始まった。

 20mダッシュのタイム測定に始まり、2タッチでの対面パス、定められたボックス内をドリブルで駆け抜ける「ランウィズザボール」、2対2+フリーマンのポゼッションなど次々とメニューを消化していく選手たち。1対1、2対2では互いの意地と意地がぶつかり合う激しい競り合いが繰り広げられた。最後はゴールを置いた4対4が行われたのだが、そこで“サプライズ”が待っていた。

 ピッチ脇に突如、現れたのは日本代表MF山口螢。参加者のリストが載ったファイルを手に、ピッチの周囲を歩きながら選手たちを“観察”。真剣な表情でメモを取りながら、一人ひとりのプレーを細かくチェックしていった。すべてのメニューを終えると、山口の前に「NIKE FC」の選手たちが集まり、急きょ質疑応答の機会も設けられた。

「世界と比べて日本に足りないものは何だと思いますか?」という質問に山口は「技術的な部分では負けていないと思うけど、メンタルの部分はもっと強くならないといけない」と回答。試合に向けたメンタルの持って行き方について聞かれると、「ウォーミングアップが始まるギリギリまで音楽を聴いています」と明かしていた。

 そして、いよいよセレクション合格者の発表となったのだが、ここで山口が一人の選手を選ぶことになり、MF大村英梨也(久御山高2年)の名前が山口の口から発表された。「ボールを持てるし、周りの選手を使うのもうまい。自分にはないところかなと」。そう冗談めかしながらも、大村のプレーに目を奪われたという山口は「もちろん、まだまだこれから伸ばしていかないといけない部分はたくさんあると思うけど、味方を使うところと自分で行くところの判断は、他の選手よりも優れていた」と、高く評価した。

 世界中の若き才能を発掘するためのスカウトプロジェクトである「NIKE CHANCE」について、「僕らが高校生のころにはなかったもの。チャンスをつかむ、つかまないは、その選手次第だけど、そのきっかけがあることは大事だと思う」と語った山口。これからジャパンセレクションをへてグローバルセレクションへ挑戦していこうとする高校生に向け、「当然、技術も必要だけど、何よりも戦う気持ちがないと、世界ではやっていけない」とエールを送っていた。

 山口から指名された大村は「驚いて、そのあとにうれしい気持ちが出てきた」と興奮を隠せない様子だった。「練習の途中で『金髪の人がいるなー』と思っていたら、山口選手だった。いつもテレビで見ている人だと思ってビックリした」。現役の日本代表選手に自分のプレーを評価されてのセレクション通過。「今のままではダメだと思うし、これからの練習や試合に集中して取り組んで、自分をさらにレベルアップさせてジャパンファイナルに臨みたい。何が何でも一番になりたい」と、強い決意を口にしていた。

 この日のセレクションでは、大村のほかにも、「NIKE FC」のコーチングスタッフがMF岩井健人(滝川二高3年)、MF上松幹(久御山高3年)、MF古藤丞(茨木高2年)、GK橋本隼吾(滝川高2年)、GK徳将馬(東大阪大柏原高2年)の5人を選出。大村を含めた計6人が“予備セレクション”に合格し、来年1月25日に行われるジャパンセレクション関西ラウンドに2次セレクションから参加することが決まった。

「NIKE FC」は22日にも関東でトレーニングプログラムを開催する。こちらも「NIKE CHANCE」の選考を兼ねており、通過者は来年2月1日に行われるジャパンセレクション関東ラウンドの1次セレクションが免除され、2次セレクションからの参加権を獲得することができる。

★「NIKE CHANCE」の詳細はこちらから

(取材・文 西山紘平)

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