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[イギョラ杯]GK金子優がPK2本ストップ、鹿島学園が3位に

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[3.20 イギョラ杯3位決定戦 鹿島学園高0-0(PK3-2)三菱養和SCユース 東京朝鮮高]

 第24回2014国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」は大会最終日の21日、都内各地で決勝トーナメント、順位決定トーナメントを行い、3位決定戦では鹿島学園高(茨城)が0-0で突入したPK戦の末、3-2で三菱養和SCユース(東京)に勝った。
 
 この日最大瞬間風速21.6mを記録するほど強風が吹き荒れた都内。三菱養和は前半、鹿島学園は後半と互いに風上に立った時間帯に相手を押し込む形となった。三菱養和は午前中の準決勝でプレミアリーグでも対戦する流通経済大柏高のハイプレッシャーに苦しみ、0-2で敗退したが、今後へ向けて収穫となる大会に。準決勝から大きくメンバーを入れ替えて臨んだ3位決定戦は前半、右サイドからアグレッシブに仕掛けてくるMF木脇次郎が再三チャンスメーク。立ち上がりから決定機をつくり出すと、FW萩原大輝やMF増田隆祐がPAへ潜り込み、木脇の直接FKがゴールを脅かすシーンもあった。

 一方の鹿島学園も前半はメンバーを入れ替えて新たなテストを試みていたが、後半途中から現状のベストに近い形に戻して三菱養和を攻め立てる。また前半はボールを失うシーンが多かったものの、鈴木雅人監督の「運べなくても保持して守備する時間を減らそう」というアドバイスを実行。MF日向寺見文中心に後半はボールを保持する時間を延ばした。
 
 そしてチャンスの数を増やすことに成功した鹿島学園は21分に右サイドを強引に破ったFW生井昌椰のラストパスをMF年代快人が決定的なシュート。絶妙な切り返しでDFをかわすMF清成俊太や馬力のあるドリブルで突進する生井らのチャンスメークから決定機をつくり出したが、三菱養和もGK畚野直柔がビッグセーブを連発して得点を許さない。鹿島学園は32分にも右CKからFW金沢良太がヘディングシュートを放つもポストを叩き、試合はPK戦にもつれ込んだ。

 PK戦では三菱養和の畚野が相手の1人目をストップ。だが、鹿島学園は三菱養和の4人目のシュートが枠を外れたのに加え、「足元はまだまだですけれど、(PK戦では)サイズが大きいので、読みが当たると、(サイドネットへのシュート以外を止めてくれる)という期待がある」(鈴木監督)というGK金子優希が2人目と5人目のシュートを止めて3位を勝ち取った。

 今年も恒例のスペイン遠征を行ってきた鹿島学園。現地では厳しい戦いが続いたが、それでも攻守両面で見えた課題を突き詰めながら夏冬の全国大会を目指す。特に現状ではフィールドプレーヤーで180cm以上の選手がいないため、戦術理解力と機動力を磨くことに力を注いでいく。鈴木監督は「簡単にボールという“武器”を渡さないようにしたい」。スペインで改めて感じてきたマイボールを大切にする姿勢、対人の対応向上などに取り組んでシーズン本格開幕に備える。

[写真]PK戦、鹿島学園GK金子優が相手5人目のシュートを止めて決着

(取材・文 吉田太郎)

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