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[MOM991]青森山田FW丹代藍人(2年)_ストライカー育成計画に応える3戦4発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.21サニックス杯国際ユース大会 青森山田高3-0福岡U-18 グローバルアリーナ]

 従来の4バックから、サンフレッチェ流の5バックシステムを今大会から導入している青森山田高。堅守速攻という新たな概念の浸透を進めているが、もう一つ取り組むのがストライカーの育成だ。「昨年はストライカー不足で、チーム全体がパスを選択してばかりになってしまったのが悔やまれた。今は皆で”ストライカーを作ろうぜ”と良いパスを前線にどんどん出す事を心掛けており、FWには失敗してもいいから、どんどん勝負をしろと伝えている」という黒田剛監督の視線の先にいるのが、1トップを務める背番号10の丹代藍人(2年)だ。

「しっかり皆が守ってくれているので、前に来たボールは全てしっかり納めて、ゴールに繋げたい」という本人の意気込み通り、この福岡U-18戦でも攻撃の要として、ポストプレーで周囲を使いながら、前半30分にMF山下優人のスルーパスからスペースに飛び出すなど果敢なプレーを披露。後半27分にはドリブルからきっちりゴールも奪い、周囲の期待に応えた。前日の四日市中央工高でも2ゴール。この日の第2試合、鹿児島実高戦でも1ゴールを奪うなど、青森山田が取り組むストライカー育成計画は幸先の良いスタートを切っている。

 中学時代から、年代別代表にコンスタントに呼ばれる存在だったが、強豪・青森山田高では厚い選手層に阻まれ、これまでは定位置を掴めず。昨年はセカンドチームの一員として、プリンスリーグ東北で戦う日々が続いた。「Aチームで試合に出たいなとは思っていたんですけど、いざ出てみると技術が足らず、試合の流れにも入れなかった。昨年は上手い先輩たちばかりだったので、自分に自信もなく、正直ビビッていました」。だが、最終学年を迎えた今年はそうも言ってはいられない。チームの浮上は彼のプレーにかかっている。

「新チームが始まったばかりで、新しいシステムで挑む大会でもあるので、分からない事も多かったけど、予選ではやりたい事が出来た」とチームに手応えを感じつつも、「個人として点が獲れているのは良い事だけど、まだまだな部分が多い」と課題を口にする。周囲の暖かいバックアップに支えられ、覚醒する可能性は十分にある。攻撃を一手に背負う男の更なる成長に期待せずにはいられない。

(取材・文 森田将義)

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