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[MOM992]札幌U-18FW粟飯原尚平(2年)_リハビリ生活乗り越え躍動、鮮烈先制弾決めてMVPに

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.21 イギョラ杯決勝 札幌U-18 3-2流通経済大柏高 東京朝鮮高G]

 第24回2014国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」の最優秀選手にはコンサドーレ札幌U-18のFW粟飯原尚平(2年)が選出された。昨夏のクラブユース選手権で負傷するなど過去2年間は怪我のため、ピッチで大暴れする機会を掴めていなかったが、「(四方田)監督からどんどんスペースへ狙って行けと言われていたので、交代してもいいから走っていこうと思っていました」という決勝は試合開始から前線を走り回り、鮮烈な先制点を決める。前半8分、中央右寄りの位置でパスを受けると素早く寄せてきた相手DFを弾き飛ばすように前進。PAへ侵入すると、そのまま足先でゴールへ押し込んでチームに歓喜をもたらした。

 怪我で長期離脱していた期間、体幹トレーニングをみっちりと行わってきたというFWはその後もスペースへ動いてはボールを収めて攻撃の起点に。コンタクトの強い流経大柏DF相手にも、軸の強さで対抗してボールを失わない。また泥臭く走り回る姿勢によって、相手にとって厄介な存在になっていた。そして前半26分には自信を持っている左足キックでCKからFW平川元樹のゴールをアシスト。昨年2戦2敗だった流経大柏撃破の立て役者となった粟飯原について、四方田修平監督も「長いリハビリ生活で培った強靭な肉体。当たりというかパワフルな良さがだいぶ出せているということと、以前は猪突猛進というか、突っ込んでいくタイプだったんだけど、今年になって冬場のトレーニングから周りを見れるようになってきて、周りとの兼ね合いの中で自分が動いたり、ボールを持った時に判断していくというところで成長してきた」と目を細めていた。

 まだ周囲との連係を欠いて前線でノッキングしてしまうシーンも見られる。ただ怪我から復活して躍動している粟飯原は課題を改善し、また自分の良さを出していくことを誓う。「自分のいいところ、シュートとか裏へ抜け出すところとかをプレミア(リーグ)で見せられるようにしていきたいです。もうひとりのFW(平川)は高さもスピードもあるし、ポストプレーもできるのでオレはどんどん裏へ抜け出して、前向いてシュートを意識している。2人で連係を取りながらやっていきたい。テクニックとかはないので岡崎選手のような泥臭い選手になりたいです」。近年、どちらかというとテクニシャンタイプの多かった札幌U-18に生まれた178cmの粟飯原と187cmの平川による破壊力十分の2トップ。彼らが先頭に立って、得点を量産して、チームに勝利とタイトルをもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)

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