beacon

[フットサル欧州選手権]4強はスペイン、ロシア、イタリア、ポルトガル。準決勝に揃ったのはやはり強豪国

このエントリーをはてなブックマークに追加

 ベルギー・アントワープで開催されているフットサル欧州選手権。2月4日、5日に準々決勝が行われ、強豪国が準決勝に勝ち残った。

無所属のピヴォが母国を準決勝へ導く

 準決勝進出をまず決めたのはFリーグの名古屋オーシャンズに所属するFPペドロ・コスタを擁するポルトガル代表だ。ポルトガルはウクライナと対戦し、2-1で勝利した。

ポルトガルを勝利に導いたのは長身ピヴォのFPカルディナル(写真)だ。

 前半早々にカルディナルはゴール前のディフェンスが密集した地帯でうまくボールをコントロール。シュートコースをつくり、絶妙のコースにボールを流し込み、ポルトガルが先制した。しかし、前半12分にCKのリバウンドを押し込まれ、同点にされてしまう。同点で始まった後半、またもポルトガルは早々にゴールを奪う。FPリカルジーニョのキックインからのグラウンダーのパスをファーサイドでフリーだったカルディナルが豪快に蹴りこみ、勝ち越しゴールを奪った。ウクライナはその後、得点を奪うことができず。ポルトガルが準決勝進出を決めた。

 2得点を奪ったポルトガル代表のカルディナルは2010年にハンガリーで行われた欧州選手権からポルトガル代表に定着。12年欧州選手権、12年W杯でプレー。2011-2012シーズンはロシアのCSKAモスクワに所属。名古屋から同チームにレンタル移籍していたリカルジーニョと半年だけチームメイトだった。カルディナルは翌シーズンにはポルトガルに戻り、プレーをしていたが、今シーズンは負傷もあり、今大会には所属チームなしで挑んでいる。スペインのメディアは今大会後に強豪インテルへの入団の可能性が高いと伝えている。インテルは名古屋に所属していた元ブラジル代表FPマルキーニョが所属したスペインの名門。2013-2014シーズンからは10、12年FリーグMVPのリカルジーニョが名古屋から移籍し、プレーしている。

絶好調のエデル・リマ

 準々決勝2戦目ではロシアがルーマニアに6-0で大勝。ロシア国籍を持つブラジル人ピヴォのFPエデル・リマがハットトリックを達成するなどルーマニアを粉砕した。両者の実力差は明確だった。ロシアは序盤から慎重にゲームを進め、きっちりと得点を奪い、ゲームを無難に終わらせた。ハットトリックを達成したエデル・リマは今大会3試合7得点3アシストと堂々たる結果を残している。

 イタリアはクロアチアと準々決勝で対戦。テクニックと決定力の高いカウンターを武器にするクロアチアに手を焼いたが、前半開始46秒で先制点を奪う。クロアチアはカウンターから高い個人技を見せて今大会で欧州中を驚かせている21歳のFPジョロビッチが同点にしたが、イタリアは同点にされた直後、すぐさまキックインから勝ち越しゴール。その後はクロアチアに得意のカウンターを繰り出させないよう自分たちがボールをキープ。老獪なゲーム運びで、若いクロアチアの長所を覆い隠し、イタリアが2-1と逃げ切りに成功した。

 クロアチアは初戦でスペインと引き分けるなどサプライズを起こしたが2大会連続準決勝進出とはならなかった。FPマリノビッチ、ジョロビッチらスピードがあり、スキルも高い多くのタレントを抱えていたが、イタリア国籍を持つブラジル人を揃える経験のあるチームに、手の平で転がされてしまった。

満身創痍のスペイン

 大会4連覇中のスペインはスロベニアと対戦し、4-0で完勝。バルセロナに所属するFPフェルナンダウが先制点を奪うと、FPラファ・ウシンが追加点を決めて、前半を2-0で折り返す。後半終盤にはバルセロナに所属するアラ・フィクソのFPアイカルドが2ゴールを決めて、完勝した。スペインは負傷していたアタッカーのFPミゲリン、FPリンが復帰。まだ本調子ではなかったが、彼らがチームの攻撃を活性化した。

 スペインは満身創痍だ。所属チームのバルセロナ同様にスペイン代表でもキャプテンを務めるFPトーラスはグループリーグのチェコ戦で左ヒザを痛め、ゲーム翌日に4~6週間の離脱が発表されており、今大会中の復帰は絶望となった。キャプテンを欠き、かつ攻撃のキーマンであるミゲリンとリンもケガを抱えている。さらに準々決勝では副キャプテンで2007年から代表チームの不動のフィクソ、FPオルティスがイエローカードをもらい、準決勝のロシア戦は出場停止となってしまった。

■以下、準々決勝の結果
ウクライナ 1-2 ポルトガル
ルーマニア 0-6 ロシア
イタリア 2-1 クロアチア
スロベニア 0-4 スペイン 

(取材・文 座間健司)
twitter アカウントは@KenjiZama
メルマガ ワールドフットサルマガジンプラス! 好評配信中 http://www.mag2.com/m/0001442390.html
1980年7月25日生まれ、東京都出身。2002年、東海大学文学部在学中からバイトとして"フットサルマガジンピヴォ!"の編集を務め、卒業後、そのまま"フットサルマガジンピヴォ!"編集部に入社。2004年夏に渡西し、スペインを中心に世界のフットサルを追っている。"2011年フットサルマガジンピヴォ!"休刊。2012年よりフットサルを中心にフリーライター&フォトグラファーとして活動を始める。

TOP