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[MOM980]昌平高FW野村祐一朗(2年)_4戦6発!“普段通り”のスーパーゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.19 埼玉県高校新人大会決勝 昌平高1-0浦和南高 西武台高G]

 4試合連続の計6得点。昌平高のエースストライカー、FW野村祐一朗(2年)が決勝戦でも決勝点を決めてチームを初の埼玉制覇へと導いた。前半18分、昌平は右SB篠崎亮(2年)が縦パスを送ると、これに反応した野村が右足ダイレクトでミドルシュート。まず縦への突破をケアしようとしたか、対応がやや遅れた浦和南高守備陣の虚を突いて放たれた一撃は、鮮やかな放物線を描いてゴールヘ吸い込まれた。殊勲の野村は「あそこまでキレイに入ると思っていなかった。でも、(逆光でよく見えなかったが)蹴った瞬間に『入ったな』というのは何となく分かりました。シュートはいい感じだったので、それは気持ちよかったです」と胸を張った。

 会場の大半が予想していなかったようなタイミングで放ったファインショット。ただ“ミラクル”でも何でもなく、野村は普段のトレーニングから意外性のあるものだったり、難易度の高いシュートを決めているのだという。昌平の藤島崇之監督はアジリティの部分などの成長を求める一方で「(野村は)ああいうゴールがたまに出るのではなく、トレーニングの中でも出る。昨日(準決勝)のいいゴールも毎日見ている感じくらいなので、自信を持ってやっているかなと思います」と目を細めていた。

「裏に抜ける技術というのは自分でも意識しているので、もっと磨いていかないといけない」と野村自身がこだわる飛び出しの質と量、高いキープ力を発揮しながらスペースへ運ぶドリブル、思い切りのいいシュート、そしてゴール前で泥臭くゴールを狙う姿勢が得点数の多さをもたらしている。この日も鋭い飛び出しを繰り返し、通ればビッグチャンスというシーンが何度もあった。ただ、スーパーゴールを決めた一方でボールに触れる回数が少なく、後半に絶妙な飛び出しで迎えた決定機も活かせず。本人は「きょうはDFとGKに救われた部分が多かったので、個人の出来としては満足していないです」と納得していなかった。今後、よりマークが厳しくなっていく中で「自分が成長しなければ通用しない」ということを理解している。

「好きな選手は(元日本代表FWの)中山雅史選手です。泥臭く決めるので、そこは自分も求めていかないといけない」と野村。4戦連発という結果を残し、手応えを掴んだ新人大会だったが、満足することなく、より高い目標を持って成長し、チームを救うFWになる。

[写真]前半18分、昌平FW野村が右足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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