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[皇后杯]INACがPKでの死闘制す! 大会4連覇&今季4冠達成!!

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[12.23 皇后杯決勝 INAC2-2(PK4-3)新潟 NACK]

 第35回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会決勝が23日、NACK5スタジアム大宮で行われ、INAC神戸レオネッサがPK戦を制し大会4連覇をとげた。女王・INAC神戸対2年前のファイナリスト・アルビレックス新潟レディースのカードとなった決勝は、PK戦までもつれた末にINAC神戸が見事勝利し、“有終の美”で今シーズンを締めくくった。

 この試合最初のチャンスは劣勢が予想された新潟に訪れる。立ち上がり5分にFWティファニー・マッカーティーがロングボールに抜け出し、ドリブルで仕掛ける。しかし、ボールは流れてしまい、GK海堀あゆみがおさめた。

 このチャンスを最後に新潟は防戦一方の展開が続く。MF澤穂希、FW川澄奈穂美らなでしこジャパンの選手を中心にメンバーを敷くINAC神戸は、個人技とパスワークを駆使して新潟を圧倒。多くの時間を新潟陣内で試合を進める。前半24分には川澄のスルーパスからFWゴーベル・ヤネズがチャンスを迎えるも、GKに阻まれてしまった。敵陣深くまで攻め込みながらも、新潟の体を張ったディフェンスの前になかなか決定機を作れないINAC神戸。それならばとFW高瀬愛実、MF中島依美、ゴーベル・ヤネズがミドルシュートで狙うが、ゴールは遠い。

 攻めあぐねるINAC神戸を尻目に、新潟はこの試合2度目のチャンスをものにする。前半42分、ティファニー・マッカーティーがDF磯金みどりにプレッシャーをかけてボールを奪うと、スピードを活かしたドリブルで単身ゴールに突進。PA内でDF甲斐潤子の股を抜いてかわすと、倒れ込みながら左足で流し込み、新潟が貴重な先制点を挙げる。

 1点のビハインドを負ったINAC神戸は、ハーフタイム明けに早めにピッチに姿を現し気合いをみなぎらせる。ところが、後半序盤は新潟のペースで試合が進む。前半よりさらに前がかりになるINAC神戸からボールを奪うと、ティファニー・マッカーティーのスピードを活かしたカウンターで応戦。しかし、2度の決定機を決めきれないでいると流れはINAC神戸に。そして後半20分、チ・ソヨンのFKにDF近賀ゆかりが飛び込んで試合は振り出しに戻る。

 1-1となってからはINAC神戸ペースになるが、試合を決めきることはできず延長戦に突入する。迎えた延長前半3分、CKのこぼれ球をチ・ソヨンがつめてINAC神戸が逆転に成功する。ところが、延長後半にドラマは待っていた。同6分、DF高村ちさとのロングボールを途中出場のFW平井咲奈が中央に送ると、ティファニー・マッカーティーが右足で蹴り込んで、新潟が2-2の同点に追いつく。

 120分の死闘の末、試合はPK戦へ。1人目が失敗し劣勢に立たされた後攻のINAC神戸だったが、その後2人目から4人目までが成功する。一方、先手をとった新潟だったが、3人目と4人目が失敗。最後は5人目の川澄がネットを揺らし、INAC神戸が3年ぶりとなる決勝でのPK戦を制した。INAC神戸はなでしこリーグ、なでしこリーグ杯、国際女子クラブ選手権に続いて今シーズン4冠を達成。石原孝尚監督は就任1年目での快挙となった。

(取材・文 奥山典幸)

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