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「NIKE CHANCE」最終日、履正社FW瀧本は落選も有言実行のゴール「大阪では飛びぬけた存在に」

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 世界で戦える選手を発掘する世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」は9日、イングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークでグローバルセレクション最終日を行い、33か国43人の参加選手から合格者5名を選出した。持ち前のスピードと攻撃力によってジャパンセレクション関西ラウンドの選考ゲームで違いを示し、“日本代表”としてグローバルセレクションに参加したFW瀧本高志(履正社高)は惜しくも落選。この日、30分3本行われたゲームの1本目に決勝点を決め、3本目にも決勝点を演出したが、合格者として欧州プロを輩出しているナイキアカデミー入りすることはかなわなかった。

 大阪の新鋭、履正社のレギュラーFWとして昨冬の全国大会で8強進出し、ゴールも決めている瀧本。本人は自分の持ち味を出し切れなかったことを悔やんだが、4月に高校3年生となるFWは初の海外で得た経験を持ち帰り、目標のプロ、全国制覇を目指して「試合を支配する存在」になる。

以下、グローバルセレクション最終日の瀧本コメント
―勝者が発表された直後の思いを
「悔しいです。コーチの指導がシンプル、シンプルと言っていたのでそれに合わせようとしたんですけど、自分出さないかんなと思います。自分のところを出せなかった。出したからって受かるかどうかは際どかったかなと思うので、次かなと思いますね。でも、ホンマ来てよかったです。感謝。いい経験ができました。(グローバルセレクションは)もう終わったんですけど、こういうヤツラには負けたくないんで、プロ目指して頑張りたいです」

―やり切ることはできた?
「アカデミーとの試合の時、何もできなかったですね」

―初戦、ナイキアカデミー戦と長身でレベルの高いCBとの対戦が続いた
「ああいう中でも取らないとダメですね。あれに負けたのは悔しいです」

―初戦では宣言通りに決勝点も取ったし、最後の試合でも決勝点を演出した。見方によってはいい結果だったと思うが
「自分で行って、自分で決めるのは難しかったんで、ゴール前では周りを使って、ギリシャのヤツとかクロスがめっちゃ上手かったんで、ああいう(パス交換からのゴール)のは狙っていました」

―1点取って気持ち的に吹っ切れた部分があったのでは?
「ワンツーもらって、簡単なゴールだった。でも1点は1点。あの後、徐々にできてきましたね」

―貴重な3日間だった
「これから一生できるかどうかのいい経験をさせてもらったんで、今後活かせられるように頑張りたいですね」

―手ごたえは
「良くも悪くもという感じでいいところもあれば、悪いところもありました。もっとガンガン自分で行けたかなと思いました。パスサッカーをやっているというところもあったんですけど、自分のドリブルが少なかった」

―履正社でプレーしている時以上に身体を張るシーンが多かったんじゃないかと思うが
「(3試合目の)スペイン人とかガンガン来ていたので、ちょっとイラッとも来ました。でも(身体を張ってファウルを取るプレーは)履正社では褒められるプレー」

―周りには強力なFWはいなかった印象だが
「パッと見、上手いヤツはいなかったと思うんですけど、そいつらにも勝てていないです」

―この経験をどう活かすか
「大阪で経験できたのはボクだけ。大阪では飛びぬけた存在になりたい。ここで無理でも高卒でプロは狙っているので、帰ってどうプロにつなげられるか」

―「NIKE CHANCE」でいろいろなところにアピールできた
「まだ名前だけ。自分全然できていないので。スカウトが来たときに見せられるかだと思うので、噂だけじゃなくて見せられるようにしたい」

―この1年間の目標を
「この3日間という短かったですけれども、得たものは大きかったので、自分の高校へ戻っても自分がチームを引っ張っていく。今年は最高学年なので、まずはインターハイ。インターハイも選手権も全然行けると思う。去年も優勝も狙えたと思っている。メンツも変わっていないので今年こそ全国制覇、取りたいです。個人的にはプロですね。インハイくらいからはプロから声かかるくらいにやりたい」

―最後に今後、「NIKE CHANCE」を目指す選手たちへメッセージを
「自分悔いが残ったというか、ボクは自分を出し切れなかったのでもっと自分を出してプレーすること。そうすれば大丈夫と思います」

(取材・文 吉田太郎)

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