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[練習試合]U-16日本代表候補、意図的な攻撃できず横浜FMユースに敗れる

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[3.23 練習試合 U-16日本代表候補0-1横浜FMユース マリノスタウン]

 神奈川県内で合宿中のU-16日本代表候補は23日、マリノスタウンで横浜F・マリノスユースと練習試合(30分ハーフ)を行い、0-1で敗れた。今秋にU-17W杯出場を懸けたAFC U-16選手権タイ2014に臨むU-16日本代表候補は24日まで合宿を行う。

 狙いとしている部分を表現できないまま終わった60分間だった。今回の合宿では相手を見て、相手の守っていないところを攻めることがテーマとなっていたが、今回の試合では意図的にボールを動かして、選手が動いて、その中で相手の守りが薄いところを見つけて狙う攻撃ができなかった。コンパクトに守る横浜FMユースが待ち構えているところにボールを動かしては奪われるシーンの連続。相手の背後に空いたスペースを狙うことなどもっとできたはずだが、判断のいい狙いがなく、またどうボールを運ぶのか、攻撃の意図を選手間で共有することもできていなかった。相手の守りを広げる選手、ボールの近くで関わる選手、その2つをリンクする選手の距離がすべてが近づきすぎて、新高校1年生メンバーの横浜FMユースに前からボールを狙われては失い、次々とシュートへ持ち込まれた。

 前半4分、横浜FMユースFW吉尾海夏に左足で先制ゴールを決められると、その後も今回のU-16代表候補合宿に招集されながら体調不良で辞退していたMF根本圭輔らがキープ力を発揮する横浜FMユースに押し込まれてしまう。U-16代表候補も9分にFW菅大輝(札幌U-18)がDFラインの背後へ飛び出し、その後も菅やFW杉浦文哉(名古屋U15)が右サイドのスペースを狙うシーンはあったが、それ以前にDFラインからのパスをインターセプトされるなど効果的な攻撃、PA付近での攻撃の数はわずかだった。

 前半は29分、右サイドを抜け出した菅の折り返しを杉浦が右足ダイレクトで叩いた場面が唯一のチャンスらしいチャンス。後半は何度かDFを動かしてスペースをつくり出し、12分にワンツーから菅が左足シュートを放ち、MF西本卓申(アルバランシア熊本)のスルーパスがDFの急所を突きかけるシーンもあった。ただ試合の流れを掴んでいたのは守備で主導権を握った横浜FMユースの方。対人の攻守でも苦戦したU-16代表候補はPAでCB麻田将吾(アルフット安曇野ジュニアユース)やCB中川創(柏U-15)が何とか相手の攻撃を食い止めていたが、最後まで得点を奪うことはできなかった。

 吉武博文監督は「自分とボールの関係で、自分でしかやっていないから、チーム全体で何かをやるということは全然できなくて凄く残念というかがっくり。(攻撃に関しては)前もって(選手間で)相談できていないというか、こういうイメージでボールをつないで、相手引き付けて回しましょうということがなく、みんなで意図的に動かせていない。ボールを持っていない方が有利になっている」と指摘した。この試合の後に横浜FMユースの選手も交えて行われた紅白戦ではパスを出して、動くということを繰り返すことでスペースができてチャンス、ゴールも生まれたが、より狙いをもってつくり出さなければならない。また試合の中で訪れる状況すべてをトレーニングで把握することはできないだけに、形に頼るのではなくて個々が相手がどこを守っているのか判断すること。指揮官は「判断という部分にいかに働きかけて、相手の一歩でも逆に動かすことができるか」。今後イタリア、アゼルバイジャン、タイと続く海外遠征ではメンバーを固定することなく、98年生まれ以降の世代のより多くの選手に経験を積ませる方針。世代全体のレベルアップを図り、将来へ向けてアジア予選、世界舞台で1試合でも多くの経験を積む。

[写真]U-16日本代表候補FW菅がゴールへ迫るが、横浜FMユースのゴールを守ったU-16代表候補GK井上がキャッチ

(取材・文 吉田太郎)

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