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[特別インタビュー前編]ミランFWバロテッリ「ミランは恐れるものなどない」

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 イタリアの名門ミランは、セリエAの前半戦を終えて5勝7分7敗で11位と苦しんでいる。13日にはマッシミリアーノ・アッレグリ監督を解任し、新たにクラレンス・セードルフを監督に迎えた。厳しい状況の中でも、昨年1月に子供のころから応援していたミランに加入したFWマリオ・バロテッリは、諦めていない。2013年12月から新たにスポーツブランドのPUMAと契約を結んだストライカーは、チームの再生を宣言した。

―――ミランは首位から離されているが?
「もちろん1位、2位でリーグを終えることは無理だ。今は、コッパイタリアに集中している。それが来シーズンも欧州の舞台でプレーするための唯一の方法だ(※1月22日の準々決勝vsウディネーゼ戦で敗退)。自分一人でプレーすることはできないし、チームと自分がサポートし合うことが必要だ。ミランは理想のクラブであり、楽しんでいる」

―セードルフが新監督になったが?
「セードルフは、選手として素晴らしく、すべてを勝ち取った人だ。信頼できる」

――彼がミランでプレーしていたことは?
「それはいいこと。すでに知っている選手が多いからな。彼にとってもいいことだ」

――彼とはどんな話をした?
「チーム状況を話した。また、ピッチ上のこと。彼が来てくれたことを嬉しく思う。監督交代はチームに混乱をもたらすものだが、彼は元選手だし素晴らしい人だ。はっきりしたアイデアを持っている」

――アリゴ・サッキやファビオ・カペッロと異なり、監督経験はないが?
「サッキとカペッロは、監督として世界のサッカー史の中でもベストの2人だ。彼らとは違うが、セードルフはベストプレーヤーの一人だ」

――セードルフの抜擢は、イタリアの人種差別問題撲滅にもプラスになる?
「そう願うよ。これで一歩進んだ。イタリアでは一歩が出るのがとても遅いが、とにかく一歩は一歩だ」

――アッレグリ前監督には、何と伝えた?
「アッリベデルチ(さようなら)とだけ言った。アッレグリはリーグ優勝したし、良い監督だ。彼の幸運を願っている」

―――1月に新加入した本田圭佑の印象は?
「良い選手で、良いヤツ。チームに多くをもたらしてくれるだろう」

――彼は10番に値する?
「そう思う。10番に必要なテクニックもプレースタイルも持っているからな」

――ミランのガリアーニ副会長とバルバラCEOの軋轢に関しては心配している?
「心配していない。ガリアーニは彼の仕事においてはベストだ。誰も彼を外すことはできない」

――リーグ戦では苦しんでいるが、欧州CLでは16強に進んだ。次はアトレティコ・マドリー(スペイン)と対戦するが?
「アトレティコは良いチームで、リーガでよくやっている。でも、特にCLではミランは恐れるものなどない。勝つためにコンディションなどを準備するだけ。難しい試合になるだろう。ディエゴ・コスタという素晴らしいストライカーもいるからな」

――アトレティコのシメオネ監督は、キミを高く評価しているが?
「シメオネは良い選手だったし、良い監督だ。リーガで首位を争っているし、よくやっていると思う。何人かの監督が自分のことを気にいてくれているのは名誉なこと。だが、オレはミランの選手だ」

――古巣のマンチェスター・シティ(イングランド)は、バルセロナ(スペイン)に勝てると思う?
「そう願っている。かつてのチームメイトがいるから、オレはもちろんシティを応援する。難しい試合になるだろうがね」

―――欧州CLのガラタサライとユーベの試合の際は、どちらを応援していた?
「スペクタクルな試合が見られればいいと思っていた。単純に楽しみたかったから、どちらが勝つかは重要ではない。ユーベはイタリアのチームだし、ガラタサライにはマンチーニがいたからな」

――プレミアが恋しいと思うことはある?
「プレミアリーグは恋しい。サッカーとして素晴らしいからな。だが、プレミアはイングランドだ。そしてイングランドの生活はオレ向きではない。プレミアは素晴らしいリーグで、ベストだと思う。どんな選手でもプレミアでプレーしたいと思うだろう」

――ミランダービーとマンチェスターダービーの、どちらが好み?
「プレーをするなら、シティと共にマンチェスターダービーを戦いたい。だが、勝つかどうかとなると、話は別だ。インテルを倒したい」

(取材・文 河合拓)
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