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新戦力6人先発の“新生”神戸、マルキ「必ず何か一つタイトルをつかめる」

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[3.2 J1第1節 川崎F2-2神戸 等々力]

 新生ヴィッセルの片鱗は見せた。今オフに大型補強を敢行したヴィッセル神戸は開幕戦で新戦力6人を先発起用。ボールポゼッションを重視し、タレントぞろいのアタッカー陣を生かす攻撃サッカーで、同じく攻撃的なスタイルの川崎Fと打ち合った。

 先制点はセットプレーから。右CKのチャンスに京都から完全移籍で加入したMFチョン・ウヨンがマイナス気味に蹴り込むと、MF森岡亮太が右足ダイレクトボレーで叩き、GKが弾いたボールをC大阪から加入のMFシンプリシオが押し込んだ。

「サインプレー。今週、セットプレーではこれをやろうと言っていた形。練習どおりにできた」。狙いどおりの形だったことを明かした森岡だが、試合全体を振り返ると「トータルで見たらやられた感じが強い」と冷静に言う。

 1トップは横浜FMから加わったFWマルキーニョス。2列目の左にも新戦力のMFペドロ・ジュニオールが入った。チョン・ウヨンとシンプリシオというダブルボランチを含め、コンビネーションはまだまだ発展途上にある。

 後半アディショナルタイムにFW松村亮の同点ゴールをアシストするなど、トップ下の位置で2点を演出した森岡は「マルキと僕の関係はまだまだお互いに足りていない」と、縦関係を組むエースとの連係向上が急務だと認識している。

「ポゼッションでボールを保持してやろうと話していて、初めての公式戦でそういう形は出たかなと思う。ただ、フロンターレもそこはうまいチーム。フロンターレは崩し切れるけど、僕らは崩し切れない。そこの精度を上げていかないと、何のためにポゼッションしているのか、ということになる」

 森岡の言葉どおり、似たようなスタイルを志向する川崎Fが相手だったからこそ、見えてきた課題もある。名古屋から加入したCBの増川隆洋は「時間が経つにつれてボランチを使えるようになって、ボランチから前にボールが入るようになった。イメージとして共有したものを持てているなというのはやっていても感じた」と、チームの方向性には手応えを感じた様子だった。

 結果こそ引き分けだったが、船出としては上々だったというのが選手の受け止め方だ。マルキーニョスは「新しいチームをつくっているところだし、いいスタートを切れた。たくさんのチャンスをつくったし、今後はさらに向上した内容を見せられると思う」と強調。Jリーグで7クラブ目となる新天地はタイトルも狙えるチームなのか。「それは間違いない。美しいサッカーを見せているし、監督のフィロソフィーも素晴らしい。選手がそれを体現できれば、必ず何か一つタイトルをつかめると思う」と力説していた。

(取材・文 西山紘平)

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