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[MOM961]星稜DF寺田弓人(3年)_守備の柱が豪快PKでチームに力

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜0-0(PK5-4)玉野光南 駒沢]

 星稜の名将、河崎護監督は「(PK戦で)2番目に出てきた彼がズドン、と決めてくれた。あれで後ろの連中がいい意味で力がさらに入った。(PKには)連鎖反応があると思う。いいキックした時は後ろにも力強さを与える」とCB寺田弓人(3年)のキックを讃えていた。PK戦で後攻の星稜は2人目の寺田が、ゴール左隅に非常にパワフルな一撃。「今まで公式戦で4回蹴って外したことはないです。自分は力で行くタイプ。後悔しないように打ちました」という寺田の豪快なシュートで力を得た星稜は、その後も全員が決めて5-4で勝利した。

 寺田は今回の石川県予選初戦で左足首を捻挫し、同準決勝で再びケガをしてしまっていた。県予選は痛み止めとテーピングで決勝まで乗り切ったが、大会後は長期離脱。フル出場できるようになったは全国大会1週間前だった。痛みはまだ残るが、相手の快足FW相手にも「速いだけなら大丈夫」と間合いを開けずに対応し、PKは気合で撃ち切った。184cmの大型CBの存在がチームに与える影響は攻守両面で大きい。「引かずにどんどん前に行きたい」という守備では思い切って前に出て相手の縦パスや楔へのボールを弾き返し、攻撃面でもその高さが相手の脅威となる。本人は声の部分を課題に挙げているが、それでも集中力の高い守りを見せているCB藤田峻作(3年)とのCBコンビは初戦からの2試合合わせて被シュートわずか8で無失点と鉄壁の守りを披露している。

 昨年度の全国4強に貢献したCBは全国高校総体でもチームを8強へ導いたが、3回戦で負傷して準々決勝を欠場。チームはその準々決勝で正智深谷(埼玉)に1-5で大敗した。「調子が良かったし、抑える自信があった。チームに申し訳なかった」と悔しがる彼にとって、今回の選手権は借りを返す最後の舞台でもあるのだ。昨年度の経験を持つCBはここから先、僅かな隙やミスが失点に直結することを知っている。だからこそ「去年も2試合目まではゼロで行ったんですけど、自分たちのミスから準々決勝(対東海大仰星)で失点してしまった。それを経験している自分はゼロで勝ちます」と意気込む。守備の柱として守り、チームを日本一へ。雪辱の思いも込めて今大会は無失点で頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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