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[皇后杯]主将として4冠に導いたINAC川澄「苦しい中で獲ったタイトル」

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[12.23 皇后杯決勝 INAC2-2(PK4-3)新潟 NACK]

 勝って当たり前。INAC神戸レオネッサへと向けられる世間の評価だ。そんな中、今季のINAC神戸は、苦しいスタートを切った。常勝軍団を作り上げたが星川敬監督が退任し、背番号10を背負い攻撃の柱として活躍していたFW大野忍が海外へと移籍した。シーズンが始まってからも負傷者が多くベストメンバーが組めない状況が続き、さらに守備の要のDF田中明日菜が海外へ移籍した。

「これだけタイトルを獲っているとどのチームも自分たちを目の敵にしてきますし、4冠と言いますけど、今年は苦しい中で獲ったタイトル」。PK戦最後のキッカーを務めたFW川澄奈穂美は、苦難のシーズンを振り返った。

 決勝戦も川澄の言葉を象徴するような試合になった。ゲームを支配しながらもワンチャンスを決められて先制を許し、延長では逆転に成功しながらも同点に追いつかれ、PK戦では新潟に先手を取られた。「最後まで自分たちが勝つと信じて戦った試合」。それでも女王の自信が揺らぐことはなかった。

 逆風の中でも皇后杯4連覇を達成。なでしこリーグ、なでしこリーグ杯、国際女子クラブ選手権に続く今季4つ目のタイトルだ。キャプテンとしてチームを牽引することを託された川澄は、チームメイトへの感謝の意を語った。「キャプテンとしてチームを引っ張れたかというと、まだまだできていなかった。ベテランの選手に支えられて、もがきながらでも前を向いていけたのはチームの成長だと思います」

 一部報道でバルセロナなど海外クラブへの移籍が取り沙汰されている川澄。4冠を置き土産にチームを去るのか、その去就が注目されているが、「オフは予定を詰め込んでいるので、思い切り遊びたいと思います」と語るにとどまり、ミックスゾーンを後にした。

(取材・文 奥山典幸)

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