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岡崎の得点数歴代3位浮上に、歴代2位FWカズ「どんどん抜いて行ってください」

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[3.5 キリンチャレンジ杯 日本4-2ニュージーランド 国立]

 日本代表のエースとして、数々の記憶に残るゴールを国立競技場で刻んできた元日本代表FW三浦知良(横浜FC)。5日のニュージーランド戦は、会場に駆けつけ、スタンドからザック・ジャパンの初めてにして、最後の国立での試合を見守った。

 日本代表として、国立競技場で29ゴールを挙げているカズは、この一戦を「また新しい歴史をサッカー界も作っていけばいいんじゃないかという気持ちで今日は見ていました」と言い、ニュージーランドに4-2で勝利したザック・ジャパンに「選手の競争も激しくなっていますし、層も厚くなっていると思います。全員が本当にポジション争いすることでレベルアップ、さらにこの(W杯までの)3か月が生きると思うので、みんな頑張ってもらいたいと思います」と、エールを送った。

 この試合で、FW岡崎慎司(マインツ)が2ゴールを記録し、代表での通算ゴール数を38に伸ばした。これで原博実専務理事の持つ国際Aマッチ37得点の記録を一気に抜き、歴代得点数で単独3位に浮上している。

 日本代表で計55ゴールを決め、歴代2位の記録を持つカズは、岡崎の3位浮上を喜び、「そのうち、僕も抜かれるんじゃないですか(笑)。『どんどん抜いていってください』という感じです。僕も積み重ねられるように、56点に行けるよう頑張ります(笑)」と、刺激を受けた様子だった。

「日本代表へのプレッシャーというのは、常に、どんどんどんどん期待が膨らんでいますよね。僕のころはW杯予選を突破するというのがみんなの目標で、今はW杯でグループリーグ突破して、決勝トーナメントに進むことは当たり前に思われていますから。そういう意味ではプレッシャーの大きさも違います」

 そう話したカズも、1997年に国立競技場で行われたフランスW杯予選のホームゲームでは、酸いも甘いも味わった。初戦のウズベキスタン戦では4ゴールを挙げて、ヒーローになった。しかし、その後、日本は苦戦が続くと、引き分けに終わったUAE戦後には椅子や卵を投げられた。「プレッシャーの大きさは違いますが、代表が当時から持っていた重みは同じだと思います。サポーターも期待して、勝つところを見たいですから。それを期待しての事だったと思うのでね。そういうことがあるから日本代表の選手というのは強くなるし、日本代表はそういうプレッシャーを常に受けているということで、それだけのブランド力があるんだと思います」と、当時を振り返る。

 そして、「もう15~6年くらい前ですからね。あの頃よりも、(プレッシャーは)更に大きくなっているんじゃないかと思います。でも、今の選手はヨーロッパのビッグクラブでプレーしている選手もいますし、ヨーロッパでプレーしている選手も多いので。そういうプレッシャーを常に、毎週毎週受けながらやっているので、頼もしいと思いますね」と、後輩たちの活躍に、レジェンドは目を細めた。

(取材・文 河合拓)

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