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昨季ファイナルの再現となった一戦は柏が逆転勝利

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[3.19 ナビスコ杯グループB第1節 柏2-1浦和 柏]

 ナビスコカップのグループリーグ第1節が19日に行われた。昨季のナビスコ杯決勝と同じ顔合わせとなったグループBの柏レイソル浦和レッズの対戦は、浦和に先制された柏が前半に追い付くと、後半34分にDF渡部博文が決勝ゴールを奪い、2-1の逆転勝利を収めた。

 ホームの柏は15日のJ1第3節の名古屋戦からMFレアンドロ・ドミンゲスに代えてDF渡部博文を今シーズン初先発で起用すると、ここまでリーグ戦で採用していた4バックから3バックに変更し、3-4-2-1でこの一戦に挑んだ。対するアウェーの浦和もシステムは3-4-2-1といつもどおりながらも、J1第3節広島戦から4人のメンバーを入れ替えて、DF永田充、MF関口訓充、MF梅崎司、FW李忠成を先発起用した。

 互いに3-4-2-1を採用するため、3バックと1トップ+2シャドー、ボランチとボランチ、アウトサイドとアウトサイドが監視し合うことになり、必然的に1対1の場面が多くなる。ミラーゲームとなった一戦は序盤から激しい攻防が繰り返された。序盤にチャンスを作ったのは浦和。前半3分のFW原口元気のミドルシュートを皮切りに柏ゴールに襲い掛かる。セットプレーの機会も多く得たが、キッカーのMF柏木陽介のボールはなかなか味方に合わなかった。

 すると、徐々にリズムをつかみ始めた柏が反撃に出る。前半14分には最終ラインからのパスに反応したMF橋本和がMF関口訓充を振り切ってシュートを放つ。GK西川周作に弾かれたボールをMF高山薫が豪快に狙うも、シュートは西川の正面を突きキャッチされた。互いにチャンスを作り合う中、先制点をマークしたのは浦和だった。

 前半17分、柏木が前線に縦パスを入れると、1トップの李がワンタッチで後方に走り込んだMF宇賀神友弥にパスを送る。この時、李は相手CBのDF近藤直也を引き連れてきており、柏ゴール前にはポッカリとスペースが生まれていた。そのスペースに侵入してボールを受けた宇賀神は迷いなく右足を振り抜く。シュートは惜しくもポストを叩いたが、MF梅崎司がこぼれ球をきっちりと押し込んで浦和が先制に成功した。

 その後も1対1での見応えある攻防があり、一進一退の攻防が続く。1点を先制された柏は前半20分に高山がゴールを強襲するも再び西川の好セーブに遭い、ネットは揺らせない。しかし、その後に訪れたピンチを守備陣が体を張ってしのぐと、前半終了間際の43分に同点に追い付く。幾度となく左サイドを突破していた橋本のクロスの流れから、FWレアンドロがPA内で柏木に倒されてPKの好機を得る。このPKをMF田中順也が冷静に決めて、1-1で前半を折り返した。

 浦和は後半開始から関口に代えてDF濱田水輝を投入。3バックの右に濱田を入れて右CBだったDF森脇良太を右アウトサイドに押し出し、前半再三突破されていた右サイドにテコ入れした。再びリードを奪いたい浦和にチャンスが訪れたのは後半11分。キレのあるドリブル突破を見せた原口が近藤のファウルを誘い、FKのチャンスを得る。しかしDF槙野智章が直接狙ったFKはGK菅野孝憲に弾き出された。さらに後半17分には左サイドを崩した槙野の折り返しから梅崎が決定機を迎えるが、これも菅野の好セーブに阻まれた。

 後半は攻め込まれる時間帯が続いた柏だが、菅野を中心とした守備陣が粘り強い守りを見せて得点を許さない。しかし攻撃は単発に終わり、シュートチャンスまでなかなか持ち込めなかった。後半27分には田中がミドルレンジから強烈な右足のシュートを放つもネットを揺らすには至らず、同29分には左サイドを切り裂いた橋本のクロスが直接ゴールを襲うも西川に弾き出される。

 しかし、後半34分に逆転ゴールが生まれる。田中が蹴り出したCKを渡部がドンピシャのタイミングで合わせて豪快にネットに突き刺し、逆転に成功した。後半38分には李にネットを揺らされるもオフサイドの判定に救われ、その後も浦和の猛攻に遭うが同点ゴールを許さずに逃げ切りに成功。リーグでは3戦未勝利と苦しいスタートを切った柏だが、ナビスコ杯では白星スタートを切った。

(取材・文 折戸岳彦)
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