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[MOM989]三菱養和SCユースMF相馬勇紀(2年)_国体優勝MF、強烈な突破力活かすための工夫

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.20 イギョラ杯D組 藤枝明誠高0-1三菱養和SCユース 赤羽]

 昨年、東京都選抜を国体優勝へ導いた高速アタッカーが充実の進化を遂げている。三菱養和SCユースのMF相馬勇紀(2年)はこの試合、左ワイドのポジションで先発すると後半は右サイドへ移動。前日の前橋育英高戦ではトップ下にもチャレンジしたというMFは持ち味の強烈な縦への突破だけでなく、いろいろなポジションを経験する中で周囲を活かすプレーの質が上がってきている印象だ。もちろん前半から縦へ切れ込むシーンがあったが、その数は少なめ。DFが警戒していても仕掛けて穴を開けることのできる選手だが、簡単には仕掛けない。縦への突破をケアしてくる相手に鋭いパスがあることを見せつつ、ここぞの場面では一瞬の加速で身体を相手の前にねじ込んで突破を試みた。

 自身のスピードをより活かすための工夫。決してパスが得意な選手ではなかったが、向上心の強いMFは意識を高く改善に取り組んできた。「最近はどっちの足に出すとか、身体の向きとか、ボールの回転とか、細かい部分にまでこだわるようにしている。今年チームのみんなの前で掲げた目標がプレミアリーグで5ゴール10アシスト以上。(得点力の高い)ディサロや下田が触るだけで決まるパスを出すと宣言しているので、そこはやりたいです」。前日の前橋育英戦でFKを決め、この日も決定的なスルーパスを通すなど、試合を決めることのできるサイドアタッカーは結果にこだわりながらシーズンを送っていく。

 昨秋の国体では東京都選抜のチームリーダーのひとりとして、またサイドの突破口として東京都の地元国体Vに貢献。だが、その後チームで活躍することができなかった。「国体で優勝して、それが終わって、その後に全然結果とか出せなかった。そうしたら周りから『国体で凄かった過去の選手になっちゃうよ』と言われて、そういうことを言われて悔しかったのもあるし、今年は活躍する年にしたいです」と意気込む。練習試合では湘南ユースや川崎F U-18からゴール。昨年、チームの公式戦ではわずか1ゴールに終わっているだけにシーズン当初から掲げている「活躍する」という目標を継続させていく。

 口調は穏やかだが、志は高い。「自分の最終的な目標はプロに出て活躍することだったり、2020年のオリンピックに出場することも今の近いところの目標。大学を経由するにしても、どこに行っても自分がどれだけ練習してスキルアップするかだと思っている。最終的にはプロ志望ですけれど、今のところは大学とかはまだ全然考えていないです」とあくまで来年のプロ入りを目指して、その世界に近づけるようにスキルを磨いて高校ラストイヤーを終える。

(取材・文 吉田太郎)

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