beacon

[PUMA杯2014]11失点大敗の浦安FP小宮山「ブラジルにだって、こんなに取られていない」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[3.15 PUMA杯2014準々決勝 浦安1-11名古屋 代々木]

 1-11。あまりにも屈辱的な大敗だった。バルドラール浦安のFP小宮山友祐は、大敗の要因も、その選択をした監督の決断も「責められない」と話したが、「でも、悔しい。悔しい。ブラジルにだって、こんなに点を取られていないから」と唇を噛んだ。

 名古屋を相手に先制点を許せば、試合は一気に難しくなる。前日の準々決勝の大分戦で失点を喫していたセットを変えたのは、より慎重に戦いたいという選択であることが分かる。だが、先発のセットに入った小宮山は「慎重になり過ぎた」と反省する。

「僕が交代した直後に失点をしてしまったのでね。やっぱりウチは、ああいう名古屋のようなチームから、2点、3点、4点と簡単に取れるチームじゃない。はっきりプレーを切るときは、切るとか、明確に自分たちのプレーをやるべきだった」

 大分戦は、それでも試合をひっくり返すことができた。だが、大分に先制点を許すのと、名古屋に先制点を許すのでは、まったく次元が違うことのようだ。

「大分と名古屋は違うんでね。名古屋は、誰が出て来ても(レベルが)落ちないし、シンプルに前に収まる選手もたくさんいる。前からプレスをかけても、プレスの回避も簡単にされてしまう。パワープレーに行ってなかったら、あそこまでの点差はつかなかったと思う。でも、リーグ戦じゃないからね。何点取られても、とにかく勝たないと上には行けなかったから。受け入れるしかない」

 もう一つ、悔やまれる場面があった。浦安が1点を返して迎えた前半終了間際のプレー。小宮山は、FP森岡薫を倒して、第2PKを与えてしまった。「審判のせいにしても、仕方がないけど」と前置きをしつつ、小宮山は首をひねる。

「あれ、第2PKかなぁ。薫が倒れたら、普段は倒れないから、『押した』みたいになるかもしれない。でも、目の前の審判が吹いたのであれば『仕方がない』『オレがやったよ』と言える。でも、逆サイドにいた審判が吹いたからね。自分としても、そこまで当たったという実感はないから。もちろん、接触はありましたよ。でも、俺が先にボールに触って、そのあとに薫が来て勝手に転んだ感じだった。これからっていう時間だったからね。ただ、審判のせいにしても仕方がないし、0-2のときに僕のシュートもポストに当たっている。ああいうのも決まっていればね。フィニッシュの差はある。でも、オレは消極的だった前半の立ち上がりを嘆くよね」

 前日には浦安セグンドが、名古屋と2-4の接戦を演じていた。彼らにあった思いきりの良さを、トップチームが出せなかったことが何よりも悔しかった。「シンプルにね、球際とかでもっと戦えたらよかった。昨日のセグンドみたいに、シンプルに球際に行くとか、走るとか。そういう積み重ねができればよかった。見ている人も『気持ちが入っていない』って感じたと思うし、昨日の(セグンドの)試合も見ていただけに、もう少し戦いたかった。そういうところからチームを変えていかないと」。

 経験豊富な選手たちが多い浦安だが、これほどの大敗を経験したことはほとんどないはずだ。それだけに、この敗戦から切り替えるのは難しいかもしれない。小宮山は「とにかく今は切り替えるしかない」と、自分に言い聞かせるように口にした。

(取材・文 河合拓)

TOP