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大儀見&宮間弾でなでしこがスウェーデンに逆転勝ち…2年ぶり決勝進出決める

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[3.10 アルガルベ杯 日本女子2-1スウェーデン女子]

 日本女子代表(なでしこジャパン)は10日、アルガルベ杯第3戦のスウェーデン女子代表戦を行い、2-1で勝利した。この結果、グループリーグ3戦を終えて2勝1分としたなでしこは、見事B組1位通過を確定。12日に行われる順位決定戦ではA組1位のドイツと優勝をかけて争うことになった。

 決勝進出のためには、勝利しかないなでしこジャパン。第2戦のデンマーク戦では温存したMF澤穂希らを先発復帰させ、ベストメンバーでグループリーグ最終戦に臨んだ。

 なでしこのシステムは不動の4-4-2。GKは海堀あゆみ、DFラインは右から近賀ゆかり岩清水梓熊谷紗希宇津木瑠美。ダブルボランチは阪口夢穂澤穂希が組み、右MFは川澄奈穂美で左MFが宮間あや。2トップは大野忍大儀見優季が組んだ。

 先制点が欲しいなでしこは積極的に前に出る。しかし決定機と言うほどのチャンスは作れず、時間だけが淡々と流れていく。すると前半42分、左サイドでスウェーデンにFKを与えると、MFヤコブソンのキックをDFセンブラントに頭で合わされ、先制を許す。ヤコブセンのキックが壁に当たりコースが変わるという不運もあったが、ワンチャンスを確実にものにされた。

 先制を許したなでしこだが、直後にビッグチャンスを迎える。前半45分、大儀見が絶妙なスルーパスをDFの裏に通すと、右サイドから入り込んだ川澄が反応。GKと1対1の状況を作り出す。だがこれは惜しくも右ポストに嫌われる。前半は1点ビハインドのまま折り返すことになった。

 しかし後半に入ると、4分、スウェーデンのDFラインのバックパスが中途半端になったところを見逃さなかった大儀見が素早く反応。センブラントを背負いながらも、しっかり右足を振り抜き、ゴール左隅に同点弾を突き刺した。大儀見は代表通算48得点目。長峯かおりと並んでなでしこ通算得点ランク2位タイに浮上した。(1位は澤の81得点)

 一気に逆転したいなでしこは澤に代えて、第2戦で決勝点を奪ったFW岩渕真奈を投入。宮間をボランチ、右サイドに大野を配置。大儀見と岩渕の2トップにして、勝ち越し点を奪いにいった。

 守備陣も奮闘を見せる。後半32分の場面では宮間のクリアがポストを叩くと跳ね返りをスウェーデンに狙われる。しかし海堀が至近距離のシュートを防ぐと、同33分の場面では左サイドを深くえぐられクロスをMFイェランソンにフリーで合わされるが、これも海堀が防ぎ切り、寸でのところで難を逃れる。

 終盤には川澄を下げてFW安藤梢を投入。前線をフレッシュにして最後の勝負に出る。43分には岩渕が強烈なミドルを枠内に飛ばすが、GKシェーベリの右手一本に弾き出された。

 だがその直後のプレーだった。CKの混戦の中でセンブラントのハンドを誘う。主審はなでしこにPKを与える。宮間のPKは右に飛んだシェーベリの手に当たるが、勢いが勝り、そのままゴールラインを越える。最後の最後まで諦めなかったなでしこが、2大会ぶりの決勝進出を決めた。

 同点弾の大儀見は「チームとして負ける雰囲気がなかった。ゴールを決められる雰囲気もあった」。逆転弾を決めた宮間は「みんなで取ったPKだったので入って良かった」。中1日で迎える決勝戦に向けては「もっともっと質を上げて優勝したい」と力を込めた。

 DFラインを引き締めた岩清水は「アルガルベで優勝したことないので優勝したい。震災から3年になるので、みなさんにまた喜んでもらえるように頑張りたい」。澤は「日本らしいサッカーをして優勝したい」と気合を込めた。

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